登山で出来ない”たった1つ”のこと【イメージするだけでOK】
登山で出来ないこと、やってはいけないことは、色々と思い浮かべられるかもしれません。
今回は、1つ取り上げて解説していきます。
さて、登山で出来ない ”たった1つのこと” とは、
「中断」が出来ない ということです。
こればかりは、やりたくても出来ないですよね。
山は、登り始めた以上、下山しない限りどうしようもないわけです。
「やーめた!」って途中離脱することは出来ず、やめるにしても下山はする必要はあり、他の多くのスポーツや趣味、ゲームなどと違う点である。
果たしてどれだけの人が、この当たり前のことを意識して登山に挑んでいるでしょうか?例え、複数人パーティー登山であってもこれを放棄することは出来ません。
これから、春になり冬山登山をされない方、高齢者やビギナーの方が登山再開を計画している頃と思います。
このような方々に、忘れがちなこの ”たった1つのこと” を意識してもらうために、
登山歴7年、登山ブログ10万PV以上を達成した私が得てきた見解をもとに書いていきます。
先ずは、イメージするだけでOKです。
それでは Let’s Go!
登山は中断が出来ない数少ないスポーツ
登山をスポーツと言えばよいか、趣味、アウトドア、旅、色々な目的で登山する方がいらっしゃいますので、表現が難しいですが、
いずれにしても、かなり体力が必要です。
かなり体力が必要なのに、途中で辞めちゃうことが出来ないわけで、辞めちゃうと命の危険に直結するのですから、冷静に考えると結構リスキーですよね。
途中離脱が出来ないスポーツって、ゼロではないけど、少ないですよね!?
道が分からないから、疲れたから、怪我したから、飽きたからといって中断するわけにもいかず、下山し家に帰らなければならないわけです。(山小屋泊の場合は山小屋に辿り着くこと)
このあまりにも当たり前のことを、しっかり頭にイメージした上で、登山計画や荷物の準備に当たていただければ良いと思います。
途中で辞めることは出来ない・・・
常に忘れないように心がけることが、登山におけるリスクマネージメントの1つになります。
本ブログの心得でもある「ゴミは落とさない・命も落とさない」です。
下山して家に帰るまでが登山です。
パーティ登山であっても同じです
経験値のあるリーダーがいるからと言って、リスク管理を委ね切ってはいけません。勿論、自分本位の勝手な行動は良いとは言えず、リーダーの指示に従うことは大切なことではありますが、その判断と責任をすべてリーダーに委ねるのはやはり正しいとは言えません。
お互いの理解度や信頼度にも左右されますが、パーティー登山で取り返しのつかないレベルまでリーダーに判断を委ねてしまった末路として、トムラウシ山遭難事故が有名です。
「予定が狂ってしまった時」「日没までに山小屋或いは下山できない可能性を感じた時」「道を間違えた時」「誰かが怪我をした時」「水分食料に不足が生じた時」「リーダーが危険な行動をしていると思った時」「その他「あれ?おかしいな」と感じた時」
そんな時はリーダーや他のメンバーに意見を言いましょう!喧嘩をするのではなく、あくまで意見や提案を積極的に行いましょう。
そういう意味では、誰もがリーダーであるとの自覚も持ってください。
経験値や年齢、立場の上下は関係ありません。命に係わる事ですから忖度は不要です。
リーダーが下山時、ルート外を強行したことによる事故はこちら
パーティー登山は、知恵を出し合ったり助け合える利点がありますが、人数に比例してトラブルが起きる可能性も上がります。
いざという時は救助要請
坂の上から転がるボールのように、登山は山に登り始めた時点で、山小屋や自宅に辿り着くまでは中断という文字は無くなります。
登山は途中で辞めることは出来ません。
あなたは、家で待つ妻、夫、子供、愛犬のポチのために必ず戻らなければなりません。そのための行動計画、装備、準備で挑んでいただきたいなと私は思っていますし、そう考えるように心がけております。
家族が待っています
登山の真の目的地はコチラです。
ナーバスになる必要はありませんが、心掛けておくとそれだけでリスクが軽減されると思います。例えば、忘れ物が減るようになったり、早めに撤退の決意ができるなど。
状況が悪ければ、諦めてさっさと下山してもいいわけですし、山小屋や避難小屋で待機したり、ビバークをして下山の好機を狙っても良いでしょう。
私もまだビバークや救助要請の経験はありませんが、あと一歩でその可能性に陥る経験は何度もやってしまっております。恥ずかしながら。
登山は途中で辞めることは出来ませんが、本当にいざという時
救助要請をすることが出来ます。
警察や消防、山小屋や麓のビジターセンターに連絡し要請することが出来ます。
自らが救助要請しても、救助隊が到着した時には息絶えてしまっていた例も2023年で既に起きてしまっておりますが、助かるケースが多いのはやはり、自らが救助要請が行えていたり、登山届けを出していたりするケースが圧倒的です。
自らが救助要請できると、概ね現在地を伝えることが出来ますので、それが大きいです。
山の中で、人ひとりを見つけることは、相当困難です。
富士山と言えば、最も過酷な標高なのに、最も素人が登る山だと言われたりしますが、普段着に運動靴やサンダルで進退窮まって救助要請する場面で、ひんしゅくを買ってしまうパターンが発生しがちです。
登山は途中で中断することができない。
これが頭にあれば、準備や行動も伴ってくると思っています。
それでも命を落とすよりはマシ。素人ベテラン関係なく、自分の力では窮地を脱することが出来ないと判断した時は救助を要請しましょう。
山小屋のスタッフさんの多くはこう言います。
「山は逃げませんからね・・」
つまり、どういうことかと言うと、登れなくてもまた次チャレンジすればいいですよ。山はいつでも待っていますよ。ということ。
せっかく来たんだから、と危険な状況でも強行する気持ちは分かるのですが、
”諦めが肝心”
と、いったところでしょう。
登山で出来ないたった1つのこと、いかがでしたでしょうか。
今年の登山が皆様にとって良い思い出となりますように。ではまた!