全部歩きで!中央アルプスラウンド【中ア 主脈縦走 浪漫の旅】

全部歩きで!中央アルプスラウンド【中ア 主脈縦走 浪漫の旅】

2019年6月2日 オフ 投稿者:

皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
今回は2018/09/22~23中央アルプス主脈縦走した時の内容を記事にいたしました。
ここでは、山と高原地図No.41「木曽駒・空木岳」中央アルプスを使用しています。

 

中央アルプスと言えば木曽駒ヶ岳、ロープウェイが開通してから老若男女問わず多くの登山者で賑わう、気軽に千畳敷カールや雲海などの絶景を楽しむことが出来る。

これをロープウェイやバスを一切使わず登るとなると条件は全く異なり、過酷な旅へと様変わりする。

しかし、全部歩くことでそれぞれ特徴の違う山をじっくり堪能できるし、道中の登山道もなかなか魅力的である。発見の連続だ。

歩行時間を長く取ることで、メインどころの木曽山脈主脈をぐるっと一周することができたぞ。

宿泊地は檜尾岳にある檜尾避難小屋にしたぞ。その理由は、テントを担がないことで軽量化を図ることと、仮眠程度の休憩になる可能性もあり時間が読めないことから無人宿泊地を選んだ次第である。

そんな浪漫の旅を紹介いたします。

今回登頂した山とルート紹介をするよ

最初に登ったのは「空木岳」標高2,863m 日本標高第42位の百名山。私は急ぎ目で登ったことが起因して高山病を発症した。

読み方は うつぎだけ と読む。山名の美しさと山容の美しさから中央アルプスのイケメン的存在である。

この山はショートカットして登ることが出来ないことと、ここから先の南側、南駒ケ岳、越百山はややマイナーであり、熟練登山者が多い印象で静かな山歩きが楽しめる。ちなみに、南駒ケ岳と越百山の間にある仙涯嶺(せんがいれい)と後に紹介する宝剣岳では2019年2月に連続滑落事故が発生している。

よろしければ下記記事もご覧ください。

中央アルプスで相次いだ滑落事故について【山岳事故】←クリック

空木岳までの登山道で大地獄・小地獄と呼ばれる要注意区間があるが慎重に通過すれば問題ないだろう。

空木岳から先は絶景の縦走が楽しめる。東川岳、熊沢岳、「檜尾岳」を経由して宝剣岳方面へ。途中ガレ場も多く、私は何度も転倒してゴアテックスのレインウエアが破けてしまうほどハードだった。(雨天であった)檜尾岳にある避難小屋に宿泊した。

そして「宝剣岳」標高2,931m 山頂は剣のように鋭く、1人が立つことすら難しそうだ。山頂付近にもなると鎖などにつかまってよじ登る箇所は、滑って落ちたらさようなら。となってしまうので命に関わる絶対に油断できない危険地帯。登りと下山のすれ違いには特に注意しよう。ロープウェイ発着所のある千畳敷方面に巻き道があるからそちらに迂回する選択肢も考えておこう。

宝剣岳をやり過ごすと、中岳を経由して「木曽駒ヶ岳」へ。標高2,956m 日本標高25位の百名山。信仰が深い山のようで、山頂には神社がある。大正2年に地元の箕輪中学校(旧箕輪高等小学校)で遭難事故が発生し、この事故で教師、生徒が亡くなられているが、この事故を乗り越えて同校では今も登山が行事として続けられているという。これには驚きました。体力的には不可能ではないけど、東京では無理だなと。個人的には続けてほしい行事と思っております。

最後は伊那前岳を経由して下山へ。

登山状況をざっくり振り返るよ

東京から中央道経由で駒ヶ根IC下車、駒ケ根高原スキー場の菅の台バスターミナルの有料駐車場で仮眠程度の車中泊をする。

雨が強く降っており、ロープウェイは運航中止の看板が出ている。

「よし、静かな登山が楽しめそうだ」

4:30起床するも、雨が激しく降る。弱まるのを待ったが、5:15これ以上は待てず雨の中渋々出発。

空木岳登山道の途中池山小屋の前に湧いている水が今回最も美味しい水であったので、是非ここで給水して欲しい。

出発直後の道誤りがあったものの、以降は順調に空木岳まで登る。但し、高山病の症状は出ている。雨は相変わらず降り続けている。

空木岳の先、木曽殿山荘で単独登山者がチェックインすると完全に一人ぼっちの縦走となる。日が暮れ始めかなり心細い。しかしここで雨が止んでくれた!

17:44 檜尾岳に到着。夕暮れに感動しながら、体力ボロボロ状態で宿泊予定の檜尾避難小屋に到着。先着の登山者1名がおり、少しの間、談笑し、食事を摂った後に就寝する。

檜尾避難小屋

無人、寝袋、トイレ付。マナーを守り整備協力金として¥1,000-は必ず料金箱に入れよう。5人くらいまでは広々と使えるが、10人くらいになると寝るのがやっとな狭い避難小屋なので、混雑シーズンは早く到着しないと厳しいかもしれない。

20:00頃だろうか、ドンドンドン!!「誰かいますか!!」

びっくりして飛び起きた。心臓が止まるかと思った。ノックはマナーと分かっていても、誰も居ない夜中の山の突然の音は寿命が縮まる(汗)

出発が遅くなった高齢者2人組の登山者だった。

これでようやく寝れる・・か

4:00起床 4:20満点の星空の闇の中出発。

避難小屋宿泊メンバーの一人が私より20分先に出発している。1キロくらい先にヘッドランプの明かりが見えていて、目的地は同じであり目印に進む。不明瞭なところはヘッドランプをこちらに向けて合図を出してくれる。これが夜登山の連係プレーである。

ああ、星空の下、3,000m標高の縦走はなんてロマンがあるんだろう。とても楽しかったと記憶している。

誰かがヘッドランプをこっちに向けている。遥か遠く、登山口あたりで登山者が登り始めたか、私の方をずっと見ていたので、私もランプを照り返した。

この後、7時間後にこの登山者とバッタリ遭遇!!これだから登山は止められない。奇跡とロマンの連続だ。何故、その登山者と分かったかについては、ページ下の別ページの登山報告書よりご覧いただきたい。

日の出を眺めながら歩いていると、20分先に先行した登山者に追いついた。ここから先、木曽駒ヶ岳まで同行させていただくことに。やはり同行者がいるとかなり心強い。すぐに友達になれることも登山の醍醐味だ。

宝剣岳の手前、女性単独登山者に声を掛けられる。

「ロープウェイが動き始めた。下界ではエラいことになっている。木曽駒ヶ岳に行くなら急いだほうがいい」

真剣な表情での忠告であったが、そのときは、はあ、そうですか程度のリアクションをしてしまう。

そして、木曽駒ヶ岳手前まで来ると・・・

そこは渋谷のハチ公前であった・・・

詳しくはここではコメントしません。

登るべき山を全てクリアした後、同行者とは別れ、伊那前岳を経由して下山へ。

これが長いんだー。

北御所登山口でバスに乗れますが「すべて歩きで」をルールにしている関係で、舗装路に出ても10キロ以上歩き続けた。数十分おきにすれ違うバスの乗客から不思議な目で見られながらはちょっとアレなので、皆さんはバスに乗っていただきたいと思います。危ないですしね^^

ここで、マムシに遭遇!!「うわっ!ほんとにいるんだ!」

危機一髪!?

マムシ

通りかかったバスに踏まれたようだ・・・

15:04 菅の台バスターミナルに無事生還。

雲海の縦走、感動の夜明け、7時間後の再会、渋谷のハチ公・・などさらに詳しい情報はこちらの登山記録からどうぞ!ではまた!