ファストパッキング用 サロモンのOUT PEAKレビュー
皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
みなさんは、ファストパッキング用のザックを持っていますか?
ファストパックはやらない方も多いでしょうし、トレラン用や登山用はもっているけど、ファストパッキング用は持っていないという方も多いでしょう。
”ファストパッキング用” という定義も難しいです。
ファストパッキング用のバックパックはトレラン用よりも大きく、登山用より小さいことなのでしょうか?
これについて、どう考えたらよいか。
・・答えは人それぞれであり、「自分にとってのファストハイクとは何か」を模索することで、導き出せるものだと言いたいです。
私が2018年から、ファストパッキング用として使い続けているザック、
SALOMON(サロモン)OUT PEAK(アウトピーク)20Lをレビューします。
スピードハイクが超快適にできるようになる最高の相棒です。
そう、ファストパック用のザックを模索するという事は、スピードハイクを模索する事にもつながるのです。
OUT PEAKの紹介
20リットルのザックです。
青のSALOMONもイイネ!
登山に必須のアイテムが一通り入る軽量のザックとして使いたかったのです。
出典:Amazonの販売ページ内 メーカーの説明 より
背負うとこんな感じ。荷室が大きい上の方に重心が偏るようにする事で背負いやすくなる作りである。
いかにも、ファストパッキング用のいで立ちだ。
ガツガツ走りながらの登山が可能。
収納や使い方は次の通り説明します。
6つの前面ポケット
収納場所の取り回しは申し分なく、トレラン用のパックパックと同じ感覚で使える。
例えば、上の写真のように小分けが可能。
両肩あたりのポケットには、鍵やスマホ、財布などを収納し、
胸部あたりのポケットには、500mmのソフトスラスクが入る。
脇腹あたりのポケットには、ヘッドライト、熊鈴、エナジージェルなど、
さっと取り出したりしまったりしたいものを、前面のポケットで上手く使い分けよう。
メイン収納と背面の間のスキマにも物を入れることが出来る。
例えば、地図、ハイドレーション、タオル、トイレットペーパー、座面シートなど、
なるべく平らでかさばらず、圧がかかっても差し支えないものを入れよう。
メイン収納
上部と下部それぞれにジッパーがあるので、物の出し入れがクイックリーだ。
メイン収納の上部側にたくさん荷物が入るような設計になっているので、
背負った時、重心が上の方になることで楽に担げるということです。
背面と、肩の部分にはクッションが入っており、長時間背負っていても痛くならないように配慮されている。
日帰りの登山なら最高に快適です。
前面ポケットに入れるソフトフラスコの他に、背部の両サイドポケットにペットボトルが2つ収納することができる。
他にも、ストックや地図などを仕舞う場所としても良さそうだ。
ヘルメット用のネットを外付けして、アルプスなどの縦走をしたりしてます。
20Lなので、トレランの必携品はもちろんのこと、日帰り分であれば食料、水分、防寒具にいたるまで一通りゆとりをもって収納することができる。
どんな使い方が良いか
2018年から、3年以上使い倒してきた私が、このサロモンのOUTPEAKをどのように使ってきたか、又どのような使い方が望ましいかなどを独断で伝えていきます。
【具体的な用途を探る】
ファストパッキング用の作りであるが、登山やトレラン、どんなシーンにも使うべき。
軽量の長距離縦走などが主であるファストパッキングに限らず、山に遊びに行く相棒としてメインザックのように使って欲しい。
・軽快な日帰り登山を楽しむ
私の日帰り登山のメインザックはドイターのフォーチュラ26L。重さは1600g。
これでも軽量だが、サロモンのOUTPEAKはたったの約550g。
収納を損なうことなく、めちゃくちゃ軽快に登山が出来る。
ドイター フォーチュラのレビューはこちら
・トレラン用ザックでは少し不安な時
トレラン用のベスト及びバックパックは6L~12Lくらいの荷室がポピュラーである。
特にプライベートでトレランに行く際など、念のため余分に食料や防寒具などを持っていきたいと思うとに、このOUTPEAKは非常に頼もしくなる。
6L~12Lでは、本当に必要最小限の物しか入らないのだ。特に水分が足りなくなると死活問題である。「ちょっと、予備を持っていきたいな」こんなときは、もう一回り大きいザックが望ましい。
一般的なハイカーからしたら、ペラペラで軽量の20Lザックはクセがあるというか、使いどころの難しさは否めません。
軽量化を重視するのは、トレイルランナーやファストパッカーなど一部のミニマリストだけだからだ。
それでも、サクっと近場の山を登る日帰り登山などで使ってみると、楽に感じますよ。
【ファストパックで本領発揮させてみる】
これまで、北アルプス剱岳、八ヶ岳全山縦走、南アルプス全域、など割と広範囲において、1日~3日間程度のファストパックを行ってきた。
長時間背負った時、肩の部分にはクッションが入っていると説明しましたが、荷物が重いと、2日目くらいにはかなり痛みが出てくる。対処するには改造というか、個人で加工していくしかない。あとは諦めるか。
ファストパッキングといっても、2~3日分の食料はそれなりの量になるし、水分もソフトフラスク500mmを2つ、ペットボトル500mmを2つ、予備の水を1,000mm背負うだけでも3リットル。かなりの重さになる。
当然、現地での補給を考えて少なくすることも可能だが、水場が枯れていたりしたら登山の続行は不可能になる。よって、3リットルは必要最小限として考慮。
どのようなザックにも言えることですが、ザックがパンパンになるまで詰め込むのはあまりおすすめできず、少しだけ余裕がある状態が取り回しを考えるとベストだと判断します。
このOUTPEAKようなペラペラの軽量ザックの場合なおさらです。
ショルダーに負荷がかかって背負いにくくなります。
逆に、ほとんど荷物を入れない状態で使う場合は支障は少ない。荷室調節用のヒモが付いているので、引っ張ってフィットさせることが可能。
トレランレースで全然使って良いと思います。
100㎞~160㎞規模のロングであれば、このくらいの容量のほうが普通のランナーには良いのではないでしょうか。
上部の右側の写真、胸部のクロスバンドの紐が慣れるまでは付けにくい。急いで出発したい時にこれでよく出遅れます。ここが微妙なポイントです。
良く言えば、締め付けが優しいので負担は少ないですね。
・丈夫さについて
さっきからペラペラって言うけど、丈夫さはどうなのか!?
こんな質問が飛んできそうだったのでお答えします。
私はこのザックで ”滑落” を経験したことがあります。
丹沢の世附権現山で滑落しました。1~2mくらいですけど。
このときのワコールのCW-Xのタイツはボロボロに破れ、大量に出血しました。
このザックは、少しだけ、少しだけですが破れてしまいました。ただ、たちまち不具合が出る程は破れておらず、特に修復せずにそのまま使い続けています。
このことから、見た目以上には丈夫。引っ張りには強いけど、擦れには少し弱い。
これが私の答えです。とはいえ、500gの超軽量ザックなので、強度を求めるのはいささか酷ではあります^^;
自分にベストな使い方を模索しよう
3年間以上使い続け、今も尚現役のSALOMONのザック、OUTPEAK。
どのようなシーンでも使える反面、クセのある一面もありました。
ファストパックで宿泊を伴う縦走は可能ですが、テントや火器を背負うだけの荷室はありません。宿泊の場合、山小屋泊を前提とするか、ツエルトを用いたサバイバル登山も選択肢になります。そう考えると、トランスジャパンアルプスレースに使える可能性もあります。
実際に使いながら、どのような登山で使えるのか試していくのが楽しい。
是非、たくさんの方に使ってもらいたいですね。
おっと、忘れてはならないのが、このOUTPEAKの販売は既に終了してしまっているという事。中古や在庫販売を探すしかありません。2022年2月現在。
お~~い!って突っ込まれてしまいそうですね(笑)
ただ、サロモンから後継種と思われる類似品が続々と出てきておりますので、探してみると良いと思います。
ファストパッキングを意識するなら20Lは欲しいところです。
サロモンより似たものを抜粋しました。
自分にとってのファストハイクを考えつつ、容量、重量、収納、フィット感などを意識しながら検討してみてはいかがでしょうか。
新しい登山の楽しさ発見にもなるかもしれませんね。
ではまた!