トレイルの木段の下り方
皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
写真は丹沢、鍋割山山頂手前の木段です。
トレイルの走り方について記事にすることはあまりないのですが、今回は「トレイルの木段の下り方」について書きます。
その理由は・・・・・
私も苦手なんです・・・実は。
ということで、木段の下りが苦手な人のためのヒントになればと考えました。
レース中の他の選手との会話の中でも、木段や階段が苦手なんですという話をよく聞きます。
その理由について質問してみると、多くの方が膝にトラブルを抱えていることが分かりました。
そのような形で何故、木段が苦手なのか、膝がダメージを受ける理由と改善策について、そして木段の走り方についてはプロの方の実践方法も引用しつつ書いていきますので、興味のある方は是非お読みください。
木段の下りが苦手な選手の様々な事情
色々と聞いてみると、次のような内容でした。
・膝に痛みや怪我を抱えていた
・脚にダメージが蓄積されるので苦手意識がある
・滑って転倒しそうで怖い
大方、こんな感じでした。
膝に痛みや怪我を抱えているランナーについて
トレイルランナーの多くが膝や足に何らかのトラブルを抱えている選手が多く、これはある意味職業病という印象を持ちますが、
同時に皆さん、怪我をするほどたくさん練習をされていたり、強度の高い練習をされているんだなあと感心する部分はあります。
努力して練習してきたからこそ、レースではその成果を十分に発揮したいと思うはず。でも、怪我がある限りその願いは叶わない。
では、膝にトラブルを抱えるというのはどういった理由によるものなのか?
他の選手に聞いたところ、このような理由が挙げられた。
・練習のし過ぎで膝を痛めた
・練習のしなさ過ぎで、体重が増え、久々に練習したら膝が体重にやられた
・もはや理由はわからない。万年膝痛。
こういった選手達にとって、木段は強敵だ。
脚にダメージが蓄積されるから苦手意識があるランナーについて
脚にダメージが蓄積されるから苦手意識があるのは、私です。
特にレース後半に木段の長い下りがあると厳しいです。膝はそこまで問題無いのですが、もも(大腿四頭筋)やふくらはぎの筋肉が疲労しており(いわゆる脚が終わっている状態)、張っていたり、痛みがあったりで、木段の下りはひたすら脚へのダメージを加速させるので苦手なんです。脚がしっかり鍛え上げられていない証拠ですね。登りは良いのですが、下りは体重が脚にもろに受けるのでどうもダメです。
普通のトレイルの下りならば、蛇行運転しながらダメージを逃がしつつ下ることが可能ですが、木段は直線的な下りが多く、かつ一歩一歩慎重に着地しなければならないので、ダメージが避けられません。
滑って転倒しそうで怖いランナーについて
滑って転倒しそうで怖いというのは、女性に多いようです。又は、下り自体にあまり慣れていなかったり、過去の転倒経験のトラウマがあったりなどのパターンだ。
こういう場合は、レース以外の場面で、トレイルの下りや木段下りの練習を積み重ねるとだいぶ慣れてくると思います。
丹沢のようによく整備された等間隔の木段もあれば、この写真のように不揃いの間隔だったり、老朽化で一部が崩れていたりと結構足場が悪く、必然的に視野も狭まってしまう。(この写真はまだマシな方かも)だから消耗する。
このように苦手な選手が多い木段の下りを攻略できればライバルに差をつけるチャンスとなる!
木段にどのように立ち向かうか
私自身が木段が苦手で、現在練習中であり検討中であり、レクチャーするのに難がありますが、私が対応している方法を書きます。
1.木段から逃げる
逃げるとはどういうことよ(笑)という声が聞こえてきそうです。
これは、木段の横に人が走れる(歩ける)スペースがある場合にのみ有効な技です。
木段の横の「わだち」を走るのです。そうすることで通常のトレイルの下りにある程度近づけて走ることが出来るので、1歩1歩を細かいステップで刻むことにより、脚にかかる体重によるダメージを軽減させます。
登山道を外れるようなケースの場合、それはトレイルの破壊につながりますので、その場合は、次の2の方法を実行します。
2.木段の「木」の部分にのみ足を乗せて飛ぶように下りる
これもちょっと説明が難しいのですが、木段って、段の先っぽの方が丸太のようになっているじゃないですか。そこの部分のみに足を乗っけるんです。
シューズ裏のやや前足部かちょうど真ん中(土踏まず)が硬い素材が使われていることが多いですし、そこで着地することで体が垂直になってブレにくいので転びにくくダメージが少ないです。そしてその着地した時の反発の力を利用して飛ぶように1段1段下りていきます。
雨でぬかるんでいる場合や、木段が老朽化しているなと思った場合は、転倒の危険が高いので、その場合は諦めて慎重に下りていくしかありません。あと、足が終わってしまっているとこれを行う元気が出ません(笑)
木段があまりに多すぎて絶句したレースの記事はこちら。
走り方以外の対象方は以下の通りです。
【足の怪我に悩まされた時の私の対処法】
あくまで私の対処法です・・
1.あまり練習量は落とさず、強度を落とす
スロージョグを取り入れています。普段の1キロのペースを50%~70%のペースに落としてゆっくりじっくり走ります。脚の筋肉とスタミナをそこまで落とさずに、怪我を改善していくことが可能です。
2.筋トレを充実させる
ゴムチューブを両足に巻いて中腰になってカニ歩きで脚全体を鍛えます。それに加えて、片足立ちでつま先の上げ下げの繰り返しでふくらはぎが鍛えられます。走れないほどであれば筋トレを工夫します。
3.シューズとインソールを見直す
リカバリー用のランニングシューズやサンダルなどの検討、インソールの検討も一考して欲しいなと思います。私はスーパーフィートのインソールを使用しています。
トレランで、繰り返される膝痛と捻挫に悩まされてきましたが、スーパーフィートのインソールは練習時でも私の強い味方となってくれています。
スーパーフィートのインソールレビューの記事はこちら
トレイルの木段の下り方
いよいよ本題と言いますか、ここからはプロのレクチャーになります。
Run Plus Trail(ラン プラス トレイル)というトレラン雑誌のofficialでのyoutubeチャンネルが開設されていたようで、
ちょうど、木段の下り方についてレクチャーされる動画を見かけましたので紹介します。
40代からの下り指南、ということでダウンヒル(木段)のポイントという題になっており、非常に興味深いです。(私はまだ辛うじて30代ですが)
YouTube Run Plus Trail OFFICIALより
こちらでは、山田琢也選手と小川壮太選手がそれぞれ木段の下りについて解説した後に実際に走っているところを見ることが出来る動画となっております。
面白いのが、このお二方の木段の下り方が全く異なる点です。
しかしながら、共通点もあり、それはいずれも脚になるべく負担をかけないように心がけていることであった。やっぱり、なるほどねぇ。
小川選手は上半身をうまくフレキシブルに使うことで脚にすべて負担がいかないようにしている走り方でした。
一方、山田選手は下りでも小幅で綺麗なフォームであり、足が前に出すぎないように意識して走ることで脚へのダメージを軽減させている印象を持ちました。
人それぞれのランニングフォームがあるように、木段の下り方も人それぞれに適した下り方があって、正解も同様に人それぞれなのかなと、この動画を見ることでこのような気付きを得られたような気がします。
お二人とも、素晴らしいランナーであり、好きな選手の一人です。最後に、過去にお二方が出場している私が出場したレースの記事を紹介して終わりにします。
山田琢也選手が出場していたレースの記事はこちら
小川壮太選手が出場していたレースの記事はこちら
木段下りも是非練習を積み重ねて、自分の下りを習得して欲しいと思います。
ではまた!