独自考察【日本ツキノワグマ3大獣害事件】
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
近年、聞かない日は無いぐらいにニュースを騒がせているツキノワグマについて今日は書きます。
本州に生息するツキノワグマは、遭遇、農作物被害、家屋侵入、威嚇や重軽傷などの、人命にまで関わる事故事例は少ない印象があり、人を食べる性質があるのはヒグマだけだと勘違いしがちですが、雑食という本質的な食性は基本的には変わらないことを再確認する必要があります。
月の輪熊と羆とでは体格的な差があるので、恐怖レベルの格は違いますけど、ツキノワグマも深刻な人身(食害)事故を起こしています。

日本におけるヒグマの人身被害人数が特に多い事故が、日本3大獣害事件として語られています。
1 三毛別ヒグマ事件(7人死亡 3人重傷) 1915年
2 石狩沼田幌新事件(4人死亡 3人重傷) 1923年
3 札幌丘珠事件(3人死亡)1878年
後世に語られる有名な事件です。これ以外にも、3名が命を落とした福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件が近代の1970年に起きており、執拗な襲撃や、残された日記から感じ取れる恐怖度、比較的近年に起きていることから、三毛別に続いてこ取り上げられることは多い。又、本州で起きたヒグマ事故として2012年に発生した秋田県、八幡平熊牧場で脱走したヒグマによって2名の人命が奪われた事故も忘れてはならない。
ところが、先ほども申したように、ツキノワグマも決して侮れない規模の事故を引き起こしている。
私は、このブログを開始した2019年からツキノワグマの事故を追いかけ続けた中で、私が知る限り人身被害人数の多い順で、
【日本ツキノワグマ3大獣害事件】と称し、該当する事件を簡単に紹介したいと思います。
お読みいただければ嬉しいです。

【日本ツキノワグマ3大獣害事件】
この3大獣害事件という名称は、公式に語られているものではなく、あくまで、筆者個人が独断で命名しているものであり、
知りうる事故の中から、死亡人数の多い順にランク付けしたものを3つピックアップし、3大獣害事故とさせていただきます。
3位から発表していきます。
3 露天風呂「瀬美温泉」ツクノワグマ事件

発生時期:2025年10月
発生場所:岩手県北上市
失った人命:推定2名
「事件の概要と考察」
露天風呂に清掃に入った男性従業員(60歳)の姿が見えなくなる。浴場には血痕や引きずられた後や熊と思われる毛が残されていたという。
熊の毛が残っていた時点で犯人確定というか戦慄が走りますよね・・・。
翌日午前、現場から50mほど離れた雑木林で損傷の激しい遺体が発見され、後に男性従業員と判明。遺体のそばには体長1.5mのクマがおり、猟友会のハンターが駆除した。男性は熊に食べられていました。又、このクマはこの事故が起きる9日前にも山菜採りに来た男性を襲って食べています。付近では目撃情報も多数寄せられており警戒していたというハンターのコメントを拝見しました。
比較的若い60歳の男性すら太刀打ちできない強さがあり。(当然クマに勝てるわけは無いのだが追い払うぐらいは出来たのではという妄想が崩れ落ちることとなった)
冬眠前に手っ取り早くエサを確保できる場所を縄張りにする熊の習性が凶と出たように思います。人を餌と認識してしまえば、その周辺で繰り返し人を襲うことでしょう。場合によっては入浴中の客でさえ襲われた可能性のある案件で、直近のことでもあり、またいつ類似した事故が起きるか分かりません。
ツキノワグマは人を食べない。という認識は明確に否定されます。
該当のクマは射殺されたため、一応は解決しています。
2 戸沢村人喰いグマ事件

発生時期:1988年5月~10月
発生場所:山形県戸沢村
失った人命:推定3名
「事件の概要と考察」
1人目の犠牲者は1988年5月に山菜採りに出掛けた61歳の方が戻らないとの届け出を元に付近の山林を30名がかりで探索したところ、損傷の激しい当事者を発見。すぐにクマの仕業と直感したようです。
23時ごろ、現場に残った6名のもとにクマが現れる。
威嚇して石を投げるとクマは姿を消した。
事件を受けて、その2日後にはクマ狩りを行うことにしたが、成果は上がらなかった。
2人目の犠牲者は59歳の主婦。クルミ採りに行ったまま戻らないとの捜索願いが提出された。翌日午前7時、クルミの木の下で亡くなっている当事者を発見。右腕と両足が削ぎ落されていた。そして引きずられた跡も・・。
皮肉なことに1人目の犠牲者の事件発生場所と200mほどしか離れていなかった。同一個体の可能性が極めて高い。
3人目の犠牲者はそのわずか3日後に起きた。
栗拾いに出掛けたのは61歳。家族5人での栗拾いだそうだ。
64歳夫はクマの足跡を発見し、一目散で家族に知らせようとした矢先に血まみれの当事者を発見した。しかも、そこにクマが居たため、火を焚いて追い払い救助を求めた。61歳の方は失血のため死亡した。
直後の捜索で猟友会が現場付近に潜んでいたツキノワグマを射殺。胃袋からは衣服や人体の一部が発見されたことで加害グマと断定し、事件は終結となった。
クリ、クルミ、山菜、全てツキノワグマの主食であり、縄張りに入った人が襲われるケースは今も昔も変わらないことが窺えます。
しかも、人の味を覚えてしまっているので、襲った人間はそのまま餌としてしまう分、たちが悪いです。もしかすると、この3人以前にも人を食べている可能性もあるのではないか。
2025年度も戸沢村でツキノワグマ襲撃による負傷事故が発生しています。
1 十和利山クマ襲撃事件

発生時期:2016年5月~
発生場所:秋田県鹿角市
失った人命:推定4名(重軽傷合わせて8名)
「事件の概要と考察」
短期間で4名もの犠牲者を出した現代の日本の歴史に残るほどの獣害事件である。ツキノワグマのイメージがガラッと変わるほどの強烈な印象が時系列からも感じ取れる。
そして以降、ニュースでもツキノワグマの被害ニュースが多くとり上げられるようになり今に至る。
2016年5月20日、地元男性が竹やぶで行方不明となり、翌日爪痕や噛み跡が見られる遺体として発見される。
同日に、別の夫婦がタケノコ採りの最中にツキノワグマに襲われるが、夫が応戦したところ、クマを追い払うことに成功。
5月22日、1人目の犠牲者発見場所から800m離れた地点で、秋田市の夫婦がタケノコ採りをしていたところ熊に襲われる。妻は逃げ切ったが、夫は逃げ切れず遺体として発見される。同日、全く別の女性も襲われ傷を負った。
26日朝、男性が熊に襲われたが尖らせた笹竹でクマの顔を突いて撃退し生還する。
29日朝、タケノコ採りをしていた女性が背後から熊に襲われるが、同行していた息子がナタで20分程度闘い撃退。生還する。
30日昼頃、25日から行方不明になっていた男性が遺体となって発見される。遺体は熊に齧られており損傷は激しかった。
6月10日午前、3日前から行方不明となっていた女性の遺体が発見された。主犯格の1頭とされていた赤毛の雌熊が直後に猟友会によって射殺された。
6月15日、4人が熊に襲われ1人が負傷。30日には男性が頭部に重傷を負った。
生還した、夫を失った妻とナタでクマを撃退した男性は当時について口を閉ざしているといいます。
日本ツキノワグマ研究所の米田さんの記事などを読んでいると、丹念な調査の結果、この事件で人間の食害に参加した熊は5頭いて、うち2頭は駆除されたがまだ3頭は生き残っている可能性は高く警戒の必要性が高いことが書かれています。
付近は警戒が強まったため、以降の事故は減ったが、この事件の最も怖いのは、加害熊が完全に駆除されておらず、事件解決に至っていない点にある。
秋田県のホームページ『ツキノワグマによる人身被害状況』によると、
令和7年度の被害件数は 59件 ←多すぎる!
うち、死亡事故が 4件 ←多すぎる・・・
うち、重症事故が 35件
(数字に慣れてしまうのが怖い)
この内訳から考えると、襲われたケースの約66%が重症又は死亡となっており、襲われたらタダでは済まない覚悟が必要。
3大獣害事故発生地である秋田県、山形県、岩手県のツキノワグマは遭遇しただけで超危険な事態であると認識せざるを得ません。
59件の事故の内、2件はランニング中であり、いずれも重症となっています。
行動容態で最も多いのが農作業中に襲われたケースです。次いで多いのが散歩中でした。
意外なことに登山中に襲われたケースは59件中、たったの1件のみでした。
リスク回避のための考察

特に被害が多い東北エリアの出没エリアは要注意であり、音の出るもの、熊スプレー、ダガーナイフや竹槍などの武器を装備した上での登山をしたいと思いました。というか、装備します。
登山中の被害は意外と少なく、餌場の近くを通ったり歩いたりすることが最も危ないことが分かります。餌場とは放置された果樹の付近や収穫前の農作物がある場所の付近や、栗の木、タケノコ(根曲がり筍)、クルミ、山菜などの群生地付近はエサを奪う敵と認識されて攻撃される恐れがある上に、過去に襲ったり食害した熊は、人間は簡単に倒せたり食べられると覚えて、危険度も上がります。クマに限らず野生動物は、より簡単に食料を確保することに躍起になるので、勝ちパターンを覚えるとその行動を繰り返し繰り返し行う習性があるものと認識する必要がある。
熊の住居、エサ場付近を避けるのが第一優先で、次に自分が立ち入る場所の付近は熊が生息しているか?直近で目撃情報はあるか?直近で事故は起きているか、起きている場合はどのような状況で発生し、被害の程度はどうだったか?など、下調べを欠かさない事です。
彼らの餌場に立ち入るのはまさに命がけの行動だと言えるでしょう。
登山は意外と安全かと胸をなでおろすことも出来ない。なぜなら、山の中は彼らの餌場と常に隣接しており、知らぬ間に踏み入っている可能性もあるからだ。
大正、昭和の事故記録から、令和の事故記録まで見て共通するのは、少なくともツキノワグマは集団行動している人間を積極的に襲うケースはなく、たいていが単独行動、或いは2名行動時に襲撃は発生している。2名の場合も2名同時に殺されるケースは0件であり、単独行動をしなければ命を失うほど致命的なダメージからは逃れられる可能性が高い。
人間2名 VS ツキノワグマ1頭 なら、最悪重傷で済む可能性が高い。
だから絶対に単独で、タケノコ採りや山菜採り、キノコ採りは避けて欲しい。夢中で採集している時は無防備です。
勿論、例外はあり、乗鞍岳バスターミナル襲撃事件のように、逃げ場を失いパニックになったツキノワグマが観光客を手あたり次第襲撃しまくった事例が挙げられるが、状況から考えてもパニックになるのは当然で、積極的に襲撃したのではなく、不運かつ例外な出来事である。
昨今のツキノワグマは狂暴化したのではなく、今も昔もツキノワグマの本質的な生態は変わっていないと私は思います。
昔と違う点は、農村の過疎化により、放置された田畑が手っ取り早い餌場として熊が現れるようになり、一層、人間社会と野生動物の距離が近くなったことにより、必然的に事故の可能性が上がる部分では現代の方が状況としてはリスクが上がっていると考えらますね。
私がよく登山をする神奈川、東京、埼玉、静岡、長野あたりもツキノワグマは居ますが、積極的に襲撃する東北の個体とは違い臆病な印象があります。それでも本質はクマであることに変わりは無いのだから、注意して山登りを続けていきたいと思います。
ではまた!