栗駒山と猊鼻渓(事故の解説もあり)

栗駒山と猊鼻渓(事故の解説もあり)

2025年4月29日 オフ 投稿者:

皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。

今回は2024/09/28(土)~09/29(日) 東北の山、栗駒山に行ってきたときの記録を公開します。山岳会でのガイド引率です。

 

9月末とはいっても、下界はまだ夏で、紅葉の気配もなく、そして暑く・・・

Tシャツで充分でした。

 

それでも標高1,626mの栗駒山山頂付近は涼しく、気持ちの良い登山が出来ました。

2023年から蔵王、早池峰、岩手、栗駒、4座登った東北シリーズは、これにて一旦終了。

 

しかし、その半年後には猊鼻渓エリアの大舟渡エリアが大火事に見舞われるなんて夢にも思いませんでしたね。

 

この登山の概要

日時:2024.09.28~29(土~日)1泊2日

天候:9/28晴れ 9/29晴れのち曇り

メンバー:10名

エリア:東北(岩手県)

登った山:栗駒山(1,612m)

宿泊地:ホテル「ハイルザーム栗駒」

ルート:【1日目】
大宮から東北新幹線で一ノ関まで。一ノ関からJR大舟渡線で猊鼻渓駅まで。以降は猊鼻渓を散策(渡り船あり)

【2日目】
ホテル出発(9:00)・・・いわかがみ平(09:18)・・・徒渉点(10:25)[休憩 10分]・・・裏掛コース分岐(11:14)・・・栗駒山(12:19)[休憩 15分]・・・小ピーク(13:09)[休憩 15分]・・・いわかがみ平(13:43)

累積歩行時間:約3時間45分

累積歩行距離:約6.6km

累積獲得標高  554m

スタート地点までのアクセス:新幹線の栗駒高原駅からはタクシーのチャーター及びホテルのシャトルバスを利用

ワンポイント:東北の9月末はまだ夏でした。山頂はうっすら紅葉の気配が。

ここでは、山と高原地図№6「栗駒・早池峰(焼石岳・神室山) 」を使用しています。

山と高原地図 栗駒・早池峰 焼石岳・神室山 2025 (山と高原地図6)  Amazon

 

東北の山を3年間歩いた集大成

JR大舟渡線の猊鼻渓駅。動画でも撮影したので、いずれここのレトロな雰囲気をお届けできると思います。

 

日本で唯一、竿1本のみで操る渡り船に乗れるのが、ここ猊鼻渓です。

大谷翔平選手のご実家が近いということで、ご本人が訪れたこともあるとか。

(船頭さん談)

 

船に揺られながら猊鼻渓(げいびけい)を堪能する。

 

深い谷に囲まれた風合いが、秩父などの渓谷とは全く違った雰囲気を感じさせる。

 

とても暑いが、涼しげな風景に癒される。

 

ざるそばをいただく。

 

9月末の岩手でこれです。まるで真夏です。ちなみに部分的に枯れているのは紅葉ではなく、日光による葉焼けなのだそうです。この様子だと、秋が短く、一気に冬が来る感じかな。

 

さて、翌日。

 

栗駒山の登山口、いわかがみ平に到着。

 

東栗駒コースを歩きます。難易度は非常に易しいです。

 

 

ナナカマドが実りを迎え、リンドウが咲くなど、秋の訪れを感じます。

 

渡渉ポイントがあります。ここは、高齢者や初心者にとって唯一の難所になります。

傾斜のあるぬかるんだ岩場で転倒すると打撲や骨折等の危険があります。ただし、滑落するような高所はなかったです。

 

いわかがみ平と栗駒山のルートは極めて明瞭です。

 

稜線に出ると、なだらかな山容。東北の山らしい雄大さがありますね。

 

東栗駒山。その向かいには、地層が垣間見えている。

 

 

山頂が近くなると、紅葉を感じられるようになります。気温もぐっと下がる印象。そして山頂付近にはイワハゼが可愛く咲いています。

 

山頂に到達しました。お疲れ様でした!

 

 

山頂は紅葉が始まっていました。皆、思い思いに山頂からの景色や紅葉を楽しんでいます。

さようなら、東北。しばらくは行けないと思います。

 

事故の解説

さて、ここでようやく事故についての言及になります。

2024年に会社員が栗駒山で遭難され、今現在も発見に至っていません。

ご覧の通り易しい栗駒山で何故迷うのか不思議に思っていました。が、よく調べるとそれは十分あり得るケースでした。

それは、「千年クロベ」と呼ばれる巨木を見に行く途中に遭難、行方不明になる事件が起こりました。

青く丸を付けているところが「千年クロベ」です。(ヒノキなどブナの仲間)

日本一の千年クロベと言われているゆえ、確かに一度は行ってみたいと思うものの、ここは栗駒山からは、だいぶ離れているし、虚空蔵山の麓に行かなければならず、初心者の方がサッと行って戻ってこれる場所でもない。

近くに人里は無く、ブナが深いところなので、好きな人には好まれそうだ。

同時にブナ林ならツキノワグマも多数生息しているはずであり警戒は必要。

2024年の遭難事故は、隣町、宮城県大崎市の50代男性とのことで、若く、かつ地元の方なので、慣れているという見方が強いが、それでも遭難してしまうという事実から、深い低山の森の迷いやすさを再認識する。

容易に登れる栗駒山を気に入って、もう少し足を伸ばしてみようと、日本一の千年クロベを目指すケースが容易に想像つくが、安易に行くべきではないのかも知れない。

地図上では、最短アクセスで往復約5時間程度の一見、簡単なルートにみえる。

YAMAPなどで、千年クロベに行った記録を沢山見かけるが、始めていかれる方は一旦、熟考が必要だ。

調べると、千年クロベあたりの山道は、明治以前に使われていた旧道があり、誘導されないように気をつけるべきとの記事も見受けたので、行くならばコンパスやGPSも活用したいところ。また初心者の方であればガイドを付けた方が無難だろう。数カ所の分岐が見られるが、実際はそれ以上の分岐があるのかもしれない。

ですので、千年クロベと栗駒山はセットで考えず、アクセスも含め、別々で考えた方が良いと思いました。栗駒山は登りやすく、東北の山の雰囲気を手軽に楽しめる良い山ですよ。ではまた!