「長生きしたくない」なら若いうちから健康寿命に備えるべきです
皆さん、こんにちは。社団法人ランナー(龍)です。
この記事は、健康寿命についての話題となります。タイトルのままだと誤解ありそうです。一通りお読みいただければ、言わんとしていることがきっと伝わります。
長寿の国「日本」と呼ばれて久しいですが、最近では寿命よりも ”健康寿命” にスポットライトが当てられています。高齢者の割合が増えている昨今では、同じ高齢者でも寝たきりの方と、日常生活を自分の力で行うことが出来る方とでその生活は全く違うものになります。
長生きしたい方も、そうではない方も、最期まで体の自由が利く方が良いですよね?
であれば、健康寿命は誰にとっても長い方が良い。と私は結論付けます。
これには多くの人が抱く、人(子供や親族)に迷惑を掛けなくないという心理背景もありそうです。
「俺、別に長生きしたくないし・・・」という声があまりにも多いです。このような方にも上記に述べた通り、長生きの有無に関係なく、健康寿命に備えるべく警鐘を鳴らします。
さらに、ここ最近の健康寿命は延びているの?という疑問を、約10年間の推移を見ながら確認していきたいと思います。
もくじ |
2010年~2019年 健康寿命の推移
出典:令和4年版 厚生労働白書 図表2-1-1 平均寿命と健康寿命の推移
1つだけ納得いかないのは、2019年以降のグラフが発表されていないこと。さて、以下に注目すべき結果をまとめてみた。
健康寿命
男性 2010年=70.42歳 2019年=72.68歳 10年間で+2.26歳、延びている
女性 2010年=73.62歳 2019年=75.38歳 10年間で+1.76歳、延びている
男女差 2.7歳、女性が長い
平均寿命
男性 2010年=79.55歳 2019年=81.41歳 10年間で+1.86歳、延びている
女性 2010年=86.30歳 2019年=87.45歳 10年間で+1.15歳、延びている
男女差 6,04歳、女性が長い
このグラフを見ると、女性の方が寿命自体が長い事は常識であったが、寿命よりも健康寿命が延びていて男性でとくに顕著。これは良い傾向なのではないでしょうか。引き続き今後の推移に注目したい。
男性の寿命と平均寿命の差 8.73歳
女性の寿命と平均寿命の差 12.07歳
一般的に健康寿命と平均寿命の差は約10年と言われている。このグラフ計算も男女を平均化すればだいたい10歳なのでその通りなのだろう。
この10年間は寝たきり若しくは要介護状態であるという事だ。長生きしたくても、この状態が長いというのは誰も望まないはず。
だからこそ、健康寿命を長くするために、その礎を若いうちから作っておく必要があるんです!
4つのアクション
健康寿命を延ばすために掲げられた「スマート・ライフ・プロジェクト」は厚生労働省から発表がなされているワードであり、そこに健康寿命の重要さが窺える。
発信されている4つのアクションとは、
・適度な運動
・適切な食生活
・禁煙
・健診(検診)
のことであった。
スマート・ライフ・プロジェクト について
スマート・ライフ・プロジェクトは、厚生労働省が行っている、
国民の皆さんの健康づくりをサポートするプロジェクトです。
役立つ健康情報をWEBサイトなどで発信し、
食事、運動、けんしん、そして禁煙の4つの柱で
「健やかな国ニッポン」を目指します。
なんでもかんでも「スマート」という名称を含むところが、今どきっぽいキャッチフレーズであるが、日々の生活も体型もスマートな方が良いというのは言うまでもない。
このプロジェクトに企業や団体などが参加できる取り組みになっていて、勉強会に参加できたり、スマート・ライフ・プロジェクトのロゴが使えたりするという特典がある。
ちょw ロゴがシュール(笑)
この活動を通じて健康増進をしようという試みだ・・・
4つのアクションはいずれも健康づくりの基礎だと思う。まあ、健診で健康になるわけではないので、それは別としても、運動と食事はまさに健康の基礎。
喫煙はさらに一昔から注目されていますが、飲酒よりも禁煙がテーマに掲げられるという事は、喫煙はよっぽど体に悪いと考えられているという事。非喫煙者の受動喫煙にスポットを当てていることもあるが。
運動習慣が増えない理由
運動習慣が増えない理由は、疲れるし面倒くさいからです。
4つのアクションの取り組み状況を次に考察します。
先ずはタバコについて
民間会社や保険会社、厚生労働省の調査統計などから見えた結果として、先ずは喫煙率についてですが、2000年から2020年までの20年間の間で多くな変化を遂げています。
2000年頃の男性の喫煙率は50%近くありました。それが2020年には約25%にまで減っています。喫煙率が半数近く減ること、25%も変化することが社会の大きな変化として捉えることが出来ます。
これに伴う、健康への好影響は大きいと思うんです。
ここからは事実を踏まえた私の感想です。
健康に良いからタバコを辞めたというのは大義名分であり、実際はお金がかかるから、受動喫煙や分煙などで社会的に容認されない雰囲気になってきたからなど、健康以外の理由が大きく働いていると断言したいです。「健康のために」と本人は言うかもしれない。けれど、心ではお金が馬鹿にならないということと、人の視線が気になるという事が後押ししたサブ的な理由に他ならない。
たばこ税を上げて、喫煙に関する法律を厳しくすることで喫煙者を減らしたに過ぎない。健康な若い喫煙者は「健康のために」なんてこと自体にあまり興味がないのだ。
昭和では、医者が患者の前でタバコを吸い、電車の中での喫煙も普通に可能だった。
実際に非喫煙者になることによる健康増進効果は手っ取り早く効果は高い。しかし、タバコを辞めてもらうには「健康」以外の理由を突き付けた方が効果はあったということだ。
「健康」に良いのは間違いないと分かりきっている運動を多くの人が始めないのと同じように・・・。
食事について
国民が健康的な食生活になっているかについて、厚生労働省の第二次、健康日本21などでは、食生活の項目によっては意識レベルでは改善傾向にあるように見えた。
ローカロリー、糖質オフ、特定保健用食品などのロゴがある商品が数多く店頭に並び、売れているようである。健康ブームと言うか、このような飲料、食料品などのアイテムで気軽に健康増進になるならと取り入れる人も多いようだ。食事全般に対する意識付けの一助になりそうですね。
ただ、メタボや肥満自体は増加傾向であり、引き続きの課題でもあります。
特定保健用食品の商品説明にも書いてありますが、これをたくさん摂取して健康が増進するものではありません。バランスの取れた規則正しい食生活を。なんて記載みたことありませんか?
別の視点では、食事量が極端に少なく、痩せている人もいるが、運動不足や睡眠不足があったりなど健康が伴わない人も特に女性で多い印象があり、暴飲暴食を避ければ良いと言うだけの問題ではない。
運動は面倒くさいが食事は嫌でも腹が減るので、対策するのにまだ手っ取り早い。
運動について
運動習慣がある人の割合は従来より30%程度としていますが、横ばいの傾向であるとの事です。
これですよ、コレ!運動習慣は全然増えていないんです。習慣的な運動をやらない理由のトップに「忙しく、時間がないから」としていましたが、本質は違います。
詳しくはこの記事で
それはただの口実です。言い訳です。
実際は、疲れるし、面倒くさいからです。(私もそう)
単に時間がないのであれば、何かしらのスキマ時間に30分程度体を動かすことは可能である。時間を作る工夫をする人で「時間が無かった」と言う人は稀である。
1人で行う運動はとにかく疲れるし面倒くさいんです。
たまたまスポーツを趣味にしている私でさえ運動前は「面倒くさいな・・」と思うことがほとんどなので、運動しない方からすれば絶対にそう思うことでしょう。それを忙しいからというやらない理由を自らが作り出しているだけに過ぎないのです。
こればかりは、工夫して体を動かすしかありません。
巷では「ChocoZAP(チョコザップ)」が流行っているようですが、うまく人の心理を捉えたビジネスだと思いました。(流行り廃りがありそうだけれど)
冬は寒いから運動イヤァァ!
とにかく“やらない理由” を作っては運動を避けるわけなのですが、気持ちは痛いほど分かります。勉強などは私もやれない理由を作っては避けてきましたから(笑)
体を動かすのは疲れるし、やらなくても良いなら絶対やりたくないですよね。
運動だけは昔も今も変わりませんから、スマホアプリと違い、ボタン1つ押したところで”運動したこと” にはならない。
考えてみてください。テレワークが認められた場合など、歩いて会社に行かなくて良いのであれば行かないですよね?(笑)会議や打ち合わせも、メールやテレビ会議で済むのであれば歩いて客先にもいかないですよね?
そうなれば、外回りもと言う職でも圧倒的に歩かなくなります。
通勤や仕事中など、ちょっとした生活の体を動かす機会でさえ、積極的に減らそうとしているのだから、これは運動不足になってもしょうがないよ。
タクシーのGO、配達のウーバーイーツ。スーパーマーケットなどの自宅配送サービス。このような「歩かなくて済むサービス」に人は喜んでお金を支払いますが、引き換えに時間は浮いても体を動かす機会は減る。
マンションや電車のエレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使うようにするなどの習慣がめちゃくちゃ大事です。在宅ならスクワットをするとか、買い物に歩いていくとかで筋肉の衰えを制御することは出来る。これに加えて運動習慣があることが最低限必要だと思っています。
楽ばっかりしないで、体動かそうか。というマインドに切り替えていかなくてはならない。
逆に運動をするきっかけとなったのも、タバコと同じように外的要因が多いようだ。株式会社UOCCが実施したアンケート結果がPR TIMES にプレスリリースされていたが、ダイエットを始めるきっかけとして、以下のような回答が羅列されていたと記憶しています。
「体重計を見てショックを受けた」
「鏡で自分の姿を見てショックを受けた」
「家族に指摘されてショックを受けた」
「健診時などで医師に注意されショックを受けた」
だらしがない自分の体に本気でショックを受ける程の衝撃を第三者から受けないと心が動かないという事です。自分で自分の管理をすることって難しいんですね。
長生きしたくないなら健康寿命に備えるべき
長生きしたい、長生きしたくない(太く短く生きたい)
その価値観はひとそれぞれで、どう考えようが良い悪いは無いと思います。
但し、いずれにしても、日常生活を自分の力で行うことが出来る「健康寿命」を限りなく長くすべきなのは言うまでもありません。
延命治療の技術が進化した今、健康寿命が長ければ必ずしも長生きするという事ではありません。
50歳で寝たきりになり100歳まで生きた場合の健康寿命は人生のたったの50%で超短いです。若年で脳梗塞などを患った場合、普通に無くはない話です。
遺伝や体質もありますし、食事や運動が徹底的に管理されているアスリートが意外と寿命自体は短かったりするケースからも、自分が長生きするか否かなんて、自分はもとより誰にも分からないことです。
太く短く生きたい人も、老後になった時「やっぱ長生きしたいわぁ」と心変わりするかもしれません。
長生きしてもしなくても、人生の中の健康寿命の割合を限りなく100%に近づけるべく、若いうちから老後を意識し、食事や運動習慣に気を払い、備えるべきです。
若い頃の生活の蓄積が後になって実感することになるでしょう。
悪習慣のツケが回ってきたとしても後の祭り。65歳だけど今から健康頑張りますなんて決意をしても、もちろんそうするべきだけれど、手遅れかも知れない。この考え方は投資と共通する気がして面白い。
自分の不摂生で体が不自由なことほど辛いことは無い。
したがって「長生きしたくなくても」健康寿命の備えをしておくことがポイントになります。
もしかすると、寝たきりでもいいからとにかく長く生きたい!というお考えの方もいるかもしれませんが、このようなイレギュラーな意見は今のところ想定はしていません(笑)ではまた!