【花のヤブ漕ぎ】10時間歩いて誰にも会わない両神山(天理岳 天武将尾根経由)

【花のヤブ漕ぎ】10時間歩いて誰にも会わない両神山(天理岳 天武将尾根経由)

2023年10月14日 オフ 投稿者:

皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。

2023/05/13(土)雨の中、両神山の天武将尾根ラウンドコースに行って参りました。

 

このコースはバリエーションルートでありながら定期的に通っている。それでも雨の日に訪れるのは初めてで、どのような景色を見せてくれるのか、

危険度は増すのか?

この辺りを報告できればと思います。

 

又、花の百名山とも呼ばれる両神山の5月は、ツツジ系の花を始めとする色とりどりの花が咲き乱れており、案の定、稜線上は花が美しく、ヤブが深いところをくぐる際も、まさに”花の藪漕ぎ”状態で、中々楽しめました。

 

この登山の概要

日時:2023/05/13(土)

天候:曇りのち雨

メンバー:3名

エリア:奥秩父 両神山(天武将尾根経由)

登った山:天理岳(1,173m)、革籠石山(1,723m)

宿泊地:なし 日帰り

ルート:日向大谷口(7:50)…樽尾沢峠(8:25)…天理岳(10:13)休憩10分…前東岳(14:16)…両神山(14:50)…休憩10分…清滝小屋(16:00)…会所(16:30)…日向大谷口(17:48)

累積歩行時間:約9時間58分

累積歩行距離:約10.7km

累積獲得標高  1,434m

スタート地点までのアクセス:自家用車で登山口、日向大谷まで

ここでは山と高原地図№26「雲取山・両神山(奥秩父)」に収録されています。

 

10時間歩いても誰とも会わない両神山は幻想的だった

今回は単独ではなく、募集を掛けたところ、女性2名の参加希望者があり、3名での登山になりました。

予報は降水確率50% 1ミリ~2ミリの雨量が予測されていたが、当然雨が前提であることを踏まえた準備が必要だ。

結局、正午からポツリ、ポツリと降り始め、下山まで濃霧と雨の中を歩くこととなる。

だからこそ、登山者はおらず、幻想的な雰囲気を味わうという楽しみ方がある。

 

日向大谷の登山口前駐車場。週末なのにガラガラで人はゼロでした。

 

マイナールート唯一の道標。案内板が無い代わりに、警告看板が新しく立てられている。毎回言うが、ルートを熟知していないものが安易に立ち寄るのは非常に危険です。

 

なかなか写真に収められることが少ない「ヨウラクツツジ」両神山の5月はツツジ系の花が一斉に咲き乱れるから見どころは満載だ。雨の水が滴る感じも良い。

 

こんな感じで咲き乱れている。シャクナゲやヤシオツツジがクローズアップされる傾向があり、両神山でヨウラクツツジを撮るのは稀なのか、インターネット上で検索して探しても見つけられなかった。もしかすると一般登山道では見つけられない花なのかもしれない!

 

天理岳に到着。ここで小休止。雨はなんとか降らずに持ち堪えているが時間の問題だろう。同行者に雨具をすぐに出せるようにと伝える。

 

山頂DEおにぎり☆

本来、秩父系の山々が展望できる天理岳山頂だが、濃霧時はこんなもの。それはそれで楽しい。幻想的だから。

ただ、天理岳の山頂直下は不明瞭であり、ルートファインディングが難しい。注意をして歩いたつもりが、いつのまにか逆走していたようで、コンパスの針が進行方向と真逆を指したことで誤っていることが分かる。こまめに地図、GPS、コンパスを見ているので、ロスは最小限に喰い留めた。濃霧で判断が難しかった。

 

雨が降る中、必死に登る同行者。天理岳から稜線歩きと言えど、藪漕ぎと急登が連続し、断崖絶壁も3~4カ所通過する必要もあり、やはり危険。ご覧の通り、登山道ではなくバリエーションルートであるため、踏み跡はなく、もはや道ではない。正しいルートファインディングが求められる。又、天理岳から両神山までの標高差は500m以上あり、かなり登らされるので技術面だけでなく、体力も必要なのだ。

 

それでも、満開のシャクナゲは美しく、濃霧で見通しが悪い中、明るさで道を照らしてくれているようだった。

 

満開の花を潜り抜ける ”花の藪漕ぎ”

これは大冒険だ!と同行者も興奮して喜んでくれていた。

 

展望がないため、両神山頂の写真は割愛するが、下山は勿論、一般ルート(表参道)を利用。七滝沢ルートは今は通行禁止とされているが、写真の通りバリケードの意味はほとんど無く、結構な方々が通過している模様。とは言うものの、やはり踏み跡は落ち葉で隠れて見えないようなので、滑りやすそうだし、熟知されている方以外は避けてくださいね。

 

無事下山。日没前の17:48 安全を最優先するため、ペースを落として歩いたが、日没していたら転倒の危険が増すので、急ぎ過ぎず、休み過ぎずという絶妙な配分が求められる登山でした。写真のアクセスカウンターは8004番を示していますが、入山した時は7995番であったため、私たちを除き、この日に入山したのは ”たったの9人” だけだったことが分かります。マイナールートを選んだため、誰一人とも遭遇しませんでした。

鹿としか出会いませんでした(笑)

今回の同行者はベテランとはいえ、約10時間の歩行で、途中の休憩も5分~15分と細かい休息のみでハードだったかと思います。それでも、ハードさに見合った冒険感と実に見事な花であったと喜んでいただけたようでした。

私自身も自問自答する機会となりました。

滑落対策等に備え、ザイルを有効的に駆使できるよう、トレーニングをするべきかどうか?

 

最後に両神山の天武将尾根は基本通行禁止であり、完全自己責任となりますので、安易に選択をされないようにお願いをいたします。

※山と高原地図2018年Verにはルート表記されてしまっているため心配です。

 

この登山のさらなる詳細はコチラ(ヤマケイオンライン)よりご覧ください。

又、当ブログではマイナールートや雨登山のレポートも行っております。よろしければ合わせてご覧ください。

 

ではまた!