遭難者が遭難者と遭遇!運も味方し当日救助

遭難者が遭難者と遭遇!運も味方し当日救助

2023年5月19日 オフ 投稿者:

皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。

 

皆さんは、ゴールデンウイークに登山に出かけましたか?私は一度だけ、埼玉県の名栗湖畔、有間山に出かけました。今年は登山者も結構多かった模様で、登山による事故などもコロナ前の水準に戻ってきていることが報道されています。

 

そんな中、ゴールデンウイーク明けの週末にとんでもないニュースが飛び込んできました。まずは、こちらをご覧ください。

遭難事故の概要

下山中にそれぞれ道に迷い遭難した2人…偶然出会って“救助要請” 二王子岳の登山者を救助 新発田市

新潟県新発田市の二王子岳(標高1420m)で10日、登山中に遭難した男性2人が警察のヘリコプターに救助されました。2人は別々に登山をしていて、下山中に道に迷っていたところ、偶然出会って「救助要請」したということです。2人は命に別条はありません。

救助されたのは、胎内市の60代男性と聖籠町の60代男性です。
警察によりますと10日、2人はそれぞれ単独で二王子岳に登山に出掛けたものの、下山中にルート選択を間違い、道に迷ってしまったということです。

片方の男性が道に迷っていたところ、1時間後にもうひとりの男性が同じ場所に下りて来たということで、2人は10日午後3時半頃、消防や警察に救助を要請。電波状態が悪く、通話がはなかなかできなかったということですが、携帯のGPSなどを頼りに新潟県警のヘリコプター「ときかぜ」が2人を発見。

引用:TBS NEWS DIG 2023年5月12日(金) 00:00新潟放送 より

無事、事なきを得てよかったです。

 

遭難中に偶然、別の遭難者に遭遇するなんて当事者もビックリされたと思いますが、それ以上にホッとしたことでしょう。情景が目に浮かぶようです。

これぞまさに「奇遇」

 

この山は二王子岳といいまして、新潟県新発田市の山のようですが、エリア的には山形県沿いの飯豊連峰に隣接している日本二百名山です。

場所も関係しているのか、二王子岳には年間6,000名程度の登山者しか訪れていないようで、二百名山にしてはやや少ないように思う。

市のホームページによると登山口には約70台もの車が駐車できるスペースがあるみたいなので、自家用車でアクセスするには良さそうだが。

 

ただ、やはり問題なのが道が ”分かりづらい” ということ。特に山の中腹あたりがわかりにくいようで、残雪が6月下旬まで残ることもルートが分からなくなる要因だと思われる。今回は5/10の出来事なので、ここでは積雪期登山に該当すると思う。

 

このブログでも30回くらいは言い続けていますが、道に迷うのは総じて下山時である。今回も下山時だが、やはり迷いやすい場所というのは、他の人も同じように迷う(誘導されてしまう)ことによって、踏み跡が出来てしまい、迷いルートが完成されてしまう。

踏み跡が登山道を作ることは是非知っていただきたい、更に言えば、野生動物の通り道でさえ、登山道と間違えてしまうことも時々経験する。

獣道に入り込む。なんてことはよくある話。それに加えて登山靴の足跡なんてくっきり残っていようものなら、それを登山道であると疑いようなく判断してしまいがちだ。

 

 

良かったことが重なった好事例

私が思うに、今回のケースでは良かったことが重なっています。

何より、救助要請が早かったこと。「迷った」と早々に認めており、もし救助要請せず自力で登山道に戻ろうとしていたら、取り返しがつかなくなっていた可能性があった。救助要請が早かったので当日救助につながった。

携帯の電波が微弱だったようで、電池の消耗などでバッテリー切れを起こしていたらOUTだったかもしれない。そういう意味でも即救助要請が功を奏した。

さらに、まったく同じ迷い方で別の登山者が迷い込んでくれたおかげで、2名になり精神的な安定が保たれたということ。登山者のタイプによってはパニックを引き起こして逆に窮地に陥るなど巻き込まれる可能性も否定はできないが、冷静に行動で来ているようで良かったです。

又、運にも恵まれていたように思う。この週は全国的に雨だったり荒れていたはずだが、救助当時はそのような様子は報告されていない。これも、荒天だったりしたらヘリコプターは救助に入れず、少なくともヘリ捜索は翌日に持ち越していたことだろう。実際にはよくある話だ。天候の女神が味方してくれたのだ。

何より、遭難者が遭難者と遭遇すること自体、運を引き寄せているようにも感じる。

普通、遭遇するにしてもクマや鹿くらいだろう。

 

皆さんはどう思われたでしょうか。

道を間違えたことをいち早く気づく(認める)ことも重要です。これからは草木も生い茂る時期ですので、低山は特に注意して登山を楽しんでください。

ではまた!

 

より深く考察されたい方は、こちらの記事もお読みください。