目標達成ツール マインドマップの活用法(中編)マインドマップのコツは?
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
この記事はトニー・ブサンが提唱する ”マインドマップ” について体系的に解説しています。全部で(前編)(中編)(後編)3つに分けており、本記事は(中編)にあたります。
前回の(前編)では、マインドマップとは何か?を中心に、マインドマップの基本やルーツ、作成方法や活用方法、見本などを説明しました。
まだの方は是非、前編からお読みいただくと頭に入りやすいです。
前編から読み始めることをお勧めはしますが、この(中編)から読み始めても良いかも知れません。(前編)(中編)(後編)のどれか1つを読むだけでも効果はあると私は思っております。生みの親、トニー・ブサン氏は少しでも理解が足りないと正しいマインドマップにはならないことを注意喚起しているので、もしかすると私の解釈は甘いのかもしれません。後は読者の皆様がどう思うかです。
マインドマップとは、自由な思考、アイデアや関連する情報を、中心となる「概念」から分岐させる形で描写した図です。
いわゆる「腑に落ちる」状態になるために、人はマインドマップを活用します。
当ブログでのマインドマップ解説は、生みの親、トニー・ブサンの著書『マインドマップ 最強の教科書』を手短に要約し、私の考察もふまえた上で、3回に分けて説明するものになります。3つとも全部読めば、より理解が深まることでしょう。
至極シンプル故に、マスターするのは根気がいるかもしれませんが、マスターできていない段階でも、マインドマップを活用したり楽しむことが出来て、人生を豊かにしてくれます。
マインドマップは億劫だな、難しいな。とお思いの方は是非お読みください。
もくじ ・マインドマップ 12のルール ・9の自問自答 ・よく使う項目 ・ほんのちょっとしたコツ ・うまくいかない時のパターンと対処 ・これはマインドマップではありません! ・マインドマップのサンプル2つ |
今回から、だいぶ実践的な内容がふんだんに含まれています。お楽しみに。
マインドマップ 12のルール
マインドマップは自由な発想で思うまま思考を描くものではあるが、そうなるためには最低限のルールがあるという。これを忠実に実行してこそマインドマップのあるべき姿に近づけるとのことだ。マインドマップにそれほどストイックでない私でも、100%とは言わずしても、まあ、概ねそうだよね。と本音をいいつつ、最低限守りたい以下12のルールを羅列する。
- 無地の用紙を使う
- 用紙は横長で使う
- 用紙の中心から描く
- テーマはイメージ(絵)で描く
- 1ブランチ=1ワード
- ワードは単語で書く
- ブランチは曲線で
- 強調する
- 関連付ける
- 独自のスタイルで
- 創造的に
- 楽しむ
ということだ。
正直にいうと、私もこのうち2~3つは守れていない。でも別にいいと思ってる。
せっかくなので、12のルールを1つ1つに私の所感を述べたいと思う。
まず、無地の用紙で書かないと集中が著しく途切れると指摘されているがこれは結構その通りだと思う。お洒落な素材(ノート)に描くのではなく、あなたが描くマップをお洒落にすべきである(お洒落にしなくても、もちろん良い)でないと書く時だけでなく、読み返すときも集中が途切れる。
用紙は横長で描く。は、縦長よりは横長の方がイメージを展開させやすいからだ。これはやってみれば分かる。上下縦長の用紙では手が届かないし書きにくい。書きにくい紙は集中力が途切れる。
用紙の中心から書描くのは、放射状に展開させるマインドマップの特性から、端っこから描くこと自体、それは既にマインドマップではない。
テーマはイメージ(絵)で描く。文字と絵を融合させるのがマインドマップだ。視覚に刺激を与えるマップほどイメージが展開させやすく、これをするとしないとでは生まれるアイデアにも差が出てくる。
1ブランチ=1ワード。1つの単語を短く。がセオリーだ。そこからどんどん関連するワードが生み出されてくるのだ。長くしてしまったり文章にしてしまうほど、俯瞰的にマップを見にくくなってしまい、見にくく解かりにくい図になってしまう。全体像がぼやけてしまうかもしれない。
曲線でブランチ(枝)を描くと不思議と印象的に見えるから面白い。思考はそんなに直線的にキレイなものではなく、曲がっていたり、うねっていたりするはずである。人間が描くのだから。
強調する。絵で強調づけたり、太字にしたり濃くしたり、ビックリマークつけたり、ブランチをくるくるとうねらせたり強調する方法はいくつかあると思う。その効果は目を引くという事。印象が強いとイメージが浮かびやすい。
関連付けるのも結構重要で、巡り巡って、「これだったら、正反対のアイデアともつながるんじゃないか?」など、思わぬ繋がりができることが往々にしてあるので、マップは汚くなるが積極的に関連付けるべきである。
独自のスタイルで創造的に楽しむ。最低限のルールはあるが、あとは人に見られるからとか余計な意識はせず、本当に思うがまま書く方が本当のマインドマップになるだろう。ブレインストーミングのように複数人で作り上げるマップならば、多少どうしても意識してしまうかもしれないが、一人で書くなら、全く気にする必要は無い。トニー・ブサン氏は楽しいマップほど得られる効果は高くなると説明している。
注意:トニー・ブサン氏ではありません(笑)
9の自問自答
12のルールが理解出来たら、実際にマップを描きながらも10の自問自答をすることで、マインドマップとして成立しているかのセルフチェックをすると、振り返りにもなるし出来栄えも良くなるだろう。
- 明確なテーマか
- テーマはセントラルイメージ(中心)に表されているか
- 中央から放射状に広がる図になっているか
- 1ブランチ=1ワード が守られているか
- 全体に色が使われているか
- 見やすく分かりやすいか
- 自然で有機的な外観か
- 視覚に強く訴えているか
ということだ。
テーマや1つ1つのワードが明確であればあるほど分かりやすいマインドマップになる。そしてイメージを広げるために中心から放射状に広がる構図にする必要がある。1ブランチ1ワードが守られていないとマップは雑然とし、見にくく解かりにくいものになってしまう。色の使い分けや、絵が描かれたりして視覚に訴えかけないと、重要さは伝わりにくいし、まして文字だけで書かれるマインドマップ(最もよく見る!)は無機質で機械的だ。東大生が青のボールペンで学習している本を読んだことがあるが、つまりそれだけ色が違うと印象や記憶に差が生じてくるということなのだろう。
よく使う項目
マインドマップを作る上でのコツやヒントとして、
マインドマップのメインブランチやサブブランチによく使われる項目を挙げます。
全体像・機能・特徴・プロセス・評価・定義・分類・歴史・人格・利益・意義・コスト・誰が・どこで・どのように |
俗にいう、5W1Hに似ていますが。
考えたい事柄や、解決したい事柄を上記に当てはめて展開させながら考察していくと放射状に展開されたマインドマップから色々な発見が得られるかもしれない。
そうなのであれば、あなたのマインドマップは大成功です。
ほんのちょっとしたコツ
更に、ちょっとしたコツを3つ付け加えたい。
- ブランチの上(枝の上)にコメントが書かれているとイメージが湧きやすいです
- デジタル(アプリ)の活用もアリです。この記事には登場しないけど、トニー・ブサン公認のマインドマップ作成ツールもあるらしい。私のおすすめアプリ2つは後で紹介するよ
- 常識を疑おう
うまくいかない時のパターンと対処
マインドマップ、書き始めたのはいいけど、イマイチうまくいかない。
そんなことも普通にあるかと思います。
では、上手くいかない時とはどういう時なのか?そしてその対処について考えていきます。
よくあるうまくいかないときのパターン
- マインドマップが役に立たないと思っている
- 使い方が分からない
- 使い慣れない
- 自分には合わない
こんな感じです。
マインドマップが役に立たないと思っていることや、自分には合わないと思っている場合、試行錯誤の上、そのように思っているケースもあるので対処が難しい。確かにマインドマップは右脳思考法という事もあり合う合わないはある。ただ食わず嫌いなのであれば勿体ない。
使い方が分からないパターンは結構多そうだ。このような記事やマインドマップの教科書(書籍)を読み、それになぞって何回か描いてみたりもせず、いきなりマインドマップを書こうとするとやっぱり難しいだろう。
使い慣れないことについては、その言葉の通り、まだ書く枚数が少ない事の表れだろう。
対処とアドバイス
- 「目的」をはっきりさせることを意識しよう
- 筋トレやエクササイズのように繰り返し書いて上達しよう
- 集中するのには20分間の短期集中でやってみよう
- 正しいマインドマップではなくても少しは効果がある
目的がはっきりとしているほど、イメージを展開させやすい。そして、繰り返し書くことでより短い時間で、分かりやすいマップが描けるようになり、書くまでがスムーズになります。集中力を削ぐものはいくらでもあります。ただでさえ集中力は続かないもので、20分間集中してやってみることをトニー・ブサン氏もおすすめしている。面白いことに私自身も一人で書く時なんかは、ほぼ20分で書き終わります。最後に、正しいマインドマップではなくても少しは効果があるので、やらないよりやった方が良いと私は思います。これに対し、トニー・ブサンの著書では偽物では効果は無いと指摘しています。
これはマインドマップではありません!
時折みかける、マインドマップのようで、マインドマップではない図を紹介します。ニセモノなんて呼ばれ方をする場合もありますが、これから紹介するものは、また違った意図や用途で使われているものであり、狙いや効果も異なります。効果が無いという事ではなく、違った有用性があると理解いただければと思います。
しかしながら、これらの図を「マインドマップを書きました」と紹介しているケースもあるので、それだと流石に偽物と言われてしまっても仕方がない。
スパイダーダイアグラム
引用:マインドマップの学校 より
情報を整理するスパイダーダイアグラム。マインドマップに最も似ていますが、マインドマップの12のルールや9つの自問自答の内容が含まれていないので、厳密に言うとマインドマップとかなり異なる。
ピラミッド図
引用:株式会社ズコーデザイン
ピラミッド図は目的(題材)の重要度をピラミッド型にして視覚化した図である。考えるべきベースは最下段に、それに付け加えるものを上段に階層化させていくことで、重要度、難易度、多数少数など、比例や階層の関係を把握しやすくする表現法である。
そう言えば私のブログでも度々登場するマズローの5段階欲求もピラミッド図で表されていた。
フィッシュボーン図
要因などを、小骨に見立ててぶら下げていく図です。なぜ?を追求するのに特に有効と言われているようです。
そういえば、私も20代の頃、何かの本でフィッシュボーン図を学び、よく書いていた時期がありました。いつの間にか書かなくなりましたけどね(笑)
このように、マインドマップ以外にも色々な図があって面白い。
マインドマップ サンプル2つ
書き方のコツをお伝えしてきました。最後に、本記事で解説した12のコツ、9つの自問自答、よく使う項目、ちょっとしたコツなどをある程度生かしたうえで、2つほど図を書いてみました。
Ipadで書きました。
タイトル「今日のごはん」作成時間20分
どのくらいの予算で、どこで、誰と、何を、食べる? をイメージするマップです。色、絵、枝、感情、関連付けなど、基本に忠実ながらも自由に(適当とも言う)書いてみた。
アプリは、iPhoneやIpadの最新OS(IOS16ver)で使えるようになったメモアプリ「フリーボード」を使いました。
純正標準アプリ、無料で優秀、手書きもデジタルも写真もいける。主な用途は共有ホワイトボードとして考えられてるっぽい。
タイトル「休日旅行のプラン」作成時間18分
旅行のあらゆる計画をマインドマップ化したものです。こちらは絵が無いのでやや無機質ですが、しっかりと色分けをし、曲線的にして、ブランチ(枝)の上に単語を書くことで、直感的思考に訴えることを意識した。又、スパイダーダイアグラムにならないようにも意識した。
マインドマップアプリ「simplemind」
無駄な機能が無くとにかくシンプルなのが良いですね。アプリ開いてソッコーで書き始められるのが良い。私は無料版を使っていますが、バックアップを取りたいので有料版にする予定です。やはり専用アプリはクイックリーですね。
いかがでしたでしょうか。サンプルは自分で書いていて楽しかったです。
マインドマップ活用法(中編)として、マインドマップのコツを紹介しました。
本記事はほとんど私の解釈になりますので、
より本格的に学びたいのであれば、基礎から完成形まで網羅された、トニー・ブサンの著書を読まれることをお勧めします。
もし書籍を買ったのであれば、元を取るつもりで取り組んでみると良いと思います。私もこの本を読んですぐにこの記事を書いているわけではなく、3年間は自分なりに書き続けてから満を持してこの記事を書いています。記事にする以上は、自分の考察がある程度まとまってからにしました。
マインドマップの仕上がりが ”まるで1つの絵のように” なっているとより分かりやすいと感じられますよ。ブログだって、写真や絵が貼ってあるだけでなんか全然違いますからね。実際、読者に読まれる率も全然違います。面白いくらいに。
夜が更けてきましたので、記事はここまで。
明日は、最後(後編)を公開します。お楽しみに。ではまた!