室堂ベース 雨天で過酷な剱・立山縦走【北アルプス】

室堂ベース 雨天で過酷な剱・立山縦走【北アルプス】

2022年11月4日 オフ 投稿者:

皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。

 

2022/07/16(土)~07/18(月) 連休を利用して

北アルプス北部、剱岳・立山を縦走して参りました。

 

2泊以上のベースキャンプをやるのに、室堂の雷鳥沢キャンプ場は良い場所でした。

なぜなら、利用料が1泊1,000円という安さと、地面が安定していてテントが張りやすく、トイレも綺麗で、近場に温泉もあるので、山に似つかわしくなく快適です(笑)

但し、雨が降ると水はけが悪いので、対策が必要になります。

 

それで、結果的に3日間ほぼ雨でした。

この環境の中でどのようにキャンプをし、剱岳・立山を縦走したのか、

その様子を、紹介します。

 

ここでは山と高原地図№37「剱・立山(北アルプス)」を使用しています。

 

 

今回の登山の概要

日時:2022/07/16(土)~07/18(日) 

天候:1日目(晴れのち雨)2日目(雨時々曇り)3日目(雨のち曇り)

メンバー:1名

エリア:北アルプス北部(室堂)

登った山:剱岳(2,999m)、立山(3,015m)<富士折立・立山大汝山・雄山>

宿泊地:室堂キャンプ場 テントサイト(1泊¥1,000-)

ルート:【2日目/剱岳】雷鳥平(05:46)・・・別山乗越(06:40)・・・剣山荘(07:02)[休憩 5分]・・・一服剱(08:26)・・・前剱(09:27)・・・平蔵のコル(10:39)・・・剱岳(11:08)[休憩 15分]・・・平蔵のコル(11:34)・・・前剱(12:01)・・・一服剱(12:55)・・・剣山荘(13:20)[休憩 5分]・・・別山乗越(13:45)[休憩 5分]・・・雷鳥平(16:01)

【3日目/立山】雷鳥平(04:53)・・・大走り分岐(06:26)・・・富士ノ折立(07:00)・・・大汝山(07:15)・・・雄山神社(07:33)・・・一ノ越(08:20)・・・立山室堂(08:45)・・・玉殿岩屋(09:00)・・・立山室堂(09:10)・・・エンマ台(09:16)・・・雷鳥平(09:21)

累積歩行時間:約14時間

累積歩行距離:約21.2km

累積獲得標高  2,844m

スタート地点までのアクセス:自家用車 関越道練馬ICより上信越道立山ICまで。下道で立山駅到着、無料P駐車。

 

 

1泊目 ビールでほろ酔いキャンプ

立山駅

立山駅に到着し、室堂行きケーブルカーを待つ。

10:30 下界は晴れていて暑いものの、午後以降雨予報だからか、客は少なめな印象。

 

雷鳥平到着

空気も清々しく、テンションが上がるー。

 

運良く、晴れ間が覗いている間にテントを設営することが出来、14:00にビールを2本飲み、15:00昼食にホットサンドを調理。純粋にキャンプを楽しむ。
(ただし、このビール2本が後に高山病への悪影響を及ぼす)

川と雪解け水でビールを冷やす(めちゃくちゃ冷えました)

 

 

アルファ米中心の食卓
16:00仮眠、18:00起床しそのまま夕食。このタイミングで、ポツリ、ポツリと雨が・・・
あっという間にザーザー降りとなり、テントに逃げ込み就寝。

 

 

2泊目 雨天による過酷なカニのタテヨコ、剱岳攻略

豪雨が激しく、なかなか寝付けないが5時間は寝れた。上々だ。
キャンプ場に水たまりが広範囲で出来てしまい、私のテントも床下浸水してきてかなり不愉快な状況。
マットの上までは浸水してこなかったから、その場で速やかに朝食をとり目的の剱岳に出発。
ちなみに、テント組は「雨で心が折れました」ということで、剱岳を断念している人やテントを畳んで帰ろうとする人が結構いました。ここまできて残念ですが、良い判断かと思います。

 

雪渓の斜面

見通しが悪い

北アの高山植物「ナナカマド」

雪渓はアイゼンを着用し、雨に降られながらも順調に剱岳山頂手前まで進みます。

 

険しい稜線

カニのタテバイ

難関、カニのタテバイに差し掛かりました。このあたりも雪渓が残っていました。
(このあたりの稜線で道に迷っている人もいました)
ぬかるんだ岩のわずかなスキマに足を置いて登るのは本当に怖かったです。
「また来たいな」とは思えない場所でした。ここだけは(笑)

思い出すだけでも身の毛がよだつ。

 

山頂 天候が悪い
11:08 剱岳山頂で感動を味わいつつ、早々に休憩を引き上げ帰路に。
高山病の症状が出てきている。

 

カニのヨコバイ

落ちたら終わり

下山路のカニのヨコバイ。こちらも落ちたらおしまいですが、こちらのほうが、安全を確保しながら進みやすいです。個人的には。怖いからと言って足が震えてしまったら落ちてしまいます。
超危険ポイントの区間は短いので、慎重にやり過ごしましょう。

 

悪天候こそ遭遇できる
濃霧の中、雷鳥と遭遇。写真撮影。
16:00 雷鳥沢キャンプ場に無事帰還。豪雨に打たれ続け、靴と靴下が完全に濡れてしまいましたので、ガスバーナーで炙って乾かします。それから高山病の症状が激しく、頭痛と吐き気がひどいです。しっかりと食事をとって落ち着いてからアクエリとコーラを飲み干します。そして就寝。

 

3日目 しっかり噛みしめて歩く立山三山

4時間寝て高山病は回復しています。雨も霧雨になり登山続行を判断。私は運が良いと思う。


4:54、朝食にパスタとコーヒーをとり、立山に出発。

 

貴重な撮影シーン

真砂岳方面の稜線の登りでは濃霧と強風で気温は5℃前後、寒いです。

ここでも雷鳥とめぐり合い、視界の悪い登山道を雷鳥の先導で歩いていきました。どこまでうまく撮影できているか分かりませんが、動画にも記録しています。貴重な映像につき、Youtubeにもアップしました。

 


大汝山、雄山の間、危ない方向にコースロストしている登山者1名を助けました。他、疲労で座り込んでいるご高齢の登山者を励まし、立山三山を周回し、9:21には下山。

 

富士の折立

立山大汝山

雄山
立山はどれだけ難関なのかと身構えていましたが、意外とあっさり登れました。劔と違ってこちらは割と万人にお勧めできます(普段から登山をしている方にですが)
10:30にはテントを畳み(濡れていて重く感じるのが腹立たしいけど)室堂バスターミナルへ。

テントの中でひたすら豪雨を耐える時間がしんどかったですが、この苛酷さも、濃霧ならではの幻想的な景色、万年雪という名の天然クーラー、幻の雷鳥、全てが非現実的であり、過酷だったけど最高の夏の思い出になりました。

 

どうしても頻繁に北アルプスには行けないけれど、今後少しずつ行ったことのないエリアに進出したい。つまり、モチベーションがあがりました(笑)

ではまた!

この登山の詳細はヤマケイオンラインでも詳しく載せています。コチラ

 

剱岳の登山では、逆側の早月尾根ルートからも登っています。