剱岳ワンウェイ ZERO to Turugi【海抜ゼロから標高2,999へ】
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
TOPの写真は剱岳にある有名な難所「カニのよこばい」です汗
2019/07/20~22に剱岳に登ってまいりました。カニのよこばいを通過した時は本当に怖かったです。無事に帰ってこれて良かったですが、無理してまで行くべきではないことは言うまでもありません。
ここでは、山と高原地図No.37「剱・立山」を使用しています。
今回はトレラン仲間と2名で登ってきたのですが、企画としては、TJAR(トランスジャパンアルプスレース)の模擬練習ということで(出ませんけど)
海抜ゼロの富山湾の海岸からスタートして、安全に配慮しつつ剱岳の最高峰まで行き、室堂で1泊するという一風変わった計画で、トレーニング及び夜行登山も兼ねている。
っていうか、幻覚が見えるほど辛かったです泣
それでも北アルプスデビューであり、私が今まで見てきた山の景色とは一味違った風景を見ることが出来、感動したのを覚えています。
これは今回のゴール地点付近である室堂の風景です。
こういった風景が続いており、素晴らしい!の一言でした。
さあ、無事に登ることができたのでしょうか。
その記録を追っていきます。
今回の登山概要
日時:2019/07/20~22 1泊3日
天候:曇りときどき晴れ
メンバー:2名
エリア:北アルプス(剱岳・立山)
登った山:剱岳(2,999m)
宿泊地:室堂山荘
ルート:1日目 富山湾(魚津市/ミラージュランド)👉馬場島登山口👉剱岳👉室堂山荘(宿泊)👉2日目 トロッコバスで黒部ダム経由し下山(バスで長野駅へ)
累積歩行時間:約20時間25分
累積歩行距離:約47.1km
累積標高差:3,615m
スタート地点までのアクセス:池袋駅から高速バスで富山魚津まで
※上記の赤字のところはちょっとおかしな部分です。マネしないでね(笑)
本当に海抜”0”からスタートした
待ち合わせ後、池袋駅から発進した高速バスの中で「本当に、海からスタートするのか・・大丈夫だろうか」不安がよぎってなかなか寝付けなかった。(昼間ということもあるのだが・・・)
「今のうちに寝ておけ、この先はもう寝れないぞ」
相方の無慈悲な一言に、なんとか頑張って寝る。
気が付くと、夕方であり、バスもあっという間に新潟、魚津に到着。
コンビニで買った水分食料などをザックに詰め込んでからタクシーに乗り、スタート地点のミラージュランドに向かった。
夢と希望のミラージュランド
この遊園地の真後ろが富山湾であり、砂浜が広がっている。
海水にタッチしてからいよいよスタートだ。
登山口まで30キロダッシュ
ヘッドライト点灯にて20:30出発。
ランニングで剱岳の登山道である早月尾根の麓、馬場島までランニングだ。
その距離約30キロ。
30キロだから3時間で走れると見込んではいけない。
登山の荷物を背負って、ひたすら登りの道だからだ。
5時間かかってしまい。ここでの疲労を目的地到着まで
ずっと引きずることになってしまった。想像以上に疲れるのでお勧めしません。
とにかく暑い。
途中の自動販売機で都度水分を補給し馬場島に着くまでに2ℓ以上消費。
これから水分補給のままならない早月尾根にさしかかる。
絶対に水分を切らしてはならない。(途中の道路は自販機少ないので要注意)
馬場島キャンプ場で水を汲むこともできます。
蛇や謎の野生動物に何度も遭遇しながら、ようやく登山道に入る。
登山道でヘッドランプが電池切れを起こして焦る。慌てて2本目のライトを点灯!
白々しく夜が明ける
早月尾根では睡魔との闘い。標高2000を超えた剱岳早月小屋到着の直前に
日の出を迎える。
早月尾根は北アルプス3大急登と呼ばれているらしい。
壁をよじ登るような鎖場や急登の連続で険しかったが、
登山道自体は明瞭で深夜でありながら迷うような箇所は無かった。
緊張の難所攻略と断念を決意した女性
道中、これといった展望は無い割に、剱岳の鋭い岩肌に圧倒される。
しばらく難所が続くので注意点と一緒に説明します。
ほぼ崖を登っていく・・
滑落注意。ヘルメット着用です。
水分切れに絶対注意!
馬場島登山口から早月小屋まで補給ポイント無しです。
そして標高2500越えあたりから、雪渓がところどころに現れる。
7月だがまだまだ部分的に雪景色。
滑って滑落したら危険なポイントもあった。
目線の先は崖です。
滑ったらOUT。
どうみてもアイゼン、ピッケルはあったほうが良いレベルかと思う。
(意外と少なかったが、登山者の2割くらいはアイゼン又はピッケル装備でした)
慎重に一歩一歩進めば大丈夫であったが、この雪渓を見て危険と判断し、
登山を中断した女性登山者がいた。
女性「危険なので下山します」
座り込んで悩みながらも、下山を決意したようだ。
まだ20代かなと思われる若い女性がいることに驚いたが、
無理をせず、下山するという判断は素晴らしく、
「登山を中止する勇気」というのも大切なことだと思いました。
その後、同じ場所で助からなかったニュースが入ってきました。
剱岳で女性遺体 横浜市の19歳の女性か
12日、北アルプス剱岳で女性の遺体が見つかりました。
警察は、4日前から剱岳に登山に出かけ行方が分からなくなっている横浜市の19歳の女性と見て身元の確認を進めています。
12日午前9時ごろ、北アルプス・剱岳の標高2650メートル、前剱の登山道からおよそ150メートル下の岩場に女性が倒れているのを県警山岳警備隊が見つけました。
女性は、県警ヘリコプターで収容されましたが、その場で死亡が確認されました。
女性の体には複数の傷があり登山道から滑落したと見られます。
ここを通過するか断念するかの判断が明暗を分けることもあるのです。
そして性別にかかわらず、ここでの滑落事故のニュースが絶えません・・
話は戻って
劔岳山頂に到着。
ジェダイの誕生か!?
積年の恨みぃぃ!!!
と、ここで突如バトルが繰り広げられた!(笑)
劔(つるぎ)ということで山頂に撮影用と思われる剣が置いてあるのだ。
それにしても安くはないであろうライトセーバーは誰が置いたのであろうか・・
おふざけはここまで、
写真撮影など済まし、カフェイン剤を摂取。
この先、カニのヨコバイを始め、滑落の危険地帯を通過するのだ。
超危険「カニのよこばい」
運よく、登山客が少なく、しっかり安全に通過できた。
カニのよこばいは、本当にカニが横ばいになって進むように
岩壁にへばりついて通過する超危険ポイントだ。
3点支持の厳守、手を離さない、足を滑らせないよう注意しながら
確実に一歩一歩進めば難は無いが、崖下を除いたりすると若干高所恐怖症の
私からすると、冷や汗が出たり、手に汗が出たり、足が震えそうになったりするので、
「下は見ない方が良い」ということだ。
地獄のワインディングロード
その後もアイゼンが必要であろう雪渓をトラバースしながら室堂まで縦走した。
もうすぐ到着と言うことを確信したときに、相方と別行動を取った。(歩くペースが違うため)
そのときにどっと疲れが出てきて「幻覚」が見え始めてきた。
誰かが道案内をしてくれるのだ。
私はその案内に従ってふらふらと付いていったのだが、気が付くと宿泊地である室堂山荘の中の山小屋関係者の宿舎の布団の横に居ました汗
「お前!何やってんだ!!」
小屋番の方の声で我に返る。
時計を見ると15:55
昨晩の20:30にスタートしてから20時間近く歩き続けているのだ。
北アルプスを眺めながらビールを飲みくつろぐ最高の時間!
レースのときと同じぐらい疲れた。もう少しゆっくりなペースであれば大丈夫かもしれないが、体力のギリギリを狙うトレーニングは本当に注意しなければならないと反省点にもなりました。
カニのヨコバイはもう行きたくないなと思いつつも、テント泊装備で室堂まで縦走したいなと思う自分もいます(笑)
ルートを含め、さらに詳細な報告はコチラからご覧ください。
ではまた!