倒木だらけの八ヶ岳ラウンド【八ヶ岳 赤岳含む4座縦走】

倒木だらけの八ヶ岳ラウンド【八ヶ岳 赤岳含む4座縦走】

2019年6月14日 オフ 投稿者:

皆さん、こんにちは。社団法人ランナー(龍)です。

今回は2018/10/06~07八ヶ岳連峰の赤岳を含む4座をテント泊装備で縦走してまいりました。

赤岳は八ヶ岳連峰の中でも最高峰を誇る主役的存在であり、真っ先に登ることにした。

ここでは、山と高原地図No.33「八ヶ岳・蓼科/美ヶ原/霧ヶ峰」を使用しています。

 

長時間の雨に打たれ続け、相変わらず雨男ぶりを発揮しております。

夏の間に通過した台風や大雨の爪痕が残っており、とにかく倒木だらけで登山道を外れて進まざるを得ない場所や、橋がなくなって登山道が閉鎖されているようなところも通過した。閉鎖中の登山道も「ラウンド」というルート取りで行き帰りのルートを変えるために、やむを得ず強行突破した。もちろん誰一人遭遇しませんでした。

ただ、先般の中央、南アルプスに比べると標高が低い分、短時間で山頂及び山小屋にアクセスできるのでハードルは低めです。

テント泊中は強風に叩かれて辛い夜を過ごしましたが、とても楽しい山歩きが出来ましたので、早速、八ヶ岳の旅を振り返ってみたいと思います。

 

今回の登山概要

日時:2018/10/06~07 1泊2日

天候:1日目/曇りのち雨(霧・強風あり) 2日目/雨のち晴れ

エリア:八ヶ岳(南八ヶ岳)

登った山:編笠山(2,523m)、権現岳(2,715m)、赤岳(2,899m)、西岳(2,398m)

宿泊地:青年小屋のテント場(ベースキャンプ地として利用)

ルート:【1日目】富士見高原登山口👉編笠山👉青年小屋👉権現岳👉赤岳👉青年小屋テント場(宿泊)

【2日目】西岳👉富士見高原登山口

累積歩行時間:13時間46分

累積歩行距離:約19km

累積標高差:2,604m

登山口までのアクセス:中央道小淵沢IC👉富士見高原リゾートの無料駐車場にAM1:00着、仮眠しAM6:00出発

 

いざ!赤岳へ!

深夜帯に富士見高原リゾートの無料駐車場に着くが、他に車はゼロ台。朝6時になってもゼロ台。これは静かな登山になりそう・・だけど心細い💦

そんな中、先ずは編笠山に向けて出発。

 

富士見高原登山口に着くとそこには熊注意の看板が。居ないことは無いと思いますが、八ヶ岳に生息する熊は非常に少ないんだとか。

 

後で聞いた話では編笠山に直登するルートは沢を横断する橋が流されていて登山道として機能していなく、あまり人は通らないよ。とのこと。そこを私は強行突破していた。

 

登山口からずっと倒木のオンパレード、その都度登山道から外れて進む。

途中、目印のテープに惑わされ(山と高原地図№33のD-9地点)倒木だらけの沢筋に誘導されてしまいシカと遭遇。しかも道はめちゃくちゃ。地図とコンパスより現在位置を予測する限り、登山道から外れてしまっている。この時点で獣道であることが分かりUターンすることを決意。ルートミスにより1時間のロス!目印テープは「何」の目印なのかによって登山道とはまったく関係ない場所に案内されるので要注意!!

 

雑念は道迷いの元

1時間のロスは痛恨だが、落ち着いて軌道修正を図る。

登山道に復帰すると道を外れないよう注意しながら進む。

 

「やっぱり登山道はしっかりしてる。獣道とは明らかに違うな・・」

改めてそう思った。

こんな感じの登山道。苔むした風景は八ヶ岳特有だ。

 

ガレガレの編笠山に到着したと同時に濃霧と霧雨に見舞われる。

ここで昼食をとる。

 

 

編笠山から青年小屋に行くときにまた登山道から外れる。濃霧で登山道ではない岩場の斜面を下って沢筋に向かってしまうところだった。中途半端に踏み跡があるから、ここで間違える人が後を絶たないのでは!?とちょっと困ってしまった。(山と高原地図№33のD-8地点)

 

雨がしとしと降る中、青年小屋に無事到着。テン泊料金を支払い、設営を行う。

私、一人しかいなかった。(天気予報でほとんどキャンセルか、まあ、それが正しい判断です)

ペグ打ち含めて40分で設営。

ここをベースキャンプにし、重い荷物をすべてここに収納し、緊急用のものなど必要最小限の荷物にして、いよいよ赤岳に向かって出発だ。

この時点で11:20くらいだったか、

 

たぶん、赤岳に登って、またここに戻ってくる途中でほぼ確実に日没になる。大丈夫か!?

 

どちらにせよ、走れるところは走るしかない・・・・・

※真似をしないことをおすすめします

 

赤岳に向かう途中に権現岳を越えなければならないが、これがまた結構きついんだ!!

やっとこさ、権現岳をのぼったら、少しトラバースしたところで急降下、そこで目にした地獄の光景・・・

 

 

名付けて空中ブランコ

これでこの急直下の壁を降りる。

何故、空中ブランコと名付けたかと言うと、梯子のくせに、少しブラブラゆれるちょっと危ないところがあったからだ。

高さ、長さがあるので、手を滑らせて落ちたらさようなら。そんな泣きたい区間だった。(老朽化して壊れないよう時々整備していただきたいと思っております)

この空中ブランコは権現岳からキレットの区間にありますよ。

 

赤岳に向けて着々と進んでゆく・・・

 

一瞬だけ姿を見せてくれた赤岳

 

このあたりで、初めて登山者と遭遇、若い女性2名のハイカーだ。今日は赤岳まで行かず、キレット小屋に宿泊して明日登るそう。

 

それが正解ですよね~・・・

 

気を取り直し、急ぎ足で進みようやく赤岳にとりかかる。

 

そして、

赤岳に登りながら思った。

「本当に赤い・・・」

 

そして暴風雨の中、赤岳に登頂! 15:33

勿論、誰も居ない(笑)

 

写真などを撮ったところで、青年小屋に急いで戻る。

 

先ほどの空中ブランコを無事登った先の権現岳あたりで日没。

権現岳下りの鎖場で滑落!!1.5mくらいか、

親指の爪の間から流血。当たり前だが、暗闇の鎖場は危険です。

 

さて、数か所の鎖場はやりすごしたものの、暗闇の中、どんなにヘッドランプをMAXで照らしても、濃霧がひどすぎて先が全く見えない状態で焦る。

 

 

「下手すればまた登山道を踏み外すぞ・・・・」

 

一つの選択肢としては、岩場に隠れて朝までやり過ごすことも考えつつ、青年小屋に進む。

 

何しろ先を照らしても全く先が見えないので、足元を照らし、足の感覚で砂利や土の固さで登山道か、そうでないかを判断しながら恐る恐る進む。

 

 

 

登山道を踏み外すと、人に踏まれていない感じが伝わってきて何となくわかるんです。本当に、分かるんです!

 

2回ほど踏み外し、戻っては進み直した。

 

 

やがで、遠くで自家発電の音とうっすらとした明かりが見えてきた。

 

 

 

「やった!!青年小屋だ!」

 

 

無事、帰還

こんな暗闇を歩いていたんだね。

 

山小屋の小屋番に無事戻ったことを伝え、熱燗を注文。

 

小屋番さんは言った。

「本当に行ったの💦 このコンディションで・・」

 

そう、ここ、青年小屋は「遠い居酒屋」と呼ばれる、夜になると赤ちょうちんが灯る居酒屋風の山小屋なのだ。

 

小屋番さんが、ウイスキーなど振舞っている。

私は熱燗を飲みながら、命あることに感謝。涙が出そうになった。

 

やがて、私のまわりに人だかりとなり、飲めや笑えのどんちゃん騒ぎ(笑)

 

昼間誰も居なかったのに一体、いつ来たの(笑)

 

みんなは小屋泊で私だけテント泊。可哀想と大爆笑され、私は小屋を後にした。

 

 

 

 

その後、テントの中に入るとともに、暴風雨に見舞われる。

テントが飛ばされそうになるし、テントの屋根が風で押しつぶされて顔にバシバシ当たった。

 

こんな状況で眠りは浅かったが、それでも寝た。

 

翌朝も雨が止んでおらず、濡れたまま、テントをたたみ、ザックに仕舞う。

テントは飛ばされていない。

これはいいね!このテント、これだけの暴風雨に耐えるのはとても評価できます。コールマンのツーリングテントですが、初めて評価できると思った瞬間です。ツーリングドームST。

 私もアマゾン経由で購入。

念のため言いますが、このテントは普通は登山で使いません。車やバイクツーリングで持っていくことを前提として作られているからです。重量4Kgでペグも入れると5kg。かなりの重量。登山用は2~3kgでありますからね!

でも信頼のコールマンブランド。丈夫で作りよし、デザインよし、設営簡単、広いし快適、何より八ヶ岳での暴風雨に耐えた。ソロ用テントとしてはお勧めだよ!ガシガシ使えるテントでこんなテントも1つは持っておきたい。

私のようにどうしても登山で使いたいのであれば、どうぞ(笑)

 

 

 

さて、登山に話を戻しますが、下山ルートとして、往路とは別ルートで西岳経由で富士見高原に下山するのですが、青年小屋から西岳に向かうところで早速、土砂崩れで登山道が真っ二つになるところ有り

 

終了!かと思いきや、急遽、迂回ルートを作ってくれたらしく、誘導テープを頼りに迂回し、登山道に復帰して西岳に進む。

 

西岳には早々に到着し、体調も良好。これは良いペースで下山できそう。気分も晴れやかだし、西岳山頂でようやく晴れる。

これは今日は山小屋は混むなー・・・

 

木漏れ日が輝き、小鳥のさえずりも心地よく、空気も清々しい。

なんて気持ちの良い登山なんだ。

やっぱり自然はいいね。

寝っ転がってしばらく空を見ながら、流れる雲を眺めていた。そして写真をパチリ!

 

そして昼前には下山。

怖い思いもしたが、楽しい登山であった。

今回の登山もこちらでさらに詳しく報告している。参考にされる方は是非お読みください。

 

皆さんも八ヶ岳どうでしょう!ではまた!