公共の場を走ることは悪か
TOP画像写真は、日経新聞記事より
お久しぶりです。社団法人ランナー龍(たつ)です。
今年の6月に書いた記事「トレイルランニングが如何に嫌われているか分かりました」がとても反響があり、既に1,000人以上の方に拝読されています。
トレイルランニング業界にとってこれは切っても切れない課題。
この記事の反応を見て”山で走る”ことが中々受け入れられていないことがよく分かりました。
さらに、今年の8月に北海道の羅臼岳で、恐らく当時ランニングで下山していたと思われる20代男性にヒグマが襲い掛かり人命に関わる事故が起きてしまったことで、山を走る事へのマイナスイメージに拍車がかかったように思います。
一般の登山道で、当たり前のようにランナーが走っている風景というのは、やはり中々理解されるのは難しいのかな。と感じています。
そんな最中、鏑木毅さんの記事が目に入りました。
公共の場を走るのは「悪」か
トレイルランニングの基本マナーは登山者やハイカーに出会ったら、歩きに変えて挨拶をすること。それは十分に留意しているのだが、先日すれ違った人から「なにも走らなくともいいのに」という言葉を投げかけられた。
相手が山をゆっくり歩いている際、走る人を目にしてどこか不愉快に感じたのかもしれない。真意は分からないが、山でスポーツをする、そのこと自体が悪だというような、後ろめたい感情に包まれた。
中略
息苦しさは拭えない。これも日本らしさだと割り切るしかないのだろうか。
日本と海外とでは、トレイルランナーに対する視点がことなることに一種の混乱と課題を見出している鏑木さんのメッセージです。
これは本当に分かります。
私も2年前、ランニングをしていたものの、前を歩く人が居たので、走るのを止めて歩きに変更し、抜かさずにゆっくり歩いていたら、
「待っているんですから、はよ、抜いてくださいよ!」
と怒られたことがありました。
私は驚き、「すみません」と謝って、仕方なく先を歩きましたが、プレッシャーを与えないように、だいぶ手前で減速して歩いていたのに、お叱りを受けたことについて、どこか腑に落ちない部分はありました。
ですが、「抜かすつもりは1ミリもありません、お先にどうぞ」とか、「怒られるようなことはしましたか?」などと言ってしまったら、売り言葉に買い言葉、無駄な言い争いになって、つまらない登山になるのもアレなので、先に謝って事を穏便に済ませました。
先行している登山者からすれば、遠くで徐々にこちらに迫ってくるトレイルランナーがいるから、立ち止まって先に行かせようと、配慮してくれていたのだとも思う。しかし、一向に抜かさないものだから、イライラしたのでしょう。
だとすれば、
「走りますか?先に行きます?」ってな感じに尋ねる形式にすれば、
「良いですか?すみません、通らせていただきます。ありがとうございます。」
「いいえ、ゆっくり休みながら歩くので、大丈夫です。ありがとうございます。」
と、お互いに後味悪くならずに済みそうな気もするのですが。
この問題は、どちらが良いか悪いか判断することが難しい微妙な問題でして、これが登山者とトレイルランナーとの認識に距離感が生じてしまっている部分になります。
鏑木さんの記事では、山だけでなく、舗装路を走っていても叱咤されたようなので、悲しい思いを胸に、これも日本らしさと、割り切るしかないのか。と締めくくっています。
私としましては、割り切るのではなく、諦めず、辛抱強く、ランナーとそれ以外の方々とが、100%は分かり合えなくても可能な限り歩み寄れる社会を目指していってほしいと願っています。
私のブログも、その一助となれるよう、発信を続けていきます。
