6月残雪多し!日の出狙いの平ヶ岳
皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
皆さんは平ヶ岳をご存じだろうか。
途中、山小屋が無い事と、アクセスが難しい事、山頂ピストンで20kmもの距離があることから「難しい百名山」と称される、新潟・群馬・福島の県境にある豪雪地帯の山である。
越後・尾瀬エリアのさらに奥に入り込むため、人工物を見つけるのが困難であるほど
自然の奥深さを目の当たりにします。
2024/06/07(金)
仕事を終え、そのまま登山着に着替え平ヶ岳の夜行登山に向かいます。
つまりは不眠不休の夜行登山。朝には下山し、ようやく睡眠をとることができます。
果たして、どのような登山になるのでしょうか。
この登山の概要
日時:2024.06.07~08(金・土)日帰り0泊2日
天候:晴天
メンバー:2名
エリア:越後・尾瀬 新潟県
登った山:平ヶ岳(2,141m)、台倉山(1,695m)
宿泊地:なし
ルート:鷹の巣駐車場、平ヶ岳入口(23:20)・・・下台倉山(01:20)・・・台倉山(02:27)・・・白沢清水(03:42)・・・池ノ岳(04:00)・・・水場南分岐(04:13)・・・平ヶ岳(05:36)[休憩 20分]・・・水場南分岐(06:10)・・・池ノ岳(06:15)・・・白沢清水(07:08)・・・台倉山(07:38)・・・下台倉山(08:23)・・・平ヶ岳入口(09:00)
累積歩行時間:約9時間20分
累積歩行距離:約20km
累積獲得標高 1,859m
スタート地点までのアクセス:マイカーで宇都宮出発、栃木、福島経由で尾瀬を通過し、鷹の巣駐車場平ヶ岳登山口まで。
ワンポイント:6月上旬はまだ残雪。平ヶ岳直下のエリアは残雪が木道を隠し進行方向が少し掴みづらい。又、夜露でウエアが濡れ時間帯によっては低体温症になりかねないのでウエアリングに注意。
ここでは、山と高原地図№15「越後三山 (平ヶ岳・巻機山) 」を使用しています。
山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山 2024 Amazon
遠い百名山の自然の濃さは凄まじかった
23:20 予定よりも少し早い時間に入山。駐車場には数組の登山客と思われる車両が夜明けを待っているようだった。
暗闇の中の入山で、ルートには注意しなければならなかったが、看板、ピンクテープはほぼ無いものの、木道の整備がされていることと、尾根は痩せ尾根であり踏み跡も明瞭なため、夜行登山でも迷う心配は少ない。
但し、6月上旬、標高1600あたりから残雪が出没し始め、木道を隠してしまう。
そこでルートミスをしないよう目視で細心の注意を払い歩こう。
雪道の踏み抜きで足が濡れるのと、藪漕ぎの夜露で上半身が濡れ、風にさらされると
低体温症を招く恐れがあります。
野生動物にも注意しなければならず、キツネとカモシカ(恐らく)に遭遇。熊鈴は必須だ。3:45頃、標高1700樹林帯、正面左側2~3mの距離で大型獣がガサガサ音を立てて逃げる場面あり。心臓が飛び出るほど驚き半泣き。熊鈴は鳴らしていた。
下台倉山からの稜線から長い稜線歩きの旅。なかなか面白いコースだと思う。
ヘッドランプを落とし、空を見上げると満点の星空。ミルキーウェイが拝めた。
星空が川のようにくねくねと道を作って輝いています。これは夜行登山でないと体験できません。
そして4:10、山頂手前の池ノ岳よりご来光を拝みました。
遠い100名山で、ご来光と星空を拝むのは貴重な経験だと思う。
それを仕事帰りに立ち寄った登山なので、9:00下山、15:00帰宅&就寝で
累計で32時間の不眠となったが、頑張った甲斐はあった。
すれ違う登山者もベテランぞろいであった。夜間のうちに入山していた私たちを見て驚いているようだった。
星空とご来光狙いで登ってみませんか?と尋ねたら、
「それは大変ステキなことですが、真似したいとは思いません(笑)」・・という回答でした。
23:20 鷹の巣駐車場の平ヶ岳登山口は新潟県魚沼市側である。ここ尾瀬周辺は、新潟・群馬・福島の県境にあたる。
ヘッドライトを付けて出発。まずは歩きやすい樹林帯からだ。
熊鈴は忘れず携帯しよう。標高の低いうちは遭遇する可能性がある。
すぐに粘土質の急登になり、それを超えると早くも稜線に出る。
時刻は0:00 緊張が走る中での稜線歩き。
切れ落ちた痩せ尾根を歩くので非常にスリリング。両側共に谷底に切れ落ちている。
モクレンとシャクナゲ。まだ咲いたばかりの様子。流石は豪雪地帯。ようやく春が一段落したといった印象。
標高1600くらいだろうか。残雪が出始める
やっぱり、すれ違いはゼロ。
完全に登山道を雪が覆う。進行方向を間違えないように。
雪解けも進んでいるので、何度か踏み抜いてしまった・・
夜が明け始める。ご来光に間に合うため、登頂を急ぐ。
山頂直下は背丈より若干低い熊笹帯。夜露でずぶ濡れになります。ゴアテックス装備を。
平ヶ岳の山頂は、頂上にいることを疑うほど、のっぺりとした平らな世界。
尾瀬方面の燧ケ岳。
平ヶ岳
4:10 間もなく日の出が始まります。
ここは楽園か!?
景色が素晴らしすぎる。周囲360℃、人工物が一切見えない。本物の大自然がここにある。
4:17 ご来光の訪れ
3分もすれば、すっぽりと太陽が顔を出します。
あっという間に明るくなり、朝となる。
平ヶ岳は楽園という他に言葉が見つからない。
こっそりと佇む山頂の標識
当然だが、誰も居ない。
越後駒ケ岳方面を望む
天国に来てしまったのかな?
至仏山、会津駒ケ岳方面
下山開始。標高こそアルプスに及ばないものの、自然の濃厚さはヤバイものがある。
しばらく標高を下げた後に見上げる平ヶ岳。
このようなキレットのある稜線を歩いてきたんですね。
樹林帯まで下山。間もなく登山口。時刻は9:00
お疲れ様でした。
この登山の詳細は、山と渓谷オンラインでも公開していますので、
コチラから、よろしければご覧ください。