【大腸菌検出!?】令和5年 丹沢山地における水場の水質調査について
皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
湧水は不潔を嫌います。
我々登山者は水場環境をキレイに保つよう心掛ける必要があります。
と、いうことで
我がホームグラウンド、丹沢の水場の水質はどうなのか?飲めるのだろうか?
水場なので、飲めて当然と思うかもしれないが、
丹沢は登山者が多く、増えている鹿などの糞尿に侵されているのであまり飲まない方が良い
とか、耳にしたりするので私は丹沢に出掛ける時は水は持参するようにしているが、
調べて見ると、飲んでいる人も多い。
とはいえ、安心して飲めるかどうかは実際に水質検査をしてみないと分からないだろう。
ということで、今回は行政と連携をとっている丹沢大山ボランティアネットワークで行われた令和5年5月6月に行われた水質調査結果を紹介したいと思います。
ユーシンブルー(西丹沢)
大腸菌が検出された水場は22カ所中7カ所!
調査の概要
衝撃の結果!
22カ所中7カ所で大腸菌が検出されたという事は、調査した全カ所の約30%近くに該当するので、かなり汚染されているのではないか!?という印象を持たれるかもしれません。
ですが、ほぼ全滅かなと思っていた私にとっては
「意外と飲める場所も多いんだな」と感じた結果に。
では検査結果表を見てみましょう。
出典:丹沢大山ボランティアネットワーク 令和5年水質調査結果一覧より
図の文字が小さいので、採取した水場と、検査項目を抜粋します。
【調査地点】
1半原越付近 2日向林道起点水場 3護摩屋敷跡 4堂平沢 5原小屋平水場 6黍殻山避難小屋 7大山弘法の水場 8春巌湧水 9葛葉の泉 10竜神の泉 11後沢乗越水場 12二俣の水場 13大倉高原山の家水場 14塔ノ岳水場 15皆瀬川人遠 16西丹沢県民の森(未実施) 17仲ノ沢法園湧水 18用木沢出会 19一軒家避難小屋前水場 20犬越路ずい道水場(未実施) 21犬越路日陰沢 22エビラ沢出会 以上、未実施の2カ所含む22カ所を調査地点としています。
未実施の理由としては、湧水が枯れていたり、給水設備の故障だとしている。
【調査項目】
一般細菌、大腸菌、亜硝酸、硝酸、塩化物イオン、有機物、PH値、味、臭気、色度、濁度、ゴミ散乱、屋外排泄、付近トレイの有無等。 尚、大腸菌類が検出された場合は味の確認は行えない。
【水場の種類】
湧水、流水、沢水
(沢水も採取するんですね)
大腸菌が検出された7カ所の水場
11後沢乗越水場(湧水) 一般細菌=5 大腸菌=検出 有機物=0.4 色度=1未満
12二俣の水場(沢水) 一般細菌=9 大腸菌=検出 有機物=0.4 色度=1未満
13大倉高原山の家水場(沢水) 一般細菌=6 大腸菌=検出 有機物=1 色度=4
15皆瀬川人遠(湧水) 一般細菌=7 大腸菌=検出 有機物=0.4 色度=1未満
18用木沢出会(流水) 一般細菌=6 大腸菌=検出 有機物=0.6 色度=1未満
19一軒家避難小屋前水場(流水) 一般細菌=10 大腸菌=検出 有機物=0.6 色度=1未満
22エビラ沢出会(流水) 一般細菌=42 大腸菌=検出 有機物=0.3未満 色度=0.5未満
ちなみに、過去私が丹沢で飲んだことのある湧水の結果はコチラ。
3護摩屋敷跡(湧水) 一般細菌=0 大腸菌=不検出 有機物=0.3未満 色度=0.5未満
14塔ノ岳水場(湧水) 一般細菌=0 大腸菌=不検出 有機物=0.3未満 色度=2
おおお、セーフ(笑) 護摩屋敷のは独特な味がしたけど美味しかった。
有機物は鉱物などに含まれる金蔵類が混入しているかを表しており、それが多いと色度にも影響するとされています。先ほどお見せした写真(ユーシンブルー)は、有機物が多く色度が高い事から青みがかったエメラルドブルーに見えると言われているので、丹沢では結構多いのではと思いましたが、水場の水はそうでもないのですね。
まとめ
ちなみに、水道水の色度の基準は2以下としています。
一般細菌は1㎖のうち、100以下であることとしています。
ということなので、
大腸菌が検出されているところは除くとして、
丹沢の湧水は不衛生であるというレッテル張りにならないようにしていただきたいとは思います。
それでも大腸菌検出が7カ所というのは確率的には結構多いので、
闇雲に飲むというよりは、このように事前に調べるか、煮沸して飲むなどが良いでしょう。
また状況は日々変化するので、今回の結果が全てではなく、定期的に調査結果を確認する必要がある事も付け加えておきます。
湧水や沢の水は透明に輝いて見え、美味しそうなのですが、必ずしも衛生的とは言えず、見た目に騙されないようにしないといけません。
又、一般細菌は僅かでも、常温で放置したら繁殖して増えていきますので、その場で速やかに飲むか、それこそ煮沸して飲むなどの方法をとることが無難であると考えます。
湧水は登山の楽しみの1つ。その楽しみで体調不良を引き起こしたくはないですよね。
機会があれば他の山域の水質調査も調べてみたいと思いました。ではまた!