岩手山(強風のお鉢周り)【事故ニュース引用あり】
2023/07/09(日)
岩手山を馬返し登山口から登りました。
2023/07/07(金)より岩手県に来ており、07/08(土)には早池峰山を登っていて、滞在最終日に岩手山を登るスケジュールです。
晴れ、曇り、雨、濃霧、強風と目まぐるしく変わる天候の中、岩手山の稜線上のお鉢巡りでは風の通り道ということもあり、強風に見舞われ、撤退も覚悟しましたが無事登りきることが出来ました。
雨に濡れながらも、コマクサをはじめとする花々が素晴らしかったですね。
そんな岩手山の景色や登山道の状況、注意点などもまとめて紹介できたらと思います。
引率ガイドも兼ねているので非常にゆっくり歩いています。
この登山の概要
日時:2023/07/09(日) 2泊3日
天候:晴れ、曇り、濃霧のち大雨
メンバー:9名
エリア:岩手山(岩手)
登った山:蕨山(2,038m)
宿泊地:矢幅駅の近くのビジネスホテルだったか・・
ルート:
馬返し(05:34)・・・一合目(06:41)・・・五合目(08:36)・・・八合目避難小屋(10:28)[休憩 10分]・・・不動平避難小屋(10:59)[休憩 20分]・・・岩手山(薬師岳)(12:07)[休憩 10分]・・・不動平避難小屋(12:45)・・・八合目避難小屋(13:03)・・・五合目(14:26)・・・一合目(15:08)・・・馬返し(15:48)
累積歩行時間:約9時間34分
累積歩行距離:約11.1km
累積獲得標高 1,475m
スタート地点までのアクセス:ホテルからジャンボタクシーで「馬返し」登山口まで
ワンポイント:馬返しから入山するルートは代表的なルートであるが、2.5合目からは「旧道」と「新道」に分かれる。新道を選ばなければならないということは全くないが、ガレた岩場を登る旧道の方が転倒などの危険性は高い。しかし、展望が非常に良く、是非歩いて欲しいルートだ。登りと下りで使い分けるのがベストではないだろうか(冬季はわからないため夏季に限る)
ここでは、山と高原地図№5「岩手山・八幡平(秋田駒ケ岳・姫神山・森吉山・和賀岳)」を使用しています。
大雨でエスケープ者が続々と出る中、無事登頂達成!
馬返し登山口 5:34には入山
岩手県なので当然クマ出没はありうる
今は天気が良いが雲の動きが早く、すぐに天候悪化することは明らかだった。
真夏の樹林帯 ミズナラなどの木々が健気に生い茂る
すぐに「新道」と「旧道」の分岐が来るが、天気が良いので登りでは旧道を選択。
旧道は崩落やガレ場の岩場をよじ登るので足場が悪いが、樹林帯ではないため展望が楽しめる。
一方で、新道は歩きやすく比較的安全な一本道で足元も安定していて道も明瞭だが、背の低い木々を屈んだりかき分けたりしながら進むので、それなりにキツイ。飽きるという一面もある。どちらが良いというのは難しいところだ。
稜線に出ました。一見、なだらかのように見えて結構な斜面です。
大パノラマですね!
雲が覆いかぶさってきましたよ
ミヤマハンショウヅル
ミネウスユキソウ(やはりハヤチネウスユキソウとは違う!)
チングルマ
8合目避難小屋。すげえ立派!いくらかの協力金で素泊まりが可能。シーズン中は管理人も駐在。これが豪雪地帯の避難小屋か。右隣の建屋はトイレ。
避難小屋内部。綺麗です。
湧水。とても美味しく、必ず補給することをおすすめする。
宿泊するのに非常に良い環境(笑)
ここで一気に天候が荒れ、大雨に突風。監視員より、
「風が強いし今日は・・辞めたら?」とアドバイスを受ける。
ここで9名のうち2名は断念し下山へ。残り7名は「撤退ありき」で様子を見ながら山頂を目指すことにした。
鬼面岩が見えたら9合目の避難小屋が目前だ。
9合目 不動平避難小屋 ここは8合目の小屋よりもかなり小さいが、宿泊も可能なしっかりとした小屋であり、トイレも完備。ここで昼食をとる。
小屋で休んでいると若い女性が飛び込んできた。
「強風です!撤退します!」
埼玉県から来たという女性。遠路はるばる来たが山頂を拝まず撤退する勇気は正しく、潔く、登山をする者として必要な判断基準を持っているんだな。と思った。
「事故もあった場所なので・・」と付け加えていた。
事故とは、これのことだろうか。季節は違えど岩手山で登山家が滑落により命を落としている。
【悲報】『山』岩手山に日帰り登山の女性(42)遭難死亡 付近にジャケットなど散乱 アイゼンやピッケルなど冬山登山の装備なし
岩手山に、19日、1人で登山に出かけた女性が帰宅しなかったため、21日午前、警察などが捜索をしたところ山の中で倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。
滝沢市巣子の自営業、樋口由実さん(42)は、19日、岩手山に1人で登山に出かけましたが、夜になっても帰宅せず19日午後7時ごろ、樋口さんの夫が警察に届け出ました。
警察などが、20日午前5時半ごろからおよそ30人の体制で捜索を行ったところ、岩手山の中腹にある第2噴出口跡付近で倒れている樋口さんを見つけました。警察によりますと、樋口さんは呼吸をしていない状態だったということで、その後、死亡が確認されました。
樋口さんは、これまでに数回、岩手山を登った経験があったということですが、アイゼンやピッケルなど、冬山登山の装備は今回、持っていなかったということです。また雪の残った斜面を登っていたとみられ、見つかった現場付近には、身につけていたとみられるジャケットなどが散乱していたほか、靴が脱げていて、周辺には滑ったような跡があったということです。
警察は樋口さんが滑落したとみて詳しい原因を調べていて、
冬山に登る際はしっかりとした装備で、十分に計画を立てて臨むよう呼びかけています。03/20 18:41
引用:マネーライフ(ライブドアブログ)より
ニュース速報は直ぐにリンクが切れるため、ブログより引用しました。内容が速報ということなので全貌が明らかになっていない状態での情報であり、
冬山装備が無かったと記されているが、実際はしっかりとした装備がされていたという情報もあったため、無謀な冬山登山ではないと私は思っています。
逆にどれだけ装備が整い、計画がしっかりして、ベテランの方だったとしても事故が起きるときは起きる。と、心に留めておきます。
樋口由美さんのご冥福をお祈り申し上げます。
登山の話に戻ります。
女性は続けた。「山は逃げませんから・・」
そう言い残し、下山していきました。
我々は、戦々恐々と山頂を目指し始めます。
希少種 コマクサ
濃霧で視界が悪い中ひときわ輝いていました。
稜線に出ました。ここからお鉢周り。遮るものは無く風をもろにうける。
突風に防御姿勢をとる
岩手山に到着!
新道経由で下山
白いシャクナゲ。これは美しい!
無事下山 お疲れ様でした。
お鉢巡り中は中々緊張する場面もあったため、下山後、ホッとしたからか気が抜けてしまい、タクシーや新幹線に乗り遅れそうになるメンバーもいました。
これはテンションリダクション効果といって、緊張の続く状態から解放されると気が抜けてしまう効果を言います。私も常に様子を観察していた方でした。
岩手県はまだまだ登りたい山がたくさんありますが、今回は時間切れ。
次回いつ行けるかも分かりませんが、1つでも多くの山に登りたいと考えています。
この登山について、コチラで詳しく解説しています(ヤマケイオンライン)
ではまた!