丹沢 玄倉川で水難事故です

丹沢 玄倉川で水難事故です

2023年8月16日 オフ 投稿者:

丹沢の玄倉川で水難事故が発生しました。

事故が起きたのは2023/07/30(日)午後4時半頃の出来事ということです。

 

トップの写真は私が撮影した玄倉川の写真です。

ユーシンブルーで有名な玄倉川は私の好きなエリアになりますが、付近の林道は崩落のため、立ち入り禁止になっているし、玄倉川自体も遊泳するような川ではないはずなので、このような場所で事故が起きたニュースを見て驚きを隠せません。

ニュースは次の通りです。

玄倉川で男性がおぼれ死亡 友人らと遊泳中

30日午後4時半ごろ、神奈川県山北町玄倉の玄倉川の立間堰堤(えんてい)付近で「人がおぼれた」と119番通報があった。

 小田原市消防本部や県警によると、千葉県香取市の会社員、麻生龍星さん(23)が川でおぼれ、意識不明の状態でドクターヘリで神奈川県伊勢原市内の病院に搬送された。約2時間後に死亡が確認された。

 麻生さんは友人と3人で遊びに来ており、高さ約6・6メートルの堰堤から飛び込んだところ、浮かんで来なかったという。水中にいる麻生さんを友人らが発見し、岸に引き上げた。

引用:朝日新聞デジタル 2023年7月30日 22時40分 記事より

お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。

 

記事から色々と考察できる部分があります。

玄倉川で高さ6.6mの堰堤のある場所は、恐らくすぐ近くに丹沢湖がある手前の深さがある場所かと思われるが、ここで遊泳したり、堰堤から飛び込む行為は危険極まりない行為であることは明らかです。湖の手前のところは水もあまり綺麗でもないし。玄倉林道に行くときいつも眺めてましたが、泳ぐという発想はまったく出てこなかったです。

最も体力があるであろう年代である23歳の成人男性が飛び込んだ後に浮かび上がれないことがそれを証明している。

 

事故につながる要因について考察

要因については複数の事柄が積み重なっていました。

 

1.地元の人間ではなかった

まず、千葉県香取市在住の方という事で、多分、この玄倉川がどういう川で、深さや地形、危険度などの知識が無く、泳ぐような川だとは知らず、油断につながったと考えられる。(ただ、当日は他のグループも遊泳していたとの情報あり)

 

2.若さゆえの度胸試しだった可能性がある

私もそうだが、10代20代の若い頃というのは危険行為の境界線がわからなかったりする。その代表が車やバイクの危険運転であり、つい無謀なことをしてしまいがちだからこそ、若者の自動車保険料も高い。こういう行為は後に武勇伝としてよく語られるではないか。高い所から飛び降りる行為も度胸試しの代表格と言えよう。この場合は結果、度胸が無かった方が命が助かったわけで、なんとももどかしい。チキン野郎、ビビリと言われようが命の方が大切だ。もしも、この方が飛び込んで普通に浮かび上がって泳ぐことが出来たとしても、次に飛び込む者が犠牲になっていた可能性も十分に考えられ、どちらにしても危険極まりない。ただよく調べると、亡くなった方は先に飛び込んだのではなく、他の先に飛び込んだ友人に続いて飛び込んだ方だということです。

 

3.高さ6.6メートルはハンパない恐怖の高さである

高さ6.6mというのは、ざっくりでいうと、2~3階建てのアパートの屋上から飛び降りるくらいの高さであり、高層ビルの屋上よりは当然低いものの、いくら下が水面であろうと、ふわふわのネットで保護されていようと、容易に飛び込めない高さです。下を見ただけで手や体中から冷や汗が出る程の高度感と恐怖がある筈です。又、水面も意外と固いので、打ち所が悪いと大怪我します。私も高さ3mくらいから水深2.5m程の秩父にある川によく飛び込んでいましたが、打ち所が悪いと肌が真っ赤になるほどの衝撃がありました。着衣無しだと痛いです。

私が遊んだこの秩父の川は、流れがゆるやかで、泳ぎやすいところですが、この飛び込み中に女の子が溺れて私が助けた時に危なく私自身が死にかける経験をしています。それはこちらの記事に少し書いています。

 

 

4.堰堤から飛び込むのは危険!高さに対する水深が浅すぎる!

堰堤ということは、常に川の水が流れ落ちる崖のような場所なので、その下は大きな岩が隠れている場合があり危険だ。さらに、絶えず水が流れ落ちるので、いわゆる滝壺のように上からの強い水の圧によって、浮かび上がるのが困難になるケースも川の水難事故でよく耳にするケースだ。

 

又、高さ6.6mから飛び込むのに対し、水深2m程度というのは浅すぎる。水深だけで考えれば人間の身長が届かない水深なので十分溺れうる深さではあるが、6.6mから飛び込むにしては水深が浅すぎると思う。体重60Kgの男性が6mから落下して水面に届く頃の時速は相当な勢いになっているはずだが、それに対し深さ2m台では、あっという間に川底に体が打ち付けられ、砂や岩に深く挟まってしまったり、衝撃で気絶したり、川の流れにも逆らえず、結果的に周囲の友人らに水中から引き揚げられたという事から、川底から上がってこれなくなったという事なのだろう。ただし、深さがあれば良いわけではなく、深かったらもはや水中から引き揚げることも出来ないし、水の流れがある川の場合は、流石に6mの高さからは試したことはないが、水面に上がるまでかなりの苦戦が予想される。

 

 

湖周辺で泳ぐのは危ない。

玄倉川の水難事故について考察してきました。

まだまだ夏、川や海、プールで遊ぶ方もたくさんいると思います。泳ぐのは気持ちよいですよね。しかし、少なくても川や海は、管理されているエリア内で楽しむことが必要だと思います。管理されている、場合によっては監視員がいる中でも水難事故は発生してしまいます。

特にお子さんに目を離さず、見守ってあげて欲しいと思います。

 

玄倉川と言えば、だいぶ前、警察の警告を無視し続けて台風の川の中州に取り残された10名以上が流されて亡くなられましたが、恐らく今回の場所と同じになります。

玄倉川は遊泳する川ではないと思いますが、水遊びはご安全に。ではまた!