私がNISAをお勧めしない理由

私がNISAをお勧めしない理由

2023年8月9日 オフ 投稿者:

皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。

 

読者の皆様は、少額投資非課税制度いわゆる「NISA」をご存じでしょうか。

かなり推奨されているので名前くらいは聞いているかと思います。

 

このNISAは2014年からスタートしているのですが、あまりにも国が勧めていることに多少の違和感は感じつつ、

当ブログでも投資をすること(株式だけでなく、自己啓発や経験への投資を含めるなど広い視野で)を度々勧めていて、その中で今回お話するNISAやIDECOのような制度も含めて啓発してきました。

芸人であり経営者である厚切りジェイソンも絶賛投資をすすめている。

ホワイ!ジャパニーズピーポー!

引用:PRESIDENT Online 厚切りジェイソン「年収2000万の勉強法」

何故だ!?なぜ日本人は1割強しか投資をしていないんだっ!!

 

がしかし、株式投資や投資信託など場合によっては大きく損をする可能性があるものについて、国がやたらと推奨することや、まったく知識のない方々が何の抵抗もなく始めることについては・・・・・ちょっと待てよ!?

と思うわけです。

投資はやるべきだけど、それは個人が本当に必要であると自分自身が感じた時に初めて検討するものであって、

リスクのある投資を流行らせようとする考え方自体がおかしくないか?

 

とりわけ、NISAに関してはむしろ多くの人にオススメ出来ないのではないか!?

 

ということが頭をよぎった理由について、

敢えてNISAをやっていない投資歴12年の私が解説します。

素人ならではの率直な疑問をぶつけます。

”やらない理由がない” と言われていることを知った上でこの記事を書いています。

 

 

「ほんとうの答え」は分かりません。

あくまで個人の価値観ですが、どうぞお読みください。

以下クリックでそのもくじに飛ぶことが出来ます。

もくじ

NISAとは

積み立て投信とは

老後2000万円問題とは

NISAをお勧めしない理由

 

NISAとは

NISAについては、詳しく解説しているサイトが山ほどありますので、詳細はそちらをご覧いただきご理解いただくのが確実と思います。

ここでは、私が理解している内容を要約してざっくりとまとめていきます。

また、関連する制度も合わせて記載します。

NISA

★一般NISA 上場株式などの投資で生じた取引による税金が5年間非課税になる。年間120万円まで、累計600万までが非課税枠である。

★積み立てNISA 金融庁が指定する積み立て投資信託で生じた取引による税金が20年間非課税になる。年間40万円まで、累計800万円までが非課税枠である。

★iDeCo 投資信託等で月々積み立てるが、60歳まで引き出せない。口座管理手数料が徴収されます。

 

おまけでiDeCoも加えました。

株取引等では利益から約20%もの税金がかかる(馬鹿みたいに取られる)ので、非課税は馬鹿に出来ず、これがやらない理由は無いと言われる所以です。

又、iDeCoは第3の年金と言われていますね(第1の年金は国民年金、第2の年金は厚生年金)老後の資金不安が叫ばれる中注目されている制度です。

 

では、このようなおトクな制度を私自身が活用しているかについて言いますと、

私は敢えて利用していません。

 

理由は、推奨し過ぎが怪しいからということと、元本割れや非課税枠上限のチェックがストレスかつ面倒くさいからということと、制度の改変(改悪)があり得るということからです。

 

とおもったら、ほら、新しいのが来ましたよ。

★新NISA(積み立て投資枠)  金融庁が指定する積み立て投資信託で生じた取引による税金が無期限で非課税になる。年120万円まで、累計1800万円までが非課税枠である。※積み立て投信枠のみ抜粋 参考=野村證券

 

改悪どころか、物凄い改良ですが、これは旧NISAに問題があった、或いは不十分だったことを認めているような気がするのは・・私だけ?

新NISA登場で、iDeCoの存在感薄くなったし。

 

マイナカードも新マイナカードが出るとか出ないとか噂されているのに似ている。

これだけ好条件なのであれば、今後の経済状況によっては制度が変わる(改悪を疑った方が良い)可能性を考えているため、

私は敢えて手を出さなかった。

 

積み立て投信とは

この記事では、特に注目されている積み立て投信について、私の頭の理解の中からざっくりと説明します。

 

積み立て投信とは、積み立て投資信託の略であり、信託というのは投資家のプロに運用を任せて資金を積み立てていくことを指す。ここがポイントです。

具体的には投資家のプロが成長が期待できると厳選した銘柄の投資商品への投資に乗っかるという形で出資していきます。当然ながら勝てる保証はありません。

積み立てというのは、定額(金額は適宜変更可能)を毎月コツコツと投資額を積み立てていく手法であり、生活費の余剰金などを無理なく配分することもできますし、例えば毎月1万円積み立てる際に投資商品価値が安い時には大量に買い、高い時には少量を買うことで損をしにくくするドルコスト平均法と言われる投資手法が有名です。

最近では米国株式市場指数であるS&P500への投資が大人気のようですね。

人に任せて負けて悔しい思いをする可能性がある反面、投資の世界で素人が勝てるわけがないとも言われる中で、負担なく投資できる簡単さがあり、まずは投資信託から始める方も多いです。

 

積み立て投資の資産運用例(ざっくり計算です)

月5万円積み立て 年利3% 30年投資で 元本1800万円→2913万円

月5万円積み立て 年利3% 20年投資で 元本1200万円→1641万円

月2万円積み立て 年利3% 30年投資で 元本720万円→1164万円

月2万円積み立て 年利3% 20年投資で 元本480万円→656万円

これはあくまで順調に推移した場合のシミュレーションであり、5年10年など中途半端な期間で終わった場合、あまり意味がない上に下手したら元本割れになる可能性だってあるから恐ろしい。積み立てなら最低20年はやったほうが・・・。続けられますか?

 

私はやっています。30年積み立てる予定です。

しかし、よく聞く老後2000万円問題に対応するには、退職金を当てにしない場合、月5万の積み立てを30年運用しなければならないという考えになりますが、これは結構至難の業だと思うんです。理由は続かないから。

 

老後2000万円問題とは

老後2000万円問題とは、2019年6月に発表された「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」によると、公的年金だけで老後、無職で標準的な生活を送る場合に、毎月約5.5万円が不足し、30年間生きると考えた場合、約2000万円の資金が必要ですよ。ということです。

 

あ!年金が貰えたとしても更に2000万円が足りないのね!これはけしからん!!

というかシャレにならん泣

 

といった感じで、SNSなどでも大騒ぎになった件です。

一般的な公的年金が月20万だとして、生活費が25万だとすると、単純計算でそれくらい足りないなということなのです。

どこで暮らすかにもよりますが、生活費25万は決して贅沢ではなく、標準的と考えます。豊かに暮らすなら30万はかかるし、しかしながら、質素にいけばもっと削ることも可能です。切り詰めれば20万くらいの生活も可能でしょう。その場合旅行は行けませんが、お金がなきゃ無いで、切り詰めるしかないのだ。

質素ながらに幸せな暮らしもあるが、夢のある20歳30歳の若者がこのような老後を理想的だと思い描くだろうか。そんなわけはない!!

 

問題なのは、年金が夫婦で月20万ももらえるか?だ。そもそも現役収入額の関係で10万円台後半世帯も多いはず!加えて少子高齢化による年金制度改悪でこの先減るかもしれない(無くなることを覚悟した方が良いと言う専門家もいる)

 

多くの国民が厳しい現状を強いられる。どこが豊かな老後じゃ!(笑)

 

これに関する意見も散見されており、いや、1500万円ほどあれば生きられるという発信もあれば、2500万~3000万程度は必要と指摘する意見もある。

物価や生活スタイルにも大きく依存するので、意見は異なって当然ですが、

いずれにしても生活保護世帯が爆増しないことを願う。

 

この老後2000万円問題も、国が投資を推奨したり、投資に関心を持つ方が増えている理由に繋がっています。

けれど、それでも日本で投資している方の割合は1割強と聞いていますので(正式な数は把握していません)仮に15%だったとしても、ほとんどの人が投資に関心が無いことが考えられます。

ただ、これについては ”敢えて投資をしない” ことも立派な選択肢ですので、ダメだというわけではありません。お金と人生設計はひとそれぞれですから。

 

この先、完全に私の独断と強烈な意見になりますが、投資は勧めるのにNISAを勧めない理由について書いていきます。

 

NISAをお勧めしない理由

1 若いころに使えないお金が機会損失になり得る

先ず、投資することで本来使えていたはずの資金が使えなくなる機会損失がある。ならそこまでして投資をするならそれなりの見返りを求めたいが、NISA制度では投資額上限、銘柄も選べない、損益通算不可など様々な制約がありそんなに儲けるという制度ではないという事だ(月5万積み立てでは非課税制限に引っ掛かる)本来使えるお金を使わず、ようやく老後を迎えて使おうとしたら間もなく亡くなってしまったら笑えない。

逆に質素に十分生活できているから年金プラス少しの貯金で十分な必要なケースもあり結果的に2000万3000万はお飾りになったなんてことも(?)

その際に「若いころにやっておけばよかったなぁ」という後悔をしても後の祭りだ。NISAに限った話ではないがこういう一面があるから無条件ではお勧めできない。

一見、無駄な浪費も、若い頃の思い出話はプライスレスである。ただし、アリとキリギリスの物語のようにはならないようにしたい。

 

2 政府がやたら勧めていることに何か「裏があるのではないか」と感じる

やらないと損!という触れ込みは詐欺の手法と全く同じであり、本当にそうだとしても、それなりに調べたり、自分が納得したり、どちらにしても慎重になる必要はあるだろう。NISAのデメリットに関する説明はあっただろうか。

素人の投資家で一番勝率が高い人は「投資していることを忘れている人」と「既に亡くなられている人」らしいが、身寄りがなければ、遺族にお金は入らず、口座は凍結され国庫金として回収されてしまう?(定かではありません)こんな目論見があるのでは?とか、アメリカなど海外への投資を集中させることで海外にお金は流れ・・アメリカや中国を儲けさせる。それが目的?とか(S&P500が流行っている)

新NISAも将来どんな改悪があるか分からない。

みんながアメリカ株やS&P500などのアメリカ経済圏への投資に一極集中したら逆に価値が下がったりしないか心配もしないといけないし、下がったら下がったで皆大騒ぎするでしょう。繰り返しますが流行でやるべきではないのです。

GoogleやApple、Amazonが魅力なのは分かりますが。

別件になりますが、年金受給を後ろ倒しにすることを強く推奨していることも凄く怪しい。逆にとっとと受け取っておいた方が良いかな?と考えちゃいますね。

 

3 継続できる人は稀である

苦労が伴う事(ここでは投資資金を確保し続けることを指す)は、そもそも継続できる人の方が稀です。ダイエットや運動習慣が3日坊主になることと同じように、継続は難しい事です。積み立て投資の場合、3日どころか、20年、30年て凄い長いですよ?少額をコツコツ積み立てていく貯金のようなものですから、短期間で大きく儲けるものでもないし、私も生活に馴染んでいるからこそ12年も投資が続いていますが、積み立て投資は最初っからは始めていなかったので、30年のまだ3分の1にも到達しておらず、果てしなく長い道のりであり、生きていたとしても健康寿命があと何年続けられるかということを考えるタイミングまで続けるのはまさに修行、いや、苦行。途中投げ出す人多数の見込みです。あと何年生きるかな?と考える年齢で2000万円手に入れて嬉しいのだろうかと考えたらやる気が下がる人多そう。その間に景気や個々人の価値観も変化するでしょう。相場の変動にスマホチラ見して一喜一憂する人には特に難しいかも。前項でも述べていますが、投資を継続できて勝てる人は投資を忘れている人と既に亡くなられている人です。忘れているから継続できるのです(笑)

 

4 普通に損する可能性あり

1と3で述べたことに類似しますが、人生はいろんなライフイベントがあり、冠婚葬祭で主催者側になれば大きなお金が動くでしょうし、結婚、マイカー、住宅、学費など割と避けれないことが定期的にやって来ます。その時に、高い金利でお金を借りれば結局その利子が、投資で得る利息を上回ったりなんかすれば、それでいて相場が悪く元本でも割れたりしたら総合的に結局損をする可能性もある。机上の空論ですけど、無くは無い。

積み立てNISAは非課税期間が20年で、非課税期間終了時に元本割れしており、損をして終わりたくないため、さらに続ける場合は課税口座に移行することになるが、そこから頑張ってもう10年続けたとして、最終的に手放す(売りに出す)とき、元本より損をしている状態の販売価格から上がった分も全て利益として捉えられ、税金がかかります。他の口座の黒字利益と相殺できないのがNISA口座。損益通算ができないとはこのことを指します。

一般口座なら株価が塩漬け(元本割れのままになること)から復活したものに税金はかからないとされている。

このようなNISAのリスクは制度発表時に説明が無かったのではないでしょうか。もはや、ごちゃごちゃ考えるのが面倒なのがNISAです。

 

5 投資信託がお勧めできるかは言い切れない

投資される方の心理やスタイルもあるかもしれませんが、赤の他人にお金の運用をまかせる投資手法自体が投資でも何でもないような気がする。

投資の目的は、確かにお金が一番かも知れないが、企業や商品を応援したり、将来性などの期待を込めて投資するものであって、

投資信託と言うワケも分からない謎の商品にお金を出すのことに気持ち悪さがあります。商品例「アメリカ高配当株厳選組み合わせ」って?福袋的なイメージ・・・

投資の原点から考えて、投資信託自体を勧めない投資家や本なども出ています。

私も最初に勉強する時に読んだいくつかの本では投資信託は推奨されていませんでした。

投資信託の性質に納得して投資をしようにも、そもそもNISAは指定された銘柄からしか選ぶことは出来ないので、深く考えて投資することをあまり前提にされていない感じが投資でも何でもない気がするのが正直なところ。

 

6 NISAがお勧めできない理由まとめ

まとめになりますが、最後にもう一言二言、言わせてください(笑)

国や多くの人が「やろう!やろう!」となっている時は、一度冷静になって、その逆の意見にも一度耳を傾けてみる必要があります。新型コロナワクチンにも同じことが言えましたけどね。

やらなきゃ損というのは余計なお世話だ。

投資信託は本来の投資の「魅力」が最も小さい部類の投資である。

途中解約できないiDeCoもリスクあり。

人口減少や先行き不安定な情勢で敢えてやらないのも立派な選択肢。

NISAは微妙だが新NISAは少し魅力に感じてしまうところが、なおのこと一歩冷静になる必要性がある。

制度がごちゃごちゃめんどくさい!ていうか税金払うから普通の課税口座で良い。

証券会社にとってはNISAなんて全然うまみが無い。

新NISAが登場したように、この先5年以内に何らかの非課税投資制度改革がありそうな気がする。改悪も想定すべし。

NISAが目的ではなく、資産形成が目的。手数料だ税金だ騒ぐなら、投資をすべきか否かを考え直すべき。

流行は危険。LINE証券とか、めちゃくちゃ流行らせようとしましたけど、LINEアプリ持ってる人なら少額で簡単に始められるという触れ込みでしたが、速攻で撤退してませんでしたか?投資はアプリをダウンロードする感覚でやるものでも流行でやるものでもありません。

 

いずれにしても投資には覚悟と勉強とトライ&エラーの繰り返しが求められる。

富裕層はNISAにあまり興味がなく、目もくれていない。

人が「やるべき」「やらないべき」と言ったから決めるのではなく、自分自身の判断で決めるべきであり、上手くいかなかった時に人のせいにしてはならない。これは絶対。自己責任ということ。

 

いかがでしたでしょうか。ここぞとばかりに書きましたが、投資自体がワクワクして楽しくて仕方がないとか、若い時は敢えて質素に暮らしたいため手元に現金を置いておきたくない方などは、NISA等の制度も含む投資が向いているタイプの人もいますので、色々と考えていただくきかっけにしてくれれば幸いです。

ではまた!