さようならSPAトレイル
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
出会いと別れの季節ですが、今日はお別れのニュースです。
SPAトレイル四万to草津、略してSTSK。
無くなってしまうみたいですね。皆さんはご存じでしたでしょうか。
私はこれを聞いた瞬間、とてつもない淋しさと虚無感を得たと同時に、無くなる前に出場しておいてよかったな~、としみじみ思いました。
例えるなら、ドラえもん6巻の感動回『さようならドラえもん』の泣けるシーンくらい、ぽっかりと心に穴が開きました。
これ、小学生の頃読んで泣きました。子供ながらにこれはグッとくるものがあります。画像は、ドラえもんが未来に帰る日が来て、のび太と過ごす最後の夜です。
ジャイアンを打ち負かしたのび太が眠りについた時、それをそっと見守るドラえもん。
見てください。画像の上と下でのび太の布団の位置が2mmほどズレているのですが、これはドラえもんがのび太に布団を少しかぶせてあげてから、タイムマシンで未来に帰っていたんです。この優しさがまた涙を誘う1コマです泣
失うと初めて気が付く大切さ。なんて言葉を耳にしますが、
9年間続いた歴史ある楽しいトレラン大会が無くなることは非常に残念で名残り惜しいです。今改めて「ありがとう」と御礼を申し上げたいと思います。
私が出場した時のSPAトレイルの概要はこんな感じです。
SPAトレイル
エリア:群馬県吾妻郡中之条町
開催時期:6月
レース名称:SPA TRAIL Shima to Kusatsu 2019
運営:スパトレイル実行委員会 中之条町、草津町
距離:72.6㎞ (56㎞、35㎞の種目もあり)
累積標高差:4,613m
制限時間:13時間
ちなみに私が出場したのは2019年大会で、記録は12時間36分44秒。
制限時間ギリやん!(爆笑)
コースプロデューサーは、あの鏑木さん
よくこんなルート考えたよな~と感心するほど、四万温泉から草津温泉へ駆け抜けるコースはバリエーションが豊かで冒険感がハンパない!
野反湖
そして、このコースの最大のハイライトは、ちょうど中間地点あたりに鎮座する広大な「野反湖」をぐるりと走破できるところだろう。
突然開ける視界に息を飲む展開。ここだけは疲れも吹っ飛ぶ。
はてさて、ではこのSPAトレイルはどうして終了してしまうのでしょうか。
発表されている内容を一部引用します。
スパトレイル〔四万to草津〕大会終了のお知らせ
~9年間の応援ありがとうございました~
2014年から始まった大会は、参加者延べ6,500人、
ボランティアスタッフ延べ3,500人の皆様に参加いただきました。
心から感謝申し上げます。
本大会は2022年をもって終了することになりました。
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スパトレイル〔四万 to 草津〕大会長 中之条町長 外丸 茂樹
スパトレイル〔四万 to 草津〕実行委員会 実行委員長 田村 亮一
大会スタッフは高齢者が多く、長期間にわたる大会の準備、長時間に渡る大会運営に体力の限界を感じていました。しかしながら、少しでも交流人口の増加と地域活性化に寄与しようと、継続するにはどうすべきか話し合い、頑張って参りましたが、今後の大会開催は困難であるとの考えに至り、やむなく大会の終了を決定しました。
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大会プロデューサー 鏑木 毅
長いコロナ禍にて開催できない期間中も、多くの皆さんから「スパトレイル
楽しみにしています」との声を聞くたびに、皆さんがずっと忘れずにこの大会
のこと思って下さることへの感謝とともに、申し訳ない気持ちでいっぱいでし
た。結果としてこのようなかたちで終わりを向かえてしまうのは私自身残念で
なりません。
選手の皆さんが六合集落からの長い上りを越えて、眼前にぱっと広がる真っ
青な野反湖をご覧になった時の歓喜の表情、コース最難関の世立八滝を越えた
時の安堵の表情、そしてゴールの草津温泉での厳しいコースを乗り切った充実
した表情は私にとってもいつまでも忘れることの出来ない思い出です。ーーー
大会プロデューサー 松本 大
大きな事故無く、参加者からは高評価。「地域のパワー」に私自身も感動を覚
え続けたスパトレイルでありました。
イベント自体は終了しますがスパトレイルが発信してきた地域の魅力はこれか
らも私たちの故郷に残り続けます。そして、その魅力を生かして生活する人々
も住み続けますし、地域の未来を担う子供たちも生まれ続けています。
アフターコロナのこれからが本番であり、スパトレイルが高めた地域ブランド
力をさらに磨いていくことがプロデューサーの責務と感じています。
四万温泉まで1時間、草津温泉まで30分の嬬恋村に住んでおります。アウト
ドアスポーツ関係で役に立てることがありましたらお声がけください。引用:SPAトレイル公式HP NEWSより 一部抜粋
公式HPにプレスリリースされている内容と、関係者、プロデューサーによるメッセージのほんの一部を引用させていただきました。
鏑木さんのメッセージを読むと、ああ・・終わったんだな。と感じますが、
ところ変わって、松本大さんのメッセージ笑
「嬬恋村に住んでいるので役に立てることがありましたらお声掛けください」
これに凄いメッセージ性を感じました!
たぶん、本当は納得いってないし、何ならまた開催するよ!くらいのオーラを文面から感じ取ることが出来ました(全然違ったらスミマセン)
このカラーの異なるプロデューサーコンビが、大会の1つの魅力だったのでしょうね。
改めて、大会が終了に至った直接的原因は、高齢化ということとありますが、なんせ72kmの大会は長時間運営になるでしょうし、ボランティアを集めることも大変なことを考えると、そもそも大会が実行できていたこと自体、奇跡的だったのかもしれない。
開催期が6月という梅雨時期なので、レースも雨に見舞われることが多かったみたいで、実際私が出場した年も、スコール級の雨に打たれました。
コースでは、後半60km~田代ザゼンソウ公園から草津温泉スキー場までの区間の一部のトレイルが全体的にシングルトラックであり、雨で状態が悪いところを数百人規模が通過することから、トレイルへのダメージの懸念と、コース修復、もちろん準備も含めると想像できない苦労があったのかもしれない。そもそもが危険なスポーツの部類だから、安全管理や運営が大変なんですよね。
これにコロナ禍の長期開催断念がダメ押ししたか。先が見えない状態は熱意までをも奪ってしまいますからね。ここで言ってもどうしようもないけど、どこまでコロナは罪深いんだろう。
他の大会は大丈夫なんだろうか。
今後新たな大会の誕生にも期待しつつ、
運営に関わるスタッフの努力で大会が開催されている背景を忘れず感謝をかみしめて大会に出場していきたい。
SPAトレイル出場の記事はこちらからご覧ください。
さようなら。SPAトレイル。そしてありがとう。
・・また会う日まで。