南アルプス5座弾丸縦走【南ア 最南部】
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
2021/07/22~24
南アルプス最南部縦走に行ってきました。
下山後に1泊していますが、アルプス山中では夜通し歩き続けたため、登山中における宿泊は行っておりません。(2021年南アルプス南部は全ての山小屋の営業が行われておりません)
トレーニング目的の登山ですので、このような弾丸登山は一般的にはおすすめしていません。
しかし、美しい南アルプスは1座でも登る価値はあります。
登った山は、【易老岳】【光岳】【茶臼岳】【上河内岳】【聖岳】である。
綺麗な水と森の山、南アルプス南部をどうぞ。
ここでは山と高原地図№43「塩見・赤石・聖岳(南アルプス)」を使用しています。
日時:2021/07/21-24 1泊3日
天候:1日目、快晴 2日目、快晴のち雷雨
メンバー:2名
エリア:南アルプス
登った山:易老岳(2354m)、光岳(2592m)、茶臼岳(2604m)、上河内岳(2803m)、南岳(2702m)、聖岳(3013m)
宿泊地:下山後、道の駅「遠山郷」に隣接するコテージで1泊
ルート:易老渡👉易老岳👉光小屋(近くの湧水で給水)👉光岳👉希望峰👉茶臼岳👉上河内岳👉南岳👉薊畑分岐👉小聖岳👉聖岳👉便ガ島👉易老渡
累積歩行時間:約22時間25分
累積歩行距離:約32.6km
累積獲得標高 4,157m
スタート地点までのアクセス:新宿発→新幹線あずさで岡谷→上伊那→レンタカーで芝沢ゲートまで
月に照らされた幻想的な夜行登山
7月22日、4連休の初日もあってか新宿発特急あずさの指定席が満席になるなど、
コロナ禍とは思えない混雑。オリンピック開催の道路規制も考え、電車で行き、
現地でレンタカーに乗る手段にした。車が無いと南アルプスへのアクセスは困難だからだ。
登山口の易老渡まで行くと、駐車場はあと数台駐車できる場所を残しほぼ満車。
山小屋は一切営業していないはずですが、多くの登山客が訪れています。
日没前の19時前にここ駐車場を出発し、登山口へ向かう。
20:00、易老渡登山口到着
登山届けを書いて出すためのプレハブ小屋があります。
易老岳までの登山道整備状況、問題なし。
人は居ません。途中でツエルトで露営している方が居ました。
ヘッドライト電池切れ、最低出力の非常灯で歩けるほどでしたが、
標高1700mあたりから倒木が登山道を寸断している箇所が増えたため
予備用のヘッドライトに交換しました。
最も驚いたのが、稜線に出ても森林限界が無いということ。
光岳まではほとんど森の中を歩かされる形なので、
景観の良い稜線歩きを期待する人にとってはがっかりするかもしれないが、
繫栄したシダ植物や苔むした森は独特の雰囲気があって、
湿気がまとわる南アルプス南部はまさに「水の山」と言えるでしょう。
光岳の山頂直下、イザルヶ岳付近の登山道上にある湧水は本当に美味しかったです。
何杯も何杯もおかわりしました。
易老岳登頂。
光岳小屋付近までくると開けた丘の稜線になります。
木道があり、歩きやすいです。
夜の1時ごろの通過となりましたが、月明かりに照らされ
これまた神秘的な空間でした。
木段の上を歩いているのは私です。
神秘に満ちた世界を歩けるのが夜行登山の良さでもあります。
標高2592m
2:00 光岳山頂、本当はご来光が見れれば最高なのかもしれません。
しかし、月明かりと闇の中に見える雲海が現実離れした雰囲気と
美しいコントラストを見せてくれる。この時間帯でしか見ることのできない風景だ。
南アルプス最南端の夜景。ファンタジーの世界に入ったとしか思えない状況。
雲海の下には太平洋が広がっているはずです。
夜景を見る為だけに山頂を目指すというのもありかもしれない。
さあ、5座縦走するのにまだ2座です。聖岳まで縦走して下山するためゆっくり過ごす暇はありません。
聖岳まで辿り着くも落雷に遭い撤退
うっすらと青く染まる空
これ、稜線上です。森林限界のない山が南アルプスにはあります。
朝焼けも好きな時間帯ですね
黄金の光が差し込む
茶臼岳に到着する手前で、日の出となります。
ここからは、森林限界を超え南アルプスの大きな山々、富士山などを一望できる大パノラマ。
聖岳まで、ハイマツ帯や岩稜帯の尾根を縦走します。
南アルプスの大パノラマ。山がデカい!
茶臼岳登頂。
富士山もこの通り。絶景です。
ここは上河内岳に続く登山道。
上河内岳を登る途中、有名な山岳アスリート「望月将悟」選手とすれ違います。
ずいぶん遠くから道を譲るためにどうぞ!と声をかけてくれるので、
見上げたら望月さんでした。「頑張ってください」とお互いに声を掛け合い、
そのまま、猛ダッシュで茶臼岳に向かっていきあっという間に視界から見えなくなりました。
流石です・・・・
上河内岳(かみこうちだけ)北アルプスの上高地じゃないよ。
上河内岳、聖岳、又は南アルプス全般に言えることですが、
山の1つ1つが大きすぎます!
ピークに登った!と思ったら、「上河内岳の肩」とか「小聖」とか
中ボスの山が1座、2座、立ちはだかっているので、めちゃくちゃ心が折れます。
も~、1座1座がデカすぎる!(´;ω;`)
上河内岳~聖岳の尾根は、人がすれ違うのが難しいくらい痩せていて
滑落したら一発OUTな箇所が点在しています。確実に慎重に歩いてください。
山と高原地図で危険個所と記してある稜線上を夜間に通行することは
絶対にお勧めしません。
南岳
これで4座登頂。
ラスボス、聖岳の直下まで来ました。
「天気が怪しいな・・」
山が大きすぎて気持ちも折れそう。
聖岳。これで5座制覇。
次の瞬間、近くで雷鳴!!
聖岳に登るタイミングから入道雲が大量に発生していて、
山頂13:00頃には雷鳴が響いたため、
周囲にいる登山者も含め、皆逃げるように急いで下山します。
「雷です!下山しましょう!」
9割の方は引き返してくれましたが、1割の方には無視されました・・
急ぐ必要があります。
急いでいますが、滑落危険の稜線なので、転倒したりさせたりしないように、
細心の注意、集中力は全開にします。
樹林帯を下山中、上の方で雷が落ちた音が数度、響き渡りました。
山は昼までに下山するべきとはよく言ったものです。
駐車場に戻れたのは17:30、駐車場を出発したのは19:00なので、
22時間半、ほとんど休むことなく歩き続けました。
補給は、ナッツ類、梅干し、ハチミツ、エナジージェル等、
歩きながら食べられるもので賄いました。
水分は3リットル持参しましたが、全然足りません。
湧水で補給できるポイントがありますので、そこで都度、
完全補給するようにします。
ルートと行程にもよりますが湧水が枯れていたら、諦めて下山するくらいの方が
良いです。どの登山者も2.5リットルのペットボトル2つくらいをザックに
積んでいる様子でした。
水を多く持参するのであればペットボトルよりもプラティパスの方が個人的にはおすすめですよ。
山小屋は全て閉鎖しています。水分、食料を調達することはできません。
下山路で通過した、便ヶ島方面のルートですが、登山者が多い割に
倒木などで非常に荒れており、倒木をよじ登ったりくぐったりしている間に、
ヤマビルに喰われていたようで、駐車場で着替えをした時に
血だらけの足に喰いつくヤマビルに悲鳴を上げた私です(笑)
止血部分がソレ
ソックスとスパッツで完全に肌を隠していたのにかかわらず、
スパッツの足首ファスナーがわずかに開いてしまった隙間から
入り込みやられてしまっていたようです。
皆さん、標高の低い樹林帯で、膝をついたりしては危ないです。
休憩もしないほうが良いです泣
この山域を登られる方、くれぐれも無理はしないようにしましょう。
エスケープが難しいので、体力と相談してよく計画を練ってください。
今回の登山の詳細はこちらで報告しています。
ではまた!