遭難多発エリア攻略 両神山/天理岳【奥秩父】
久々に、やや厳しい登山となった。
奥秩父の低山は油断できない。
2021年のゴールデンウイークに、遭難多発エリア、両神山を擁する天理岳の稜線、
天武将尾根を縦走してきました。
今回の登山は山と高原地図№26「雲取山・両神山」に収録されているエリアになります。
山と高原地図でみると、両神山をぐるっと登るのに採用したくなるルートであるが、
破線ルートで表記されているものの、登山道とは思えず、とても不明瞭。
滑落にも注意しなければならず、ぜったいお勧めしません。
ルートの上半分が破線ルートであり、天理岳のところでルートミスを起こし、思いっきり脱線しているのが分かる 汗
しかし、地図読み、終日歩ける体力、GPS持参、バリエーションに慣れている方にとっては面白い登山になると思います。ご参考までに。
特に、地図の上半分「天武将尾根」の部分については詳細に報告したい。
何はともあれ、
無理な登山はやめよう
・・この一言に尽きる
ご覧ください。
今回の登山の概要
日時:2021/5/1(土) 日帰り
天候:晴れ (下山直後に雷雨)
メンバー:1名
エリア:奥秩父 両神山エリア
登った山:天理岳、両神山
宿泊地:なし
ルート: 日向大谷口バス停👉樽尾沢峠(奈良尾峠)天理岳(軽食)東前岳(軽食)両神山清滝小屋会所日向大谷口バス停
累積歩行時間:約7時間52分
累積歩行距離:約12.18km
累積獲得標高:1,434m
登山口までのアクセス:関越自動車道、花園ICより秩父市街を経て日向大谷口付近まで(無料駐車場)誘導員あり
滑落注意!ダイナミックな稜線歩き
他の方の記録では、もう当面、稜線は歩きたくないなどという書き込みもありましたが、
私はまた行きたいなと思っている。
ワイルドな稜線歩きを楽しめるが、ワイルドということは、不明瞭でもあることを付け加えておきます。
2021/05/01(土)
ゴールデンウィーク初日。両神山の駐車場は、有料、無料も合わせて40台くらい駐車できるが、私が訪れた朝8:00で9割万満車!
誘導係のスタッフが駐車位置を案内してくれます。
スタート地点
ここに登山口があります。
通行止めルートあり
七滝沢ルートは崩落のため通行禁止。ここも遭難が出るエリアだ。
昭和感あるわぁ・・
既に営業していない民宿を通り越していきます。
奈良尾峠方面に進む
さらにマイナーなルートに進む。もちろん、向かうのは私ただ一人。寂しい(笑)
既に道が荒れているので、嫌な予感が感じられます。
登山道上に鹿の糞がまばらに落ちている。
踏み後は薄い。
奈良尾峠(樽尾沢峠)方面に進むも、道は不明瞭。
地図を確認しつつ、危険な場所を避けるようにして進む。
私が地形図に沿って適当に線を引いたGPXルートからあまり外れないように・・
それでも稜線に出る手前の斜面ではほぼ四つん這いに這い上がっていった。
道迷い、滑落注意。
このように、不明瞭なので、地図、コンパス、GPS、標高確認などは必須と言えます。
5月1日。アカヤシオ(ツツジ)が美しい。
写真の人物は、私です。
稜線に出た!ここからはワイルドな稜線歩き。
基本的にはほぼ稜線沿いに歩く。
雷が来たら逃げ場が無い感じですね。
サルの腰かけ
天理岳に到着
10:22 順調
ちょっとだけ開けたスペースが天理岳山頂。もちろん誰もいない。
祠がありました。
秩父、奥多摩方面を望む。
山が深い。ここまで来てしまったら、そうそう抜け出せないね。
軽食タイム
山を眺めながら、塩豆大福を食べる。これ、大好物。
両神山がまだずーっと遠いぃ!不安しかない(笑)
辿り着けるのか・・・
天理岳の先で道迷いを起こしました。
はっきりと新しめのテープに誘導されてしまい、どんどん標高を下げ、
GPSによるルート逸脱の警告で我に返る。
一見、正しいルートにみえる。
きっと、稜線は危険だから遠巻きにトラバースするのかなと期待するが、
方角が全然違うので、泣く泣くもういちど登りなおす 泣
(突然、テープの目印が出てきてまんまとダマされました)
GPSがアラーム鳴らしながら警告し、やがて完全にルート外になりナビ中断となる。
標高差200mくらい登り返して心が折れかける。
天理岳付近に戻ったところで、もういちどよーく目を凝らし
地図と方角、GPSのルートを頼りに稜線沿いを進む。
たま~に、薄いふみ跡、古いテープがある。
シロヤシオが「頑張れ!」て応援してくれている。
ルート復帰!
痩せ尾根の連続
ルートを逸脱しないように、慎重に進む。尾根を取り違えないように。
こまめなGPSチェック、ナビルートから200m以上外れないように心がける。
しかし、地形は地図を見ないと判断できないので、
いずれかに頼りすぎるのではなく、慣れない道は、周囲の目視、地図、GPSをバランスよくチェックし、総合的に判断するのが良いのではないか。
滑落注意ポイント!
岩登りを強いられるところでは滑落に注意。
こんな岩を登らせるのか!
破線ルートは登山道と思わない方が良い。
この岩の左右に落ちれば谷底だ。
落雷で焼け焦げた倒木。
思わず白目になる急登。
もうすぐ、両神山の稜線に接続するのだが、この最後の登りがキツイ!
突然、こんなのが現れてビビる。
こっちで合ってるよー!って言ってくれているようでもある。
美しい花や、素晴らしい景色を眺めながら、折れそうな心を懸命に励ます。
ようやくメジャールートに接続かと思ったら、目の前にロープが。
なるほど、遭難多発で、人が行かないように注意を呼び掛けているのですね。
確かに、誰ともすれ違いませんでした。
東前岳で再び軽食をとり、両神山へ。打って変わって道は明瞭。
よし!到着!
両神山に到着。13:49
山頂周辺はこんな感じ。狭いですぞ。
奥にみえるのが、八ヶ岳の名峰「赤岳」
両神山が鎮座する位置が絶妙で、
関東、甲州、信越の山々が四方八方よりどりみどり。
ここからが下山ルートであるが、
メジャールートにつき、今回はほとんど割愛する。
しかしながら、
神々が宿るといわんばかりの雰囲気。それが両神山。
人を寄せ付けない独特の雰囲気がある。
景色の美しさと、滑落遭難が多いことの組み合わせがそう思わせるのだろうか。
決して渡ってはいけない!
渡りたくなるような倒木の架け橋。
落ちたらもちろん、アウトだ。
著:小山ゆう『あずみ』で見た景色と同じ!
命の綱渡り
一流の忍者、飛猿でさえ、渡るのを躊躇。
渡り切れなかった者の末路。
こうなりたくはない。最後まで滑落に注意だ。
少し、怖い危ない話ばかりでしたが、
このように木漏れ日が美しい、気持ちの良い登山を楽しむことだって出来る。
ゴールが見えた!無事の下山に胸を撫でおろす。
日没まで1時間を残して下山。割と苦戦したが許容範囲。
この直後に激しい雷雨。危なかった。
景色はてとも良い山でした。
地図読み練習登山にも良く、また足を運びたいですね。
繰り返しになりますが、バリエーションルートに慣れていない方には絶対にお勧めしません。
メジャールートの方をご利用ください。
奥秩父の低山は簡単には歩かせてくれないようです。
これからも色々なルートを試してみて、紹介していきたいと思います。ではまた!