飲む点滴、甘酒は山岳アスリートにもおすすめ
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
日常はもちろん、宿泊を伴う登山でも必ずと言っていいほど飲んでいるもの。
今日はそれを作り方も含めて解説していきたいと思います。
私は、「米」と「甘いもの」が好きです。
これを合わせると・・・・・
そう!甘酒ですね!
尚、作り方だけでなく
題名にも書いてある、甘酒が”飲む点滴”と呼ばれる所以と、
山岳アスリート(登山やトレイルランニングをされる方々)に
おすすめする理由についてもお話していきたいと思います。
楽しい楽しい甘酒づくり。
「甘酒を1から作ってみたいな」と思った方は、是非お読みください!
米は、チカラじゃ!!
甘酒は作り方は簡単だが時間がかかる
実は、甘酒のつくり方には無数のレシピがあってそれによって出来上がりが違います。それに加え分量も好みで変えていくことで異なる美味しさを楽しめます。
甘酒になるための発酵のメカニズムさえ守れば色々な甘酒が作れます。
ここが甘酒づくりの面白いところでもあります。
代表的なものは、お米と米麹から作るのが一般的ですが、
お米の代わりに、もち米にしたり、玄米にしたり、
米麴だけで作る方法もあります。又、酒粕からつくる甘酒もあります。
と、このように色々な作り方があるんです。
甘い酒と書いて甘酒ですが、
甘酒には、お酒も砂糖も一切、使っていません! ※酒粕から作る場合は若干アルコールが含まれる
なのに、どうして甘酒はこんなにも甘いのか・・・?
甘酒は、通常お米から作りますが、
お米はまったく甘くないですよね。
これは、米麹の発酵作用でアミノ酸の一種である”アミラーゼ酵素”が生成され、お米の「でんぷん」をブドウ糖に変えていくことによってあのあま~い味になるんです。
つまり、発酵の過程で甘くなっていくんですね。
砂糖と違い、自然でさっぱりとした優しい甘さの甘酒ですが、この甘さになるまでにはとても時間がかかります。
・正しい温度で
・時間をかけて
これが甘酒を作る上での最重要ポイントです。
では、説明はここまでにして、さっそく作っていきましょう!!
Let’s Cooking♪
正しく発酵させていきましょう。
まずは、食材から
たったこれだけ
左から、水(ミネラルウォーター)、米麹、もち米です。
食材 |
水・・・・400ml もち米を炊く用 |
水・・・・200ml 炊き上がったもち米を冷ます用 発酵中温度下げる用 |
米麹・・・150g 乾燥米こうじを使用 |
もち米・・1合 |
水は水道水で全然問題ありません。ミネラルウォーターの方が美味しく炊き上がるので、こちらを採用しています。
お米を炊く水は、通常より多めの水を用意します。やわらかめご飯~お粥に近い仕上がりを意識しています。
お米は普通のお米で全然問題ありません。私がもち米を採用しているのは、もち米にすることで粘りのある仕上がりになることと、お米の粒感が残り、それに伴って甘みも強いような気がするので私はもち米派です。
米麹は、生と乾燥のタイプがありますが、スーパーでも手に入れやすく使いやすい乾燥タイプを使っています。
お米と、米麹の割合は、作る人によって様々ですが、
概ね以下の割合がレシピサイトなどで見受けられます。
お米:1合 米麹:100g
お米:1合 米麹:200g
お米:1合 米麹:300g
ということで、お米1に対し、米麹が1~3になります。
米麹の方が多くいれるケースが多いようですが、意外とアバウトですよね。
私は、お米1合に対し、米麹が150gです。
これは、300g入りの米麹を買っているので、150gにすることで、2回作れるのでそうしています(笑)アバウト。
でも、これで激甘おいしい甘酒が作れます。
とにかく、上記の範囲で作れば無難です。
お米(ブドウ糖)の割合が多くなるほど、甘くなり、米麹の割合が多くなるほど、さっぱりとした甘酒になると考えます。これは、色々な分量を試し作りながら自分の理想の味を最適な分量としていただければと思います。
あと、これは単に分量だけの問題ではなく、発酵の方法や温度、発酵させる時間によっても味が変わってくるので、”何が正解なのか” 難しいところでもありますね。
ちなみに発酵させる時間は、「8時間」です。
そして、作り始める下準備として
熱湯消毒
発酵時に使う「ふきん」、それから「木べら」「保管用タッパー」「温度計」などを熱湯消毒させておきます。
もともと清潔なものを使うのは大前提ですが、甘酒は菌を発酵させる調理。
衛生管理や発酵の温度管理を誤ると、ブドウ糖などをエサに ”雑菌” まで繁殖してしまうことに。
「 失敗作 」 が完成してしまう恐れも・・・
そんなデリケートな甘酒であるが、ズボラな私でも失敗したことは無いので、そこまで神経質にならなくても良いかもしれません。
特にもち米はしっかり研ぐ
お米を研ぎます
炊飯器に投入
ここで1合のお米に対して多めの水、400mlを入れて、
スイッチ、オン!
炊きます。
炊き上がり
柔らかめご飯とお粥の間ぐらいの柔らかさに仕上がりました。
55℃~65℃を死守!!
炊き上がりは非常に熱いので、冷ます用の水200mlを少しずつ加えながら、60℃になるまで調整する。
ちなみに水は全部入れず、温度が整い次第、ストップする。
この温度管理が一番重要である。この60℃を保つことだけがコツである。
許容範囲は±5℃ 65℃を超えれば糀(こうじ)菌は死滅し、55℃を下回れば糀菌による発酵は進まず、代わりに乳酸菌などだけが増え味がすっぱくなり甘酒とは別の物が出来上がる・・・
米麹の投入!
温度が60℃になったことを確認し、ここで米麹150gを投入する。
よ~くかき混ぜること
ここでよくかき混ぜることが大切です!ムラなく発酵させるために・・・
4時間が経過・・・
麹を混ぜた時に温度が少し下がったので、温度が60℃になるまで、炊飯ジャーの蓋をした状態で保温しました。
経過は良好
温度が60℃近くなったので、
清潔な濡れぶきんをかぶせる
温度の上がり過ぎを防ぐためにも、炊飯ジャーの蓋を開けた状態で、代わりに濡れぶきんをかぶせて、しばらく発酵を促していく。
機種にもよるが、うちの炊飯ジャーは、蓋をして放置すると80℃近くまで上がってしまい、これでは糀菌が死滅してしまう。
とにかく、55℃~65℃を死守してください。
6時間たったが、全然甘酒の甘い匂いがしてこない。
発酵の途中段階では、甘い香りも味もない。
おおむね、6時間以上経過してようやく、発酵してくれるのだ。
8時間経過
ようやく出来上がりました。生甘酒の完成です!(^^♪
仕上げの技「火入れ」
完成した甘酒を鍋に入れて、3~4分中火で煮立たせます。
これを、” 火入れ ”と呼びます。
火入れをすることによって、糀菌は死滅してしまいますが、(もう発酵させないので構わない)
さらに、味がぐっ!と甘くなり、味の持ちが良くなることで、冷蔵及び冷凍保存でしばらく楽しめます。
すぐに食べずに、保管をするのであれば、「火入れ」をおすすめします。
(1週間程度以内に召しあがってくださいね)
タッパーに保管
これが甘酒の原液。これだけでも勿論美味しい!
わたしは、この原液に1:1の割合で水を足して飲む前に軽く煮込んで楽しんでます。
さっぱり優しい甘さの甘酒がたっぷり楽しめます。
ほっと、いっぷく
発酵時間は8時間が目安ですが、7時間でも普通に美味しくできました。
私は、一年中飲んでますが、特に冬場は常時炊いており、いつでも飲めるようにしています。
要点
炊いたお米に米麹を混ぜて、8時間発酵。
発酵の間、温度は55℃~65℃を厳守する
要点は以上です。材料や分量云々よりも大切です。
甘酒は飲む以外にも、ヨーグルトに混ぜたり、砂糖の代わりとして、煮物に入れたり、卵焼きや、ホットケーキなどに入れるなどの使い方も出来ますよ。よろしければお試しください。
余談ですが、酒粕からつくる甘酒は、まったく甘くならないので、甘くするには砂糖をたくさん加える必要があります。牛乳を入れたり、日本酒や焼酎などをいれたりして飲みます。アルコールの入った甘酒は酒粕から作るのが向いているかもしれません。好き嫌いが分かれそうですが、酒粕の風味とさっぱりした大人の味になります。お米から作る甘酒とは作り方がだいぶ異なるので、甘酒の番外編としてもらうといいかもしれません。
コラム 甘酒は何故、飲む点滴と呼ばれるのか
甘酒は飲む点滴と呼ばれており、その理由は栄養価が高いからです。
私達がスポーツの前にもよく摂取するアミノ酸群が豊富で、これがバテ防止に一役買うということなんです。砂糖が一般に流通する前(江戸時代)から、甘いものとして飲まれていた甘酒は、主に夏に飲まれていたそうなんですが、バテ防止やその回復のために飲まれていたんですね。なるほど納得。
トレイルランレースでもよく甘酒はふるまわれますが、とあるレースに出た時、
これは9月のレースだったのですが、まだ蝉の鳴く9月中旬、
ゴールしたところで、スタッフが甘酒をふるまってくれたんです。
甘酒大好きな私は大喜び。
ところが、その横で苦言を言う選手がいるではありませんか。
「なんで温かいんですか!冷たいのはないんですか!」
といって、甘酒を受け取らなかったんです。
スタッフは、「すみません・・」と残念そうです。
冷たいものを飲みたい気持ちは非常に分かりますが、
夏であっても温かい飲み物のほうが体には優しく、ましてはバテ防止の甘酒は、レースで酷使した体にはありがたい飲み物なのに勿体ないなぁ。と残念な気持ちになりました。
栄養価が高いからこそ、レースでもふるまわれるのです。
登山やトレイルランニングなど過酷なスポーツにお勧めです!
豊富なアミノ酸の摂取と体を暖めることは山岳スポーツにおいて有効と言えます。
山の中で飲む機会があれば是非、飲んで景色と共にホッと一息ついてくださいね。
作り方については、今後youtubeでも解説していきたいと思います。
ではまた!
私が愛用している”ますや味噌”の乾燥米麹
もち米は1kgのサイズを買っています