2025年版「社会人のストレス事情」「ストレスマネジメントの基礎」
現役世代の方は、会社員などのサラリーマン、経営者、自営業など、働いている方がほとんどかと思います。
報酬を得て、働いている以上、仕事に対する責任がプレッシャーとして、重くのしかかっていると感じてしまうもの。
現在、約80%もの労働者が、何かしら強いストレスを抱えた状態であることが国の調査結果で報告されています。
ひょっとして、自分はストレスに弱いのか?
こんなに悩んでいるの、自分だけ?
強いストレスを抱えた時、どうすればよい?
このような不安や悩み、少なからずあると思います。
私の労働衛生関係の業務経験や、統計や調査内容から、2025年最新のストレス事情と対策について、知りうる最新の情報をお伝えします。
お読みいただけたら嬉しいです。
今、8割の社会人がストレスを抱えている

パソコンの処理性能は上がり、素早く仕事ができるようになりました。
インターネットも進化し、オンラインで解決できる仕事が増えました。
AIも登場し、何でもすぐ調べることができるようになりました。
なのに、社会人のストレスは増加傾向にあります。
なぜでしょう・・?
便利になればなるほど難しい社会になっているような気がして、複雑な心境です。
事実、労働者の8割は何かしらの強いストレスを抱えていて、
令和5年度の厚生労働省の労働衛生統計によると、過重な仕事を要因とする、心疾患・脳疾患による死者が58件、自殺が79件と、死亡者に関してはほぼ横ばいだが、
労災として精神障害が認められた件数は883件と、圧倒的な右肩上がりとなっており、問題視されている状況です。
※厚生労働省 職業病対策室調べ
厚生労働省も、精神疾患の労災認定基準を精査したり、方針を明確に立てて、かつ認定の速度も上がっていることが、認定件数増の裏付けだと私は考えていますが、
それだけ、社会も仕事によるストレスについて重要視するようになったり、クローズアップされるようになっていると言う事です。
「責任感」がストレスの要因の割合として大きいのであれば、よく対策として考えられている有給取得推進だけでは私は十分だとは思えず、複数の対策を重ね合わせることが絶対に必要だと思っています。(有休取得している間に勝手に仕事が解決できるとは思えない)
さらに、自分自身でどれだけセルフカバーできるか、がこれからの時代、特に必要で、早め早めの対応と、知識の取得をするように心掛けてほしいです。
自分は自分で守ってください!
ストレスの原因

「会社に行くのが怖い・・」それが頭をよぎるのであれば、強いストレスがある状態です。
仕事のストレスとはいったい、どんなものなのか、以下にまとめます。
・レベルに合わない(能力以上)仕事を抱えている
・とても捌き切れない大量の仕事を抱えている
・約束の納期が短く、かなり急がなければならない仕事を抱えている
・絶対に間違えてはいけない、質の高い仕事を抱えている
・上司または顧客が怒られるのが怖い(日頃から怒られている)
細かく上げると、もう少しあるのですが、おおまかに、こんなところです。
会社も営利をあげないと行けないので、これのいずれかにぶち当たる可能性は高いです。
この中で2つ以上当てはまっていたら、黄色信号です。
ストレスの対処法

ポイントは、いかに早く気が付いて、未然に対処できるかが最も重要です。
心療内科や薬に頼る前に、セルフチェックの段階で解決できることを望みます。
セルフモニタリングで、自分の今を知る。自分カルテを作るその手順として、
①何がストレスの原因となっているのか?具体的に書きだす
仕事のことを思い出すのは嫌かも知れませんが、対処する以上、必要になります。
これらを書き出すことが出来たら、
②どのような感情的な反応があるか、体調の変化があるかを書き出す
悲しい、つらい、恥ずかしい、腹立たしい・・ストレス反応を示す感情も様々です。客観的に評価出来れば、冷静に感情を整えることが出来るかも知れません。
眠れない、涙が出る、頭が痛い・・など、それによる体調の変化も気が付くことで、必要な対処が自分なりに考えられるし、医師にかかるときに必要な情報にも繋がります。
③逃避・回避行動に出る
①、②の問題の内、かかわらなくて良い嫌なことについては、なるべく避ける、逃げる、関わらないようにして距離を取る。そしてストレスを下げる。
逃げるという選択肢はいつでも持っておくだけでも気持ちが楽になるので良いと思います。
④ジャッジする
①、②、③、の結果、上手にやりくりしながら立ち向かえるか、本気でヘルプを出して、休職を視野に入れるかの判断をする。
通常の休養やストレス発散で対処できそうか?完全に休業したり、医師にかかったほうが良さそうか、判断することになりますが、
ここまで、自らが冷静にセルフチェックできるのならば、上手くリフレッシュしてストレスをマネジメントしていきましょう。
ストレスの発散法

ストレスの発散法は ”良い方法” と ”悪い方法” があります。
先に悪い方法を言いますと、お察しはついているかとおもいますが、
・過度な暴食(食べ過ぎることによるストレス発散)
・過度な飲酒(嫌なことを忘れるためにとことん酔う)
・過度な課金(ギャンブルや衝動買い)
・過度な異性への執着(不適切な人間関係)
特に大きなストレスを抱えていたりすると陥りがちなストレス解消法で、気持ちは分からなくもないですが、一時しのぎにしかならず、むしろ後々問題になることばかりで、リスクの上乗せでしかありません。
”ほどほど” ならまだ良いのですが、いずれも依存性が高く、注意が必要です。
ストレスが平常であれば、冷静にコントロールできるかもしれませんが、
既に高ストレス状態でのストレス解消を考える時、これらは断ち切りましょう。
ところかわって、良いストレス発散法というのは、先ほどの悪いストレス発散を、ほどよく抑えたものになります。挙げていきます。
・美味しいものを食べに行く
・ゆっくり睡眠をとる
・趣味に没頭する
・音楽を聴く
・体を動かす(ウォーキングや軽いジョギング、散歩、ハイキング)
・人に話を聞いてもらう
・車でドライブする、電車で遠出してみる
・漫画、映画、ゲームをする
・温泉にゆっくり浸かる
一言で表すと「趣味に没頭する」でまとめられそうですが、ざっとこんな感じです。
何をしても楽しいと感じられない場合は、しっかりと睡眠をとった状態で外で朝日を浴びたり、静かに音楽を聴いたり、少し近所を歩くだけで、少し時間はかかるかもしれませんが、徐々に元気を取り戻すと思います。なにより睡眠不足は一番ダメです。
それでも気分転換が出来ない場合は、医師にかかることをおすすめします。
ストレスが重症化していない場合は、上記の発散方法がだいぶ効果的だと思います。これらの発散法、よく見てみると、組み合わせることができるからです。
信頼している方と一緒に、外に出かけて、美味しいものを食べて、話を聞いてもらって、ゆっくり休む。という具合に。
小さな幸せの組み合わせ。是非やってみてください。
仕事のストレスの解決方法

休みの日にリフレッシュは出来たとはいえ、仕事の問題が勝手に解決できているわけではありません。
難しい仕事に、迫る納期。売り上げの目標。難しい壁が立ちはだかります。
理想は、上司などに正直に、率直に相談できる関係が一番なので、多少仲が悪くても、上長の誰かしらに勇気を出して思い切って相談してほしいです。
その上で、私なりの解消方法を挙げていきます。
・解決するべく問題点を洗い出し、書き出す
・優先順位を書き出す
・早朝に出社し、速攻で取り掛かる
・解決できなそうなことは上司に報告し相談する
問題点を正確に把握し、優先順位を整理して、優先順位の高いものは後回しにせず速攻で取り掛かり、必要に応じて上司又は経営者にサポートを申し出ることで大抵のことは良くも悪くも解決に向かいます。
先に優先順位を書き出しておいて、早朝スタートダッシュの良いところは、前向きな気持ちの時に集中して仕事にとりかかれるので、本当にお勧めです。
そしてその一連の行動を上司は見ています(少なくとも誰かは見ています)
まとめ

誰かがやってくれるだろうという思いや、後回しするという考え方では、残念ながら解決は難しく、責任からも逃れられず、高ストレス状態に一直線です。
ストレスはセルフチェックの段階で、いかに早く自分の今に気が付けるか、対処できるかが一番大切です。
重症化してからでは、回復に時間がかかったり、元の状態になかなか戻れなくなってしまうこともあります。
それは会社側の責任かも知れません。
しかし、仮に労災認定されたところで、あなたの体が元通り回復することはなく、心の傷は癒えないままかもしれません。
ストレス社会真っ只中、メンタル不調も早期発見、早期対処したいですね。
自分が辛いまま、放置するのはダメですよ? ではまた!