冬の山で欠かせない「湯たんぽ」
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
まだまだ寒い冬が続きます。
このような寒い時期も、泊りで山を歩く登山者は多いです。
厳冬期の雪山を登るような方は、十分体温の管理をされていることと思いますが、
冬のアクティビティとしては比較的、雪などの少ない低山或いは冬キャンプを楽しまれる方が多数派であると思う。
中には寒さへの対策が十分でない登山者が居るのも事実です。
湯たんぽは山でもおすすめ
私自身が軽装派なので、あまり人様のことを言えたもんじゃないのですが、
山小屋で小屋番などをしていると、厳冬期であることを承知しているのにもかかわらず
「思ったより寒いな・・」
と寒さに震える登山客がいたりします。
私の勤める山小屋では1月で日没後の外気温がマイナス3℃~15℃くらいで推移しているので
小屋内も暖炉の周辺を除けば氷点下近くまで底冷えしているはずです。
(北側の窓際でペットボトルの水が凍ります)
寒い時はダウン及び冬用インナーの重ね着などで調節されていると思いますが、
そんな時に便利なのが「湯たんぽ」です。
熱湯に近い温度のお湯を入れておくだけで、かな~り温かいので個人的には冬のアウトドアでの就寝時に超オススメです。
ただ、写真のようにやかんから少なくとも1.5L以上のお湯が必要となるため、
テントを担いだ冬山テント泊の場合だと、荷物やお湯の確保の関係で利用が難しそうですよね。
ひるがえって、山小屋やコテージ、平地キャンプなどであれば、荷物のキャパシティや、お湯の確保のハードルが下がるため、そのようなケースでは湯たんぽが大活躍するであろう。
写真のタイプのプラスチック材質ではなく、ソフトで柔らかく持ち運びしやすい湯たんぽも販売されていて、ザックなどに積む場合はそういったタイプの湯たんぽを選ぶと良いだろう。
湯たんぽの由来
湯たんぽの発祥は中国。文字上では ”湯婆” と表現され、諸説あるだろうが西暦900年頃の中国「唐」の時代からその存在は確認されていたという。
日本では西暦1400年頃、時代で言うと足利家が統治した室町時代。そんな室町時代後期には中国から伝来されていたと考えられている。
ヒーターやエアコンが無い時代。冬は暖をとるのに大変だっただろう。にもかかわらず、当時の湯たんぽは、銅や真鍮など高価な金属製であったことと、直ぐにお湯を作れる環境に無かった一般庶民までには広く普及していない。
本格的に普及していくのは明治以降とのことだ。
私も昭和時代の幼少期、真冬のときの寝る前に母親が湯たんぽにお湯を入れて布団の足元に入れるように渡してきたことがあります。
それが物凄くあたたかくて、ポカポカのふとんで眠ることが出来たので、湯たんぽに良い印象を持っています。
ただ、時代の流れもあってか、石油&電気ストーブにオイルヒーター、電気毛布にホットカーペット、エアコンなどのファンヒーター、床暖房まで、暖かくする手段はいくらでもあり、
湯たんぽの出番は徐々になくなり、やがて完全に忘れ去られた存在となっていった。
うちの子供は湯たんぽを知りません。
時代を経て登山にキャンプに大活躍
似たような用途で、摩擦して加熱させる「ホカロン」などの布製カイロもあるが、直接肌に触れたまま寝てしまって低音ヤケドを負ってしまうリスクがあったりする。
それに比べると、熱すぎるトラブルを引き起こしにくい湯たんぽは、唯一無二の独特の魅力がある。
蓋をしっかり閉め、カバーをかけることで火傷を避けることが出来るし、朝にかけ徐々に温度は下がっていくが、それも緩やかであり、人肌に温められるような心地よさがある。
足元や股下、お腹周りに抱えれば、体が芯から温まります。
引用:新潮社『山と食欲と私』8巻 著:信濃川日出雄 より
さすが「お湯」なだけに、お風呂に入ってポカポカになるような体感がありますよね。
これが湯たんぽの魅力かなあと。
私が愛用する、ポリエチレン素材の湯たんぽのカバーをかけた湯たんぽ。
この湯たんぽに、最大2リットルのお湯を入れることが出来る。
蓋を開けて、この穴の中に ”やかん” などからお湯を注ぐ。
キャンプでは、ほぼ常時焚火をしていて、やかんは常に半沸騰状態なので、夜は談笑しながら湯たんぽをお腹に抱えて活用している。
山小屋でも消灯後、ストーブの火を落とす前にやかんからお湯を投入し、お腹を温めてから、この湯たんぽを枕にして寝ている。邪魔に感じたら足元にそっと置いておく。
5℃を下回るような環境下では、本格的な寒さ対策が必要であり、湯たんぽは思った以上に重宝する。
冬の屋外アウトドアを楽しむ方、今一度湯たんぽをご検討あれ。ではまた!
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