防寒必須!5月の甲武信ヶ岳テント泊
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
5月の下旬に甲武信ヶ岳にテント泊装備で登ってきました。
甲武信ヶ岳は5月GW前後にテント泊を解禁するみたいです。
当然混雑するであろうゴールデンウイークを避け、下旬の週末を狙いましたが、
テントサイトがほぼ埋まるくらいの大盛況でした。
大盛況というものの、夕方には ”耐えられない程” 気温が下がり寒いです。(5℃以下)
日中の汗ばむ陽気に騙されず、冬山のウエアを用意した上で甲武信ヶ岳を楽しみましょう。
冬山装備がないと・・・
引用:漢方相談の一条寺グループさんより
「やっっちまったなぁぁ!」
と、テントの寝袋の中に撤退を余儀なくされることになります。
甲武信ヶ岳を登る理由は、父親の足取りを追いかける為でもありました。
今から55年以上前、父親が大学の友人と甲武信小屋に泊ったみたいで、その写真が額縁に飾られており、
幼少期は気にしていなかったが、大人になり、その場所が甲武信小屋であったことに気づく。
父親が生きている間に、登頂した報告をしたかったのだ。
そして時代を経て、ようやく父親の足取りを追いかけることが出来、感慨深いものがありました。
それでは、Let’s Go!
この登山の概要
日時:2024/05/25(土)~26(日) 1泊2日
天候:5/25(土)晴れ、5/26(日)霧雨、ガス、曇り
メンバー:1名
エリア:奥秩父 甲武信ヶ岳 山梨県
登った山:甲武信ヶ岳(2,475m)、木賊山(2,469m)、破風山(2,318m)、雁坂峠(2,082m)
宿泊地:甲武信小屋 テント場
ルート:
【1日目】
西沢渓谷入口(07:11)・・・近丸新道入口(07:40)・・・堰堤(08:32)・・・合流点(10:02)・・・巻き道分岐(11:26)・・・木賊山(12:06)・・・甲武信小屋(12:20)[休憩 90分]・・・甲武信ヶ岳(14:28)[休憩 15分]・・・甲武信小屋(15:00)
【2日目】
甲武信小屋(05:45)・・・巻き道分岐(05:58)・・・笹平(破風山)避難小屋(06:32)・・・西破風山(07:16)・・・雁坂嶺(08:32)・・・雁坂峠(09:07)[休憩 5分]・・・雁坂小屋(09:22)・・・雁坂峠(09:32)・・・料金所(11:19)・・・雁坂峠入口(11:31)
累積歩行時間:約11時間54分
累積歩行距離:約21.8km
累積獲得標高 : 2,516m
スタート地点までのアクセス: 自家用車で中央道勝沼IC降り、西沢渓谷無料駐車場へ。駐車場はだいぶ埋まっており6:50の段階で残り4台分の空きのみ。
ワンポイント:5月の甲武信ヶ岳山頂付近の最低気温は5℃を下回ります。当然、残雪もありしっかりとした冬山用ウエアを準備する必要があります。逆に、昼間太陽に照らされると暑いです。ウエアリング重要。
ここでは、山と高原地図№27「雲取山・両神山」を使用しています。
山と高原地図 雲取山・両神山 2024 (山と高原地図27) Amazon
私は山梨県側の雁坂峠・西沢渓谷側から登ったため、雲取両神の地図を使いましたが、メジャールートの毛木平側から登るのであれば長野県側の地図を以下の用意した方が良いです。
山と高原地図 金峰山・甲武信 2024 (山と高原地図28) Amazon
ロマンを求め多くの登山者が来るも、熟練者が多い印象だった
甲武信小屋はテント泊の場合も必ず予約が必要です。
公式サイトより必ず予約を行ってください。
公式サイト「甲武信小屋ネット」
甲武信ヶ岳までのルートは西沢渓谷、近丸新道を選びました。理由はトロッコの軌道跡があるらしく、面白そうだったからだ。
マイナールートにつき推奨されていませんが、登りで使う分には特段の支障はありませんでした。地図かGPSがあればまず問題ないかと思います。
実際は、無料駐車場の9割満車の状態で、私と同じ登山道に向かう者は皆無でした。
9割満車 時刻6:40
車止めゲートの先に登山届けポストがありますから必ず提出してください。
近丸新道。はっきりと分かりやすい登山道で、問題なし。
と、思ったら、転倒要注意箇所もありました!
アカヤシオに、深緑色の森 甲武信はまだ春です♪
おお!出た!トロッコの軌跡。だいぶ適当な線路だけど浪漫があります。登りなら結構おすすめできる登山道かも。軌道に沿って歩けるなんて楽しいじゃないですか。下界でそれをやったら犯罪ですからね(笑)
標高1,300~1,500あたりにくると、石英がたくさん散らばっています。恐らくは当時の産業としてこの石英を採掘し運搬するためにトロッコが使われていたのではないでしょうか。
アスファルトに白い文字が書けます(笑)
謎の小屋が突如現れる・・ 昔の休憩所? すぐに立ち去りました。
山と高原地図で「?」になっている場所です。
正面は砂防ダム。直進はできませんから、斜め左の沢を渡渉して、少しUターンし、砂防ダムを超えていくための巻き道を登っていくルートに取り付いてください。ピンクテープあります。
ん、
んん!? 木に喰われている看板がところどころに^^;
メジャールートの徳ちゃん新道に合流
隣のトトロに出てくる森の抜け道のような登山道を歩く
そこにはシャクナゲの花が咲き誇っておりました。
ようやく稜線が近づいてきました。
標高2,000超えてくると、日陰には残雪がちらほら。
木賊山(とくさやま)と呼びます。眺望なし。
しかしここまでくれば甲武信ヶ岳は目前!
甲武信ヶ岳。土砂崩れの跡が見えますね。
甲武信小屋到着。屋根は改修されているものの、築年数が凄そう。
受付の方は親切で、気兼ねなく買い物や質問ができる。
テント泊は1000円(税込み)でやっぱり安いですね。
テントサイト。夕方には隙間がないくらいテントで埋まる。
私は受付を済ませコールマンのツーリングドームを設営。
「珍しいですね」とやはり声がかかる。
今のうちにコーラやビール等の購入をすませておく。
テント場にはまだ一張しかなかったので、自分は2番手のようでした。
山の駅 十文字小屋と雁坂小屋にもいつか泊まりたいですね。
荒川水源と書かれた石碑がある。
そう、ここは荒川水系の源流地。分水嶺とも呼ばれる。甲州(山梨)、武州(埼玉)、信州(長野)をまたぐことから甲武信岳と称されている。ついでに東京奥多摩とも繋がっているため、県境の中心起点として、百名山であることは言わずもがな、関東を代表する山だと思いますよ。
しばらく休憩がてら読書を楽しむ。
14:28 甲武信ヶ岳山頂に着く。 周囲の景色をずーーっと眺めていられますね。
山頂でコーラを飲むのはお決まり。格別!
テント場に戻り16:00 気温が下がり始め、カレーメシとコーヒーで暖を取る。
17:00 寒さ限界、テントの中に戻る。
日没前には皆そろって「寒い、寒すぎる」と口をそろえてテント内に撤退。
ヒートテックのロンT、Tシャツ、ミッドレイアー、フリース、ゴアテックスレインウエア、全部着た。
足にはレッグウォーマーなどで「まだちょっと寒いな」と感じるが、なんとか耐えられるレベル。
ビールはキンキンに冷えていた。 果実酒は温めて飲んだ。結果、ポカポカになって朝までぐっすり眠ることが出来た。
カニ雑炊と、焼き鳥と、にんにく味噌漬け。デザートにみたらし団子風の餅
【2日目】
4:00起床。朝食はコーヒーと、ツナマヨパスタでスタミナをつける。
小雨が降っており、速やかにテントを撤収し、縦走を開始。
甲武信小屋から破風山方面向けのルート用の「巻き道」があったので利用してみた。
モミの木が生い茂っており、見通しを隠してしまっているので、バッタリ熊などに遭遇しないと良いのだが・・
通常ルートに合流。 シャクナゲをかき分け進んでいく。早朝の縦走は幻想的。
あいにくの小雨に濃霧。霧の中から小屋が出没。
破風山避難小屋。暖炉と薪まで完備。
「残すものは感謝のみ」名言です。
破風山とだけあって、木々が風でなぎ倒されているようだ。
西破風山と。東破風山。
なだらかな笹原地帯になると、そこは雁坂嶺。
昭和の忘れ物が朽ち果てつつも、姿形を残していた。
雁坂峠に着きました。せっかくの日本三大峠も、霧でご覧の有り様。。
まあ、それはそれで幻想的な時間を堪能させてもらいました。
雁坂峠からの下山道も、笹原で見通しが効くのですが、
このように、落ち葉で踏み跡が完全に隠れていたりすると、ルートミスを引き起こしやすくなっており、
案の定、地図上ではこのエリアに「?」マークがある。
おまけに、渡渉を何度かするのだが、沢沿いはルートが判りにくいという特性がある。
そのかわりピンクテープはしっかり整備されているので、よく確認さえすれば問題は無い。
無数にある滝が雁坂ルートの見どころだ。
渡渉時は、石に書かれたマークなども道標の参考にしてください。
林道終点に辿り着きました。ここからはアスファルトを歩いていく感じです。
とはいえ、車では走れない程荒れています。
雁坂トンネルの料金所が見えてきたら下山は目前です。ホッとしますね。
無事下山。道の駅を超えて、西沢渓谷の駐車場まで歩いて戻ります。
西沢渓谷の駐車場にあるお土産屋で、ヨモギ団子を買いました。凄く美味い!
無事下山しました。お疲れ様でした。
父親は、家の額縁に甲武信小屋の目の前で撮った写真を飾っていましたが、
子供の自分には決して登山を「やるな」とおすすめはしてくれませんでした。
それはきっと事故を案じていたからだと思います。
今は私も父親となり、子供もそれなりに大きくなりましたが、単独で山に登ろうものなら、心配で止めるかもしれません。
それだけ登山にはリスクがありますが、だからこそ、人生を賭けてまで登りたいと思わせる魅力があるのだと思っています。