山岳遭難が増加傾向です
皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
2023年。山岳遭難が増加傾向にあるようです。既に、2022年には統計を始めて以来最多を更新したと報道されています。
今年は更に増えてしまうのか!?
この記事は次のように構成されています
・2022年~2023年 山岳遭難は増加傾向
・登山者自身に問題があるケースが多い
・「富士山の山開き後」「7月海の日3連休」がヤバい!
・同じパターンの事故が繰り返されている
ズバズバ!っと書いていますが、よろしければお読みください。
2022年~2023年 山岳遭難が増加傾向
22年の山岳遭難、過去最多に コロナ禍明け、東京近郊で増加
2022年に全国で発生した山岳遭難は前年から380件増の3015件、遭難者は431人増の3506人だったことが15日、警察庁のまとめで分かった。いずれも統計が残る1961年以降、過去最多となった。コロナ禍で閉鎖されていた山小屋、登山道が再開したことが影響したとみられる。
遭難者のうち、死者・行方不明者は前年比44人増の327人で、負傷者は1306人、無事に救助されたのは1873人。都道府県別では件数、遭難者ともに長野が284件、310人と最多だった。
引用:yahooニュース 共同通信 配信より一部抜粋
やはり、コロナが緩和され山に登る人の増加で単純に遭難する件数が増えていることも考えられる。ですが、その背景に運動不足の解消として高齢者を中心に新しく登山を始める人が多かったり、経験者であっても体力が戻りきる前に無理して山を登ったりする傾向があるのであれば、
「こりゃ・・しばらくは増えるだろうな」
と、思うわけです。
去年上回るペースで遭難事故発生 神奈川県警が山岳救助訓練
神奈川県警の山岳救助隊がけがをした遭難者を救助する訓練を実施しました。丹沢山地を抱える松田署管内では去年を上回るペースで遭難事故が起きていて、警察は注意を呼び掛けています。
丹沢山地を抱える松田署の管内では去年1年間で山岳遭難事故が27件起きましたが、今年はすでに25件と去年を大きく上回るペースで発生しています。 警察は登山する際には必ず登山届を提出して、熱中症対策もしながら安全な計画を立ててほしいとしています。
引用:Yahooニュース テレ朝NEWS 配信より
上記の通りです。私の予想通り推移する見込みです。
予測できるのであれば、何か事前に手を打つことはできなだろうか。
とりあえず私はこのブログで粛々と注意喚起を行っていくつもりです。
登山者自身に問題があるケースが多い
又、当ブログではこれまでにも書いてきていますが、遭難と聞くと ”道迷い” を思い浮かべると思いますが、道迷いは遭難の1つにすぎず、本当の意味での遭難は山で身動きできなくなり、下山できなくなること全てを指していますので、色々な事例がある事をご理解いただきたいと思います。
・水切れ、食料切れ
・道迷い
・滑落(踏み外し、土砂崩れ、鉄砲水)
・落雷
・落石
・野生動物の襲撃(虫を含む)
・熱中症、低体温症
・疲労
パッと挙げただけでこれだけあるんですよ!遭難のリスクは。
意外かも知れませんが、この中で頻度が多いのが、「疲労」「水切れ」「熱中症」の順番で、最も低いのが「野生動物の襲撃」でしょうか。
どれも可能性はありますけど、道迷いだけが遭難ではないのです。
「疲労」による遭難、救助要請が多いとなると、それは計画や登山者自身に問題がある可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
ただし、もちろんプロの登山家やベテランが十分な準備を整えていたとしても事故の可能性はゼロにはできない。ということは付け加えておきます。
「富士山の山開き後」と「7月海の日3連休」はヤバい!
7月は山の季節の到来です。日本アルプスや富士山の山開きと共に、日本中の登山家たちが一斉に登山に出るシーズン。
私が特に気にしているのは、”富士山の山開き後1~2週間” と ”7月海の日3連休” ここで毎年遭難のニュースが多発してくるので、
この時期になる度に、胸がザワザワとするのです。
そうしているうちに、海の日の連休後たくさんのニュースが飛び込んできます。
同じパターンの事故が繰り返されている
先ほど言った、「富士山の山開き後」「海の日3連休」の時に必ず報じられるパターンの事故が今年も発生してしまったようです。
軽装で登って救助要請、体力不足や体調不良で救助要請、落石、夫婦遭難、タケノコ狩り遭難、熱中症遭難、北~南アルプスでの道迷いや滑落。
毎年この時期に散見されるのは上記ですが、今年はどうだたのでしょうか。
あまりに多すぎるので、ほんの一部だけニュースを抜粋します。
北アルプス縦走中に単独登山の神奈川県の70代男性が遭難 飲み物は飲み切り…疲労により行動不能 県警ヘリで救助 常念岳でも茨城県の70代男性が疲れで動けなくなる 隊員と同行下山
大町警察署によりますと、20日午後、北アルプス天狗ノ頭付近登山道上(標高約2720m)で神奈川県三浦市の71歳男性が疲労のため、行動不能になりました。 男性は20日、単独で唐松岳に入山して縦走中に動けなくなり、午後7時過ぎ、本人が救助要請をしました。 21日早朝に長野県警のヘリと長野県山岳遭難防止常駐隊員が出動し、午前6時50分過ぎに男性を発見、救助して松本市内の病院に搬送しました。
また、安曇野警察署によりますと、北アルプス常念岳一ノ沢登山口付近(標高約1320メートル)で茨城県水戸市の72歳男性が疲労により行動不能になりました。 男性は7月18日から2人パーティーで三股登山口から入山し、20日、常念岳から一ノ沢登山口を目指して下山中に疲労により動けなくなったということです。 20日午後7時40分ころ、本人から救助要請があり、安曇野警察署山岳救助隊員が出動し、午後10時10分ころ、同行下山して救助しました。
引用:Yahooニュース 長野放送 配信より一部抜粋
道には迷っていないが疲労で身動きが取れないことによる救助要請もかない多い。命あって下山できたことは何よりですが、体力に合った計画が求められます。
5歳児が富士山挑戦→体調崩し救助要請 「泣きながら登るの見たことも…」環境省が明かす親子登山の実情&リスク
富士山を登っていた5歳の子供が胸の痛みなどを訴えたとして、母親が救助要請したとニュースで報じられ、ネット上で驚く声が上がっている。
「5歳の息子が胸の痛みを訴えていて嘔吐している」。静岡県富士宮市消防本部の指令センターによると、3連休最終日の2023年7月17日午前7時5分ごろ、母親からこんな119番通報が入った。 県警の発表や報道によると、母親は、富士宮ルートの新7合目(標高2780メートル)付近で、救助要請をした。県警の山岳遭難救助隊員4人が現地に向かい、9時40分ごろに近くの山小屋にいた母親らと合流し、5合目(同2400メートル)まで子供を搬送した。そして、10時45分ごろに救急隊に引き継いだが、消防本部によると、子供が元気になったため、搬送せずに母親らと帰宅したという。 母親は、中1の娘と小2の息子も一緒に子供3人を連れて登山していた。 消防本部では、「子供は、下に降りて来て治っていますので、高山病にかかった可能性があると思います」と話した。
引用:Yahooニュース JCASTニュース 配信より一部抜粋
こちらは物議を醸しているみたいですが、ニュース記事がどこまで正確に報じているか分からない部分もあり、何とも言えません。
高山病は個人差もあり、別に5歳だから起きるわけではなく、40歳でも50歳でも普通に発生しますし、場合によっては命の危険があります。
富士山は日本一の標高。私でさえ、確実に高山病になるから登るにしても憂鬱(笑)になる山であり、安易に登りたいとは全く思いません。
5歳児に富士登山させてよいかは何とも言えません。5歳児くらいの親子連れにアルプスで出会ったことがあります。又、同じく3,000m級のアルプスや、八ヶ岳などで首が座った1歳くらいの乳児を抱っこひもに括り付けて登山している母親にも会ったこともあります。お母さんの体つきはゴリゴリの筋肉でした(笑)
このように、計画や補給などしっかりされていたのか、無謀登山だったのかは分かりません。高山病なのであれば先ず標高を下げることが先決だと思います。だが、そのときは嘔吐する息子さんを見てそれが高山病なのかがどうにも判断が付かず救助要請をしたものと思料します。後は、登らせるにしてもハイペースで標高を上げるのは避けたいところです。
遭難した夫婦が遺体で見つかる 自宅にメモ「タケノコ採りに行く」十和田湖周辺で発見
青森県十和田湖周辺の山にタケノコ採りに入り、行方がわからなくなっていた青森市の70代の夫婦が遺体で見つかりました。警察の捜索が終了した7月初め、民間の捜索隊が遺体を発見し、その後身元が確定しました。
十和田湖北側の御鼻部山展望台から北東へ約2.6キロ入った山中で親族からの依頼を受けた民間の捜索隊が発見しました。6月21日に相内さんの家を訪れた娘が「タケノコ採りへ出かける」というメモを見つけ、2人が遭難した可能性があることがわかり警察が捜索をしていました。
しかし、2人は見つからず6月23日に捜索が打ち切られたため親族が民間の捜索隊に捜索を依頼。7月2日に悦子さん、4日に治光さんの遺体が見つかり、その後身元が確定しました。警察によりますと、2人の遺体に目立った外傷はないものの、死因は特定できなかったということです。
引用:Yahooニュース ATVニュース青森テレビ 配信より一部抜粋
タケノコ採りの遭難事故も必ず毎年発生しています。採取のために登山道を外れなければならず、登山道を外れたタケノコの生息地は熊の餌場でもあったりするので危険である。また、展望台から2.6km離れた山中で発見ということなので、だいぶ奥に入り込んでしまっているので、長い時間さ迷い歩いたのではないか。
夫婦が別々の場所で発見されていて、かつ目立った外傷が無いという事は、野生動物が運んだ可能性は低く、夫か妻のどちらかが先に力尽きて、片方は諦めず脱出を試みていたのかもしれない。
八海山で山岳遭難 遺体の身元が千葉県の大学教授の男性と判明 死因は熱射病か病死【新潟・南魚沼市】
死亡が確認されたのは千葉県船橋市に住む大学教授・山田雅一さん(62)です。 山田さんは18日の早朝から八海山を登り、日帰りで帰ってくると家族に伝え、17日午後9時ごろ、1人で車に乗って千葉県船橋市の自宅を出発しました。しかし、18日の夜になっても山田さんが帰ってこないことから19日午前2時ごろ、心配した家族が最寄りの警察署に届け出を提出。
19日早朝から県警ヘリと警察・消防6人態勢で捜索したところ、午前9時半ごろに八海山新開道登山ルート付近で倒れている山田さんが見つかりましたが、その場で死亡が確認されました。 死因は熱射病または病死が疑われるということです。
引用:Yahooニュース NST新潟テレビ 配信より一部抜粋
この時期での低山帯は熱中症や熱射病がある。それも単独だとリスクは大きい。症状が重いと一人ではどうしようも対処できないからだ。特に今年2023年の海の日3連休の全国的な暑さは尋常ではなかったから、あと一歩で危なかった方々もたくさんいたのではないでしょうか。
私も3連休中は毎朝9時~12時の間を20㎞~30kmジョギングしていましたが、肌に痛みを感じる程の陽射しの強さと暑さでした。危なかったです。
今回の事故でお亡くなりになられた方にご冥福をお祈りするとともに、皆様の夏の安全登山を祈っています。
良い夏休みをお過ごしください。ではまた!