LA SPORTIVA HELIOSⅢ（ラ スポルティバ ヘリオス３）悪路レビュー
皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍（たつ）です。
2022年11月
トレイルランシューズ、スポルティバ ヘリオス３のファーストレビューをしました。
その後、さらに80km程度走り込んだ中で、特に真価を問われる悪路走行の状況についてレビューをしてみたいと思います。
悪路の状況について
まず、どのような悪路なのか、試走した場所や天候など状況をお伝えします。
時期 2022年11月
場所 丹沢 相州アルプス（東丹沢）
天候 雨（土砂降り）
時間 7時間50分
距離 27㎞
試走 アスファルト、ぬかるんだトレイル、濡れた岩場、草原地帯、ザレた急斜面、木の根が張るトレイルやガレ場など
軽さが功を奏している
終日の土砂降りの山の中、約8時間、約30kmという過酷な環境なので、多少レースを想定した良い状況でのレビューが出来たと思う。
東丹沢と言えば、ヤマビルで有名だが、11月の低気温もあり、出没はしなかった。
こんな感じ（水浸し）
このコンディションで先に想像できることは、豪雨で足がずぶ濡れになることで、シューズの中が水浸しで不愉快になるということ。
案の定、水浸しになった。
ただし！その状況を覆すかのように、実際はそこまで不愉快ではなかった。
ゴアテックスではないので完全防水ではない。それでいて、靴は濡れると重みが一気に増すので不愉快な訳なのだが、それでも軽い！軽い。
219gの軽さに助けられました。ここは300g台後半の重量シューズと大きな差に感じる。長時間、長距離に及ぶほどその差が際立つ。この軽さはトレイルでの足の上げ下げなど、足捌きが快適に行える。通気性も優れていますね。
軽さはデメリットもあるが、ここでは正義だった。
さて、このシューズは「家からトレイルまで・・」をコンセプトとしており、これはまさにその通りなのだが、車を降りて舗装路を走ってからトレイルに入るまでのランニングが快適だった。
ファーストレビューでも書いたが、ランニング向きモデルなので、シューズに柔らかさがあり、かつ舗装路でのグリップは秀逸。雨のアスファルトも気にせず走れた。
とはいえ、これはトレランシューズ。山の中で快適でないと意味を成さない。
その点、今回は土砂降りなので、当然トレイルは荒れており、土は泥。
いわゆる、マッドなトレイル・・といった具合。
滑ることはなく、平坦なところは問題ない。ですが、急峻な登り下りはあまりグリップしなかった。
いや、しなかったわけではないが、例えばサロモンのセンスプロ、センスライド、スピードクロス等の泥に噛み付くようなモデルと比べると劣った。
「やっぱり、シューズによって結構違うもんだな！」と思いました。
最も実力を発揮したのは「濡れた岩場」
グリップよし！
濡れた岩場の上を飛びながら、岩から岩へ。
これが雨の中出来ました！（危ないので自己責任にて）
とてもユニークなソールパターンのヘリオス３。
フリクションは青の✕印
これは、高耐久性のグリップを効かせたランニングモデルであり、ロックグラウンド向きのソールパターンは岩場やガレ場で最高のパフォーマンスを発揮する。そしてVAの突起が雨天でのグリップに効果を発揮すると謳われている。
※スポルティバ公式HPより
まだまだ新品ということもあってか、濡れた岩場でのグリップはなかなか良かった。もちろん着地の角度や体重のかけかたによっては当たり前ですが滑ります。ご注意を。
岩場やガレたトレイルに良いな。
う～ん、でも必ずしも「良い」とは言い切れない。
木の根が張ったトレイルや、中途半端に大きい石が転がるような
いわゆる、テクニカルなトレイルでの不安要素はあった。
（もちろん、シューズが軽くグリップが良いので快適に走れたのだが）
軽量ゆえに、ソール（裏面）とトゥ（つま先）以外のプロテクトが弱いのだ。
足の甲や上部側面あたりのガードが薄く、ここに木の根や石が当たると結構痛い。
これが繰り返されるとダメージとして蓄積してくるので無視できない注意点だ。
だからこそ、ダメージを受けないような”走り方”が求められるシューズとも言える。
まとめます。
| フィールド | グリップ |
| 雨のアスファルト | 快適 |
| マッドなトレイル | 少し滑る |
| ザレた（砂、泥、小石）急斜面 | 少し滑る |
| 草原地帯 | 快適 |
| 濡れた岩場 | 快適 |
| ガレた（木の根、石）トレイル | 快適 |
こんな感じです。
補足すると、「軽くてグリップが効く」走りやすいシューズです。
軽いので、練習などの普段走りには最高ですね。
下からの突き上げ、つま先の衝撃にはさすがスポルティバ。強いです。
ただし、軽量化ゆえ、それ以外のプロテクトが弱く、ぶつけたりすると痛いのでダメージに注意。又、この特徴からロング～ウルトラ（70km～160km）は上級者なら別かも知れませんが、向かないと思います。
（スポルティバは他にロング用のモデルがあります）
いかがでしたでしょうか、スポルティバヘリオス３
引用：LA SPORTIVA 商品紹介ページより
カッコいいですよね。ただし高いです（お値段が・・）
あとは、長年の走行における耐久性を確認して参りたいと思います。
何年も履けるか、何千キロも走れるか、それでも性能が維持されるか。
このあたりの評価が出来て初めてコスパに言及出来ると思っております。
ではまた！
