蜂のアナフィラキシー

蜂のアナフィラキシー

2022年8月20日 オフ 投稿者:

皆さん、こんにちは。社団法人ランナー龍(たつ)です。

 

スズメバチが活発になる季節がやってまいりました。

山に登る多くの人が認識している通り、スズメバチは身近な危険生物です。

 

季節柄もあり、蜂の襲撃にフォーカスしてお話していきたいと思います。

心してご覧ください。

 

蜂は身近な危険生物

全ての蜂が危険ではないことを前提にお読みください。

 

山に登るリスクの1つとして、危険生物からの襲撃が挙げられます。

危険生物というと、どうしても熊や猪、蛇などが頭に思い浮かびますが、襲撃による死亡例はそう多くはないですよね。大抵、年間一桁台かと思います。

 

それに比べ、蜂による死亡者数は、厚生労働省の人口動態調査を見る限りでは減少傾向ではあるものの、年間2桁台の死亡者数が確認されます。

 

つまり、蜂による襲撃の方が身近なのです。

 

私も、熊や猪に襲われたことはありませんが、登山中にスズメバチに威嚇されたり追われたりすることは、正確に数えておりませんが(頻繁にあるので)10回程度は経験しています。幸い、登山中に刺されたことはありません。

 

なので、夏のシーズンでは、スズメバチの襲撃の可能性があることについて念頭に置いて登山に出掛けるべきとも言えますね。

 

 

アナフィラキシーとは

アレルギー反応による重篤な症状を「アナフィラキシーショック」と言いますが、

具体的に言うと、蜂に刺され、蜂毒のアレルゲンが体内に入ることで、刺された人の2割程度の割合で、それを異物として排除しようとする免疫機能が過剰に働き「Ige抗体」という物質を作ります。この状態を ”感作状態” と呼びます。

感作状態の人が再び刺されることにより、一部の割合で重篤なアレルギー反応=アナフィラキシーショック状態となり、生命の危機に陥るといった流れです。

 

押さえたいポイントとして、蜂毒のそもので命を落としているのではなく、アレルギー反応によるものだということ。そして、蜂に刺される人は相当数いるが、死亡事例はそのうちのほんの一部であるということ。理由は上記に述べた通りです。

 

 

襲撃事例

では、どんなときに蜂は襲ってくるのでしょうか。

それは、巣に近づいた時です。

もし襲ってきているのだとしたら、それは近くに巣があるか、既に巣に近づきすぎているのかもしれません。

時期的には、アシナガバチは7月~8月。スズメバチは8月~9月が主な活動時期だそう。巣作りもその時期に行うので、それを守ろうと警戒心を高めています。

 

襲ってくるラインは分かりませんが(笑) 意外と執拗に追いかけてきます。

私の経験だと南アルプスの聖岳下山中に距離約1㎞、時間にすると30分くらいは付きまとわれました。ブブブブ!音鳴ってました泣

 

超至近距離に縮められたときは、しゃがんでじっと動かずにしています。それで飛び去ってくれることがほとんどなのですが、時折さらに距離を詰めてくるときがあり恐怖です。

15㎝くらいに迫ってきたとき「ヒィィ!」と言ってゆっくり逃げました。刺激し過ぎないように猛ダッシュはしませんでしたが、ビビリなのでじっとはしていられませんでした。

 

私は幸い、登山中に刺されたことはありません。

ですが、平地で刺されたことはあります。アシナガバチかスズメバチかは分かりません。背中でしたので。

「ズン!!」と背中に痛みを感じ、時間の経過とともに痛みが増した記憶があります。翌日には、だるさ、頭痛と発熱に見舞われました。

めまい、血圧低下、意識消失までに至ると重症というか、アナフィラキシーショックも疑われますので早急に医療にかかっていただきたいです。

 

私は、これが1回目なので危険は少ないですが、アブナイのは2回目です。1回目に刺されてから1年以内は反応が出やすいことが考えられていますので刺された直後の方は気を付けてください。私、刺されたの2007年くらいだったので、2022年の今はもう時効かな!?汗

 

 

話は変わりますが、トレイルランニングのレース中に襲撃される話を何度か聞いたことがあります。これは直接巣に触れていなくても、大勢が走ることによる振動が巣を刺激して、兵隊バチが一斉に飛び出してきたものと思われます。

 

ゴールに向かいたい気持ちは分かりますが、気が付いたら絶対近づかないべきです。

次に対策を述べていきます。

 

 

 

ハチ対策

ハチ対策は、蜂に襲われにくくする行動を心掛けることですが、それはいくつかあります。

・ハチの巣に近づかない

・黒い服を避ける

・帽子をかぶる

・香水を避ける

・虫避けのハッカ油を使う

・ポイズンリムーバーを持参する

 

これは一般的に有効と言われていることです。

参考にできるかは別として、これに私の所感を加えて解説してみます。

 

ハチの巣に近づかないは、間違いなく根本的対策と言えます。とはいえ、ハチの巣はそもそも外敵に見つからない場所に密かに作られている場合が多いですよね?

だから知らずに近づいてしまうんです。

このリスクを下げるポイントとしては、近くでハチが飛んでいないか確認することと、同じく近くに【蜂に注意】の看板が無いかなども判断材料になります。看板があったらそこにハチの巣があると確定しているようなものです(笑)

 

黒い服を避ける。ですが、どれだけ黒い服が危険かは正直実感湧かないです。私が蜂に追われる時は黒い服の時とは限らないし、結構黒の衣類着て山にはいってしまっているので何とも。それに、スズメバチ駆除業者が全身真っ白な防護服来てても、防護服の上から刺されまくっているではありませんか^^; しかしながら、白だから安全という過信はしないまでも、黒を避けた色にすることは昔から伝えられてきていますよね。

 

帽子をかぶる。これは、先ほどの ”黒を避ける” と同じ意味合いですが、髪の毛は黒いので、それを隠すためと、帽子が無いと頭が完全に無防備だからである。

 

香水を避け、ハッカ油を使う。ですが、刺激臭は蜂を誘うと言われていますよね。ハッカ油も刺激臭ですが、虫全般が嫌がるので類に違わず蜂も嫌うと私は認識します。真夏の虫多い山では私もハッカ油を使いますが効果は抜群です。注意が必要なのは、汗や時間と共に効果は薄れてくるので、また虫が寄ってき始めたら都度塗り直す必要があります。トレランレースでも夏はハッカ油必須アイテムです。

 日常使いもできるので持ってて損はない。スプレー式。

(ハッカアレルギーの方はお控えください)

 

ポイズンリムーバーを持参する。やはり持っていると安心感がありますよね。ただし、持っているだけではなく、いざという時に使えるように正しい使い方を事前に把握すようにしてください。

 

 

最後に本当にあった怖い話

近所でアシナガバチの巣の駆除を行ったらしく、巣を破壊されたハチたち・・100匹以上の数が我が家に飛んできて、たまたま洗濯物の出し入れのタイミングと相まって家の中に大量にハチが入り込んだのです!!

「うわぁぁぁぁぁ」

叫ぶレベルでした。

 

ベランダには新しい巣を物凄い速いペースで作り始めるし、身の回りをハチがブンブン飛んでいるし、地獄絵図とはまさにこのこと。

様子が一変したのはしばらく時間が経ったとき。

ハチが次々に死んでいくんです・・・

 

家の中を飛んでいるハチは全滅しました。

ベランダで巣を作っているハチも作り途中のまま果てました。

家の中に散らかるハチの死骸をただ見つめる微妙な時間になりました(笑)

 

掃除機で吸うのも気持ち悪いので、ほうきとチリトリでサササっと掃除ました泣

 

以上、ほんとうにあった怖い話・・じゃなく、蜂のアナフィラキシーについてのお話でした。

蜂は刃物です。刃物はぶつかるだけでは切れません。間違った動きをすると切れてしまいます。飛んでくる刃物に刺さらないようにやりすごしましょう。

 

参考になりましたでしょうか。ではまた!