これからの野生動物と人間との関係を、著書『獣害列島』から読み解く
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
私達の暮らしと野生動物の生活圏はとても近い距離感です。
それもそのはず、東京で暮らしている私でさえ、家の軒下にたぬきが侵入したほど、思いの他近くに潜んでいるのです。
野生動物とバッタリ遭遇!なんてニュースは日本中で日常茶飯事だ。
それを再確認させてくれる本と出合った。
これです。
『獣害列島』 著:田中敦夫
この印象的なタイトルの本。いったいどのような内容なのでしょうか。
今日は人間と野生動物の距離感について触れていきます。
それではどうぞ!
増えすぎた日本の野生動物たち
食害・・人身被害・・
ツキノワグマの写真と共に書かれたメッセージ・・・
本のパッケージとタイトルから見るには、ツキノワグマの本かと思いました。
(実際は違いました)
それに、コロナ禍は獣害? 私は思わず「は?」である(笑)
列島全域が奈良公園、コンビニにたむろするイノシシ、レジ袋片手に冷蔵庫を荒らすサル、ネコは猛獣。人獣共通感染症。
「住処を奪われているのは」人間の方だった。
キャッチフレーズがキャッチ過ぎて私は笑うしかありませんでした。
野生動物を知っていれば、1つの考え方として俯瞰して読むことが出来ると思いますが、
そうでない人にとっては誤解を招きかねないなと、感じました。
著者について、農学部出身の学者さんがこれを?と首をかしげましたが、
プロフィールを見ると、その後新聞社を経て、森林ジャーナリストとなっていたので
「なるほど(笑)」と納得。
あまり書きすぎるとネタバレになりよくないと思いますので、ほどほどにしますが、
このキャッチーなフレーズに反し、内容は真面目に書かれており、一人の森林ジャーナリストによる、今の野生動物に対する1つの見解が書かれていて、たいへん参考になりました。
注目して読むべきポイントの1つは、世間一般に言われることと逆発想の視点であるということ。
人が野生動物の住処を奪うというのではなく、野生動物が人の住処を奪うということです。
確かに、過疎化で、人は都心に集中すると、先ず自然が豊かな地方の人口が減り、放置された家や畑に野生動物が進出していくことになる。
戦国時代で例えると人間と野生動物の生活圏のシェアが、野生動物に占領され始めているということ。
ここは、昭和初期と令和とでははっきりと違いそうですね。
獣害と言えば、熊が引き起こした人身被害を想像してしまいがちですが、
滅多に遭遇しない熊よりも、より身近な小動物。
アライグマやハクビシン。外来生物含む小動物による農作物と人家の被害が深刻だ。増えまくる鹿も然りw
つまり、熊よりも後者の動物の要因が大きく、まさに本書が指す【獣害】と言えよう。
野良猫でさえ、猛獣と叫ぶ理由とは?
人間と野生動物の生活の現状。そして、これからの関係について本書を手に取って、読み解いてほしい。
(キャッチフレーズは少々、煽り過ぎだけれど)
どうぞ。
こちらもかなりおすすめ。
私の愛読書です
ではまた!