これからの野生動物と人間との関係を、著書『獣害列島』から読み解く

これからの野生動物と人間との関係を、著書『獣害列島』から読み解く

2021年7月2日 オフ 投稿者:

皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。

 

私達の暮らしと野生動物の生活圏はとても近い距離感です。

それもそのはず、東京で暮らしている私でさえ、家の軒下にたぬきが侵入したほど、思いの他近くに潜んでいるのです。

 

野生動物とバッタリ遭遇!なんてニュースは日本中で日常茶飯事だ。

 

それを再確認させてくれる本と出合った。

これです。

『獣害列島』 著:田中敦夫

 

この印象的なタイトルの本。いったいどのような内容なのでしょうか。

今日は人間と野生動物の距離感について触れていきます。

それではどうぞ!

 

 

増えすぎた日本の野生動物たち

食害・・人身被害・・

ツキノワグマの写真と共に書かれたメッセージ・・・

本のパッケージとタイトルから見るには、ツキノワグマの本かと思いました。

(実際は違いました)

 

 

それに、コロナ禍は獣害?  私は思わず「は?」である(笑)

 

列島全域が奈良公園、コンビニにたむろするイノシシ、レジ袋片手に冷蔵庫を荒らすサル、ネコは猛獣。人獣共通感染症。

「住処を奪われているのは」人間の方だった。

 

キャッチフレーズがキャッチ過ぎて私は笑うしかありませんでした。

野生動物を知っていれば、1つの考え方として俯瞰して読むことが出来ると思いますが、

そうでない人にとっては誤解を招きかねないなと、感じました。

 

著者について、農学部出身の学者さんがこれを?と首をかしげましたが、

プロフィールを見ると、その後新聞社を経て、森林ジャーナリストとなっていたので

「なるほど(笑)」と納得。

 

あまり書きすぎるとネタバレになりよくないと思いますので、ほどほどにしますが、

このキャッチーなフレーズに反し、内容は真面目に書かれており、一人の森林ジャーナリストによる、今の野生動物に対する1つの見解が書かれていて、たいへん参考になりました。

 

注目して読むべきポイントの1つは、世間一般に言われることと逆発想の視点であるということ。

人が野生動物の住処を奪うというのではなく、野生動物が人の住処を奪うということです。

確かに、過疎化で、人は都心に集中すると、先ず自然が豊かな地方の人口が減り、放置された家や畑に野生動物が進出していくことになる。

 

戦国時代で例えると人間と野生動物の生活圏のシェアが、野生動物に占領され始めているということ。

ここは、昭和初期と令和とでははっきりと違いそうですね。

 

獣害と言えば、熊が引き起こした人身被害を想像してしまいがちですが、

滅多に遭遇しない熊よりも、より身近な小動物。

アライグマやハクビシン。外来生物含む小動物による農作物と人家の被害が深刻だ。増えまくる鹿も然りw

 

つまり、熊よりも後者の動物の要因が大きく、まさに本書が指す【獣害】と言えよう。

 

 

野良猫でさえ、猛獣と叫ぶ理由とは?

人間と野生動物の生活の現状。そして、これからの関係について本書を手に取って、読み解いてほしい。

(キャッチフレーズは少々、煽り過ぎだけれど)

 

 どうぞ。

 

こちらもかなりおすすめ。

 私の愛読書です

 

ではまた!