【悪夢】中国甘粛省で開催された100kmトレイルレースで21名死亡の速報

【悪夢】中国甘粛省で開催された100kmトレイルレースで21名死亡の速報

2021年5月27日 オフ 投稿者:

トップ画像の写真は後ほど紹介するLivedoorニュースの記事より引用しております

 

皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。

また当ブログへアクセスが急増したため、これは只事ではないと恐る恐るニュースを調べたところ、

2021/05/21に、とても恐ろしい事故が発生していたことが分かりました。

 

内容は次の通りです。

トレラン大会で天候急変、21人死亡 甘粛省

中国甘粛省白銀市景泰県の黄河石林景勝地で22日、100キロトレイルランニング大会の開催中に気温が急激に低下し、ひょうやみぞれ、強風の影響で参加者の一部が行方不明となった。23日午前10時15分までに21人の死亡が確認された。

出典:Livedoorニュース記事より

 

中国のクロスカントリー大会で21人死亡、突然の悪天候で

AFP=時事】(更新)中国北西部で22日に行われた全行程100キロのクロスカントリー大会がひょう、冷たい雨、強風といった悪天候に見舞われ、参加者のうち21人が死亡した。国営メディアが23日に伝えた。

国営新華社(Xinhua)通信によると、大会は甘粛(Gansu)省白銀(Baiyin)市近郊にある山岳地帯の「黄河石林(Yellow River Stone Forest)」で行われ、172人が参加していた。

中略

新華社は、「救援本部によると、22日午後1時(日本時間同2時)ごろ、20~31キロ区間の標高が高い場所がひょう、冷たい雨、突風に見舞われた」と伝えた。「参加者らは、急激な気温低下による体調不良と低体温症に苦しんだ」 「一部の参加者が行方不明となり、大会は中止された」

出典:Yahooニュース AFP時事より

「クロスカントリーで事故」の記事が乱立しており、一瞬イメージが湧きませんでしたが、

・・思いっきりトレランじゃないっすか汗

 

今記事を書いている時点(2021/05/24)で既に21名の死者が確認されているということで、山岳イベントとしては少なくとも私自身、今までに耳にしたことのない規模の事故が発生してしまったと認識しています。

 

100kmの距離は長いけど、日本のレースと比べて圧倒的に過酷な環境だとは思わない方がいいと思うんです。

それはつまり、日本国内で開催されるレースでもごく普通に発生しうる。と考え、今回の事故の背景と対応については、目を背けず大会開催者を中心によく考察するべきであると私は考えます。

 

そんなことを、ふつふつと考えていたら、「日本トレイルランニング協会」から同様のメッセージと注意喚起がなされておりました。

十分だ、不十分だという議論をするより、より安全が確保できることについて模索していただきたいなと個人的には思うところです。

 

改めて、

本件レースは中国、甘粛省で行われる「黄河石林山地马拉松百公里越野赛」という名称で、その中の100kmの部で起きた事故になります。

お亡くなりになられた選手に対し、ご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

今回、ポイントとなるのは低体温症 要因は3つ

ニュース記事で読み取れる範囲で考察していきたいと思います。

要因の1つ目は、想定外の気温低下とみぞれ。

レース開催中、気温の低下に加え、ひょうやみぞれ、雨などに体温を奪われるとなると、これはニュースに書かれている通り<低体温症>が起こりうる状況であることが分かります。

レース自体、距離に対する標高差もそれほどでもなく、都市部近郊と書かれていることから秘境を走らされているわけではなさそうだ。だとしたら、何故ここまで犠牲者が出てしまったか。

午後1時頃、スタート地点から20㎞~30km地点の標高が高いエリアで、気温低下に見舞われたということなので、その時間帯に通過した選手に影響が出たということになります。

この区間はエイドステーションが少ない(又は無い)、すぐ人のレスキューが入りにくいことが重なってしまったことも、事故に至る要因と捉えられます。

私は経験上、雨でかつ、気温が15℃を下回ったら低体温症のリスクがあると思っています。

過去に白馬で気温14℃の雨の中走っていたら寒さで震えました。完全防寒にする分岐点かなと思ったほどでした。

寒さも感じなくなるほど具合が悪くなればそれはもう低体温症です。

 

当日の選手の服装は、半袖短パンの選手も多かった模様。これが2つめの要因。

みぞれが混じる雨ということは、14℃どころか、0℃~5℃とか、そういうレベルであったことは容易に想像がつきます。これは速やかに低体温症に直結するでしょう。

レースの場合、防寒具を必携装備にしてしない限り、軽量化のために持参しない選手が多くみられるでしょう。

 

長い距離を走るほど寒さがダイレクトに堪えます。2018年に参加した伊豆トレイルジャーニーは50㎞走った地点でのエイドステーションでは気温が4℃、夕方、少し前には雪がチラついていました。

疲労によりもう体が熱くなるような速度では走れないので、とにかく寒いです。

エイドでしし汁を3杯もおかわりして、上下のアウターを身にまとい、防寒手袋を装着し、体がポカポカ感じるところまで回復してからレース復帰した思い出があります。

冬のレースでも体が温かければ、パワーも出るし頑張って走り続けることが出来ます。

 

今回、低体温症に陥る3つ目の要因、そして、死者が多くなってしまった一番の要因は、選手それぞれの心理状態にもあると着目しています。

非常に危険な状況と分かっていながら、「引き返す」選手がどれだけいるだろうか。

我慢強いというのもあるかも知れませんが、レースで勝負している最中、ゴールとは真逆の方向に進むというのは心理的にかなり抵抗があると思います。これがなかなかできない。

山で遭難した時と同じように、いち早く進んでここを脱出したい!進み続けようという心理になると想像します。

低体温症になる前段階で早々にリタイヤ、引き返す、暖を取る、などレースを放棄し、冷静な行動が出来ていれば助かる可能性が高くなるのでしょうが、このレースのことを詳しく知らない以上、何とも言えません。

さらに低体温症になると正常な判断が出来なくなるとも言われております。

以上が、低体温症に陥ることとなった3つの要因です。

この記事は、ニュースの記事の信ぴょう性に依存する内容であり、記事から想定できる範囲での考察と低体温症への注意喚起のために書いていることをご了承ください。

 

これは登山で言う ”遭難” と同じ事です

2021年、今年のゴールデンウイークでも雪山の低体温症による遭難死亡事故が起きてしまいましたが、山の中で寒さにより行動不能に陥ることも、”遭難”にあたります。

大会運営側も選手を遭難させないよう、可能な限りの配慮が必要だと思いますが、

それ以上に、選手一人一人が、大会側に依存しすぎるのではなく、

登山をするのと同じように、遭難(山の中で行動不能になること)しないように、最大限の準備と、自己責任において判断をする心構えをもって挑んでいただきたいと思います。

 

 

レース中の遭難について書いた記事はこちら

 

レース中のリタイアを避ける心理について書いた記事はこちら(ジョークを交えていることをご了承ください)

 

あれ?おかしいな。これは異常だ。と思ったら引き返す・・など、現時点の状況で最も安全だと思える行動、判断をできるようにしたいものです。

ではまた。