ツノが体を貫通 カモシカの突進に注意
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
ツノが体を貫通・・非常に痛々しいタイトルですが、
2020年10月の記事で、カモシカのツノに突かれた男性が亡くなられたというニュースを皆さんはもうご覧になりましたか?
ニホンカモシカをご存じの方なら、その姿が想像つくと思いますが(Topの写真)
鹿とは異なるこの短い角で命を落とすほどのことになるなんて信じがたいとお思いの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
ニホンカモシカは、厳密にはいわゆる鹿の仲間とは異なり、牛の仲間になります。そして、その角も鹿の雄のような立派なものに比べると小さいですよね。
それでもこの「小さい角」は間近で見るとしっかりとしております。
例えると・・・
声も出せず苦しむクリリン・・
※ドラゴンボールZ 鳥山明
アニメの例えで恐縮ですが、太くてしっかりとしたフリーザの角がクリリンの腹を貫通しており、無念ながら、これによりクリリンは死に至ってしまうシーンでした。確か。
・・ヤバさは伝わりましたでしょうか。
登山でこれは避けたいところですね。
これからこのニュースについて詳しくお伝えするとともに、これに付随する事項についても書いていきたいと思います。
・・・心して、お読みください。
カモシカのツノで突かれた男性死亡・・
この事故は、シカ猟の罠にかかったカモシカを逃がそうとしたときに不意に発生した事故のようです。
ニュース記事は以下の通りです。
わなから逃がそうと…カモシカの角で脚突かれた男性死亡
愛知県新城市は5日、同市黄柳野(つげの)の山林で、わなにかかった国特別天然記念物のニホンカモシカを逃がそうとした市内の男性(70)が、角で突かれて2日に死亡したと発表した。
中略
市によると、男性は2日午前8時ごろ、シカ猟のくくりわなにかかったカモシカを発見、逃がそうと近づいたところ、角で太ももを刺された。
出血性ショックで約2時間後に死亡した。
わなにかかったところに人が近づいてきたため、男性を襲ったとみられる。
う~ん、おとなしいカモシカも、突進すると危険なんですね・・
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
そして予想通り、このカモシカはその後殺処分されたということです。
山で危険な野生動物は熊だけではありません。
鹿やカモシカだって、重量があるその体でかなり俊敏に動きます。
よって、突進されたらその衝撃で谷底に飛ばされる恐れもありますし、今回のニュースのようにツノが体を貫いてしまう恐れだってあるということです。
私も、ニホンカモシカを追い詰めて超至近距離で撮影したことがありますが、
かなり危なかったです!あと少しで突進されるところでした。
(突進されたら回避できないくらい、近づいてしまっておりました汗)
その写真が、コレです。
2018年 丹沢、世附権現山で撮影
全身の毛が逆立ち、突進する準備してました汗
身の危険を感じたのでその場から離れました。
カモシカのツノの位置と成人男性の太ももの位置がだいたい同じ高さなので、突かれたらひとたまりもありません。
野生動物は常に生き残るための極限を生きているので、どんな行動にうつるかわからないことから、おとなしい草食動物であっても危険であるという認識は持つべきと私は考えます。
交通事故のように、突然の衝突事故は山でも起こり得るのです。
ただし、時に人間も危険である
今回のニュース記事に付随して、関連するが少し違った角度からこのような事故にも注意を払わねばなりません。
それがこちら、
登山者に猟銃の弾が当たる 山梨県丹波山村
2日午前11頃、山梨県丹波山村の山の中で地元猟友会メンバーの男性が撃った散弾銃の弾が登山中の男性の手の指に当たりました。
男性は骨を折る大けがをしましたが命に別状はありません。
警察によりますと2日午前11時頃、丹波山村の山の中で狩猟をしていた73歳の男性が発射した散弾銃の弾が登山をしていた東京都の73歳の男性の手の指に当たりました。中略
当時、猟友会のメンバー約10人がシカなどを捕獲するため狩猟をしていて登山者をシカと見間違え銃を誤射したとみられています。
引用:UTYテレビ山梨ニュース記事より抜粋
20201年年始、正月は平和だなと思いながらニュース記事を閲覧していると・・・
え、新年早々・・!?
2021年1月2日にこの記事を執筆しながら見かけた出来立てほやほやのニュースです。「これは・・」と思い、咄嗟に記事を紹介しています。
散弾銃(ショットガン)なんて尚更、避けられません。
新年から狩猟に出掛けられていることに敬意を示しますが、残念な事態となってしまいました。
よく聞くのが同じハンター同士で誤射ってのはありますが、今回のポイントは撃たれたのが”登山者”であるということ。
すなわち、これは登山をする私たちも気を付けなければならないということです。
対策の1つに熊鈴という選択肢
丹波山村には東京都の最高峰「雲取山」に向かうルートもありますが、
山梨県の丹波山村側は経験上、基本的にほとんど人が歩かない静かなエリアで野生動物も多く生息していますから、このような誤射に至るリスクと言うのはあると言わざるを得ません。
・・・いかがでしたでしょうか。
異なる2つのニュースに共通するのは、いずれも鹿(カモシカ)を追いかけた末の事故であるということ。
ツノが体を貫通する話から始まり、野生動物や狩猟者(ハンター)との突発的な出会いに注意しましょうというお話をしました。
このような点についても気を付けながら安全登山をしていただきたいなと思っております。
ではまた!