北から南に大縦走!25時間で八ヶ岳全エリア縦走【動画付き】
皆さん、こんばんは。社団法人ランナー龍(たつ)です。
この記事は2020年の8月、お盆を利用して八ヶ岳全山を縦走してきたときの記録になります。
なので、今は冬ですが夏山のお話です^^;
八ヶ岳全山というと、厳密には違いますが、八ヶ岳を構成する全てのエリア(最北端の蓼科~最高標高の赤岳を経由~最南端の編笠山まで)を縦走してきました。
縦長に最も距離が取れて、さらに極力1つでも多くのピーク(山頂)を踏むというスタンスで計画及びルート取りをいたしました。
記事の最後には動画も用意していますので、この登山の様子がよく分かると思います。
常識的に考えると2日~3日の宿泊を伴うコースになりますが、1日+αでの弾丸登山になるので当然、夜行登山の時間もたっぷりと紹介しています。
夕方に入山し、夜通し歩き続け、明けてから徐々にペースアップしていくという変則なペースなので思いの他、キツかったです。
まして、高山病に弱い私は標高が2,500mを超える稜線歩きでは全然ペースがあがらなかったです。
結果的に24時間ちょうどで踏破できればと考えていましたが、25時間かかってしまいました。とはいえ、事故無く無事に下山出来、良いトレーニングになりました。
根石岳山荘で食べた”牛丼”で復活し、赤岳山頂で飲んだ”ロキソニン”で脚の痛みを誤魔化し、終盤かなりペースアップをしました。
それではどうぞご覧ください。
今回の登山の概要
日時:2020/08/14~15 0泊2日 下山後に1泊
天候:最高の晴天
メンバー:2名
エリア:八ヶ岳(全エリア)
登った山:17か所のピークを踏む 詳細は後半のまとめに
宿泊地:なし (下山後ホテル八峯苑 鹿の湯)
ルート: 蓼科山登山口👉蓼科山👉双子山👉大岳👉北横岳👉雨池峠👉縞枯山👉茶臼山👉大石峠👉麦草峠👉白駒池入口👉にゅう分岐👉中山峠👉東天狗👉根石岳👉箕冠山👉夏沢峠👉硫黄岳👉横岳👉赤岳👉権現岳👉編笠山👉富士見高原下山
累積歩行時間:約25時間30分
累積歩行距離:約38.5km
累積獲得標高:3,966m
登山口までのアクセス:東京より中央高速、小淵沢ICで降り、蓼科山登山口まで
(下山後はレンタカーで自家用車回収)
長すぎる夜・・ ペースが上がらず
エスケープルートもいくつか考え、リタイヤのパターンについても予め入念に考えました。
24時間で踏破しなければならない過酷な条件ではあるが、
八ヶ岳のすべて歩くというのは非常にロマンがあり、挑戦のし甲斐があります。
中央高速から望む八ヶ岳
徐々に近づいてくる八ヶ岳に胸を躍らせつつも、精神を集中させる。
八ヶ岳最北端の地、蓼科山登山口に車を到着させると時刻は16:30.
日没前の入山になるが、同時に疲労感も伴ってのこと。
早朝に入山するのと体の感覚もだいぶ違うように思います。
蓼科山荘
到着したのは19:05 夏で日が長く助かった・・(ガスに包まれてますが)
蓼科山荘はコロナ禍でも営業しておりました。客は1組の2名のみ。
山小屋をほぼ独り占めなんて優雅だな~いいな~!
(ここでカップラーメン食べました)
ここからが辛い時間だった。
蓼科山から麦草峠までは夜行登山で、景色が見れず、ひたすら闇に耐える
時間となった。双子池から大岳、北横岳までのルートが踏み後薄く不明瞭であった。日中だったらもっとスムーズに進めたと思います。
闇、闇、暗闇の連続です(笑)
静かな登山を楽しみましたが、突然!その静寂を打ち破るかのように鹿が飛び出して、私の心臓も飛び出してしまうところでした。
夜は慎重に進む分ペースが上がらず、効率が悪いので
可能な限り夜は歩かない方がいいことを再確認しました。
それでも夜空を見上げると満点の星空のじゅうたんがどこまでも広がっていて、
幸せな気持ちになり、頑張って歩き通すことが出来た。
これが本当に素晴らしく、ヘッドライトを消して少しの間見上げていると、
流れ星の流星群!!そう、ちょうどペルセウス流星群が見れる時期だったようで、思わぬ夜行登山の収穫となった。
待ち望んだ朝・・ 徐々にペースも上げ無事下山
4:30頃から徐々に空が明るみ始めますが、差し込む太陽の光で山が宝石のように
美しくなり涙が出そうになります。
この時間帯のちょっと前くらいから歩き始めるのが夜行登山の理想かなと思いました。
この瞬間を味わいたくて登山をやっているようなものですw
森の中に宝石が輝いてました。
明るくなり、午前中のうちに南八ヶ岳エリアに入ることが出来ました。
ここからは山の険しさは増し、それにつれ、鎖場、梯子、崖などの場面が
南側に進めば進むほど増えてきます。
夜間の通過は厳禁です。
八ヶ岳から望む富士山
最高の晴天の中、気持ち良い稜線歩きです。
いったい、いつ終わるのかね?と天に尋ねたくなるほどです。
同時に脚の痛みも限界を感じるようになり、リタイヤを何度も考える。
不用意に進むとリタイヤでさえ困難になるからだ。
それでも山小屋で牛丼やカレーを食べ、少し休むと不思議と
力が湧いてきて、1つ、また1つと山を越えることが出来た。
根石岳山荘の牛丼
これで体の底からパワーが出てきた。危なくリタイヤに気持ちが傾くところだったぜ。
昨今のコロナ影響で、登山客は少なく、赤岳の鎖場エリアの渋滞もなく
スムーズに進めました。
山小屋は稜線上のメインの山小屋は営業していましたが、
営業していない山小屋やヒュッテもたくさんありました。
給水のこともありますので、事前確認は必ずしておいた方が良いです。
メインディッシュの赤岳
100名山であり、八ヶ岳最高峰の赤岳に到達したのは11:59.
赤岳を100名山と言いましたが、八ヶ岳を総合的に100名山と定義しており、その代表を最高峰の赤岳としているようです。
青年小屋で最後の給水をして、最後のピーク、編笠山に辿り着いたのは
16:00、日没前の下山が見えてきた!!
編笠のような形の編笠山
編笠山と権現山のキレットにある青年小屋でCCレモンを買って一気飲み。
編笠山からの下りは走りましたが、富士見高原登山口に出れたのは18:00頃、
日没まではあと30分といったところか、
25時間、丸1日を1時間オーバーしてしまいましたが、
大きな怪我やトラブルなく無事下山ができ、山に感謝、
そして、親切にしてくださった山小屋の皆さんに感謝。
今回登った山々を振り返る
北八ヶ岳
・蓼科山
・双子山
・大岳
・北横岳
・縞枯山
・茶臼山
・麦草峠
・ニュウ
・中山峠
・天狗岳(東天狗)
・根石岳
・箕冠山
南八ヶ岳
・夏沢峠
・硫黄岳
・横岳
・赤岳
・権現岳
・編笠山
いやあ、結構登りましたね。八ヶ岳の全部ではないけれども。
蓼科山も登っているし上々でしょう。
結局、北と南の違いはどうだったのかと思い返しているところですが、
確かに山の雰囲気は違います。
ただ、北と南に線引きするのがなんとなくしっくり来ず、
日本アルプスのように、北、中央、南、3つに分けてみたら
面白いのではないかと思案したところです。
難易度は圧倒的に南八ヶ岳が上です。
いかがしたでしょうか、大小さまざまですが、これだけの山にひたすらアタックできるのが八ヶ岳の楽しいところ。
今回は天候に非常に恵まれ、常時晴天で最高の見晴らしでした。
もっとじっくりと楽しむために、3日間くらいかけてゆっくり歩いても見たいなと思いました。
山小屋でビールでも飲みながら。 2020/08/18 執筆
動画の方も紹介します。ちょっと夜が長いのですがごゆっくりご覧ください。
皆さん、今年も登山を楽しみましょうね!
ではまた!